同人誌を印刷する際に必要なテンプレートとは?
同人誌の印刷を業者に依頼しようとしてウェブサイトを確認したり、相談を持ちかけてみたりすると、テンプレートを使うように促されることがよくあります。
どのような種類のものがあって、どんな目的で用意されているのかを理解し、スムーズに依頼できるように準備を整えられるようになりましょう。
なぜ必要になるのかを知っておこう
同人誌の印刷を業者に依頼するときにはテンプレートを使って欲しいと言われるのが一般的です。どんな冊子に仕上げたいかに応じて適切なものを選んで使用することが求められているため、違うものを使ってしまうと一から作り直しになってしまうかもしれません。
基本的には完全にオリジナルの原稿であっても発注することはできますが、契約をするまでにかなりの手直しをしなければならなくなることも稀ではありません。テンプレートが提供されているのは、スムーズに高品質の同人誌を印刷して提供できるようにするのが主な目的です。
そのフォーマットに従って制作されていれば製本したときにきちんとイラストや文章などが見やすい位置に入るようになっています。冊子として綴じたときに隠れてしまわないようになっていたり、プリンターの都合でプリントするのが難しい部分は余白にするように指示してあったりするのも特徴です。
また、色の数や用紙の大きさなどを指定して作ってもらうことができますが、使える色がどれか、選んだ大きさに応じてどのようなレイアウトにしなければならないかがフォーマット化されています。テンプレートに従って制作することで、この色は使えないから変更して欲しい、微妙にサイズが違っているから修正して欲しいといったことを言われることがなくなるのです。
さらに、ダウンロードしたファイルから制作を始めれば、ファイル形式やファイルの設定についても業者が指定したものになっています。微妙に設定が違っているだけでズレが生じたり、色合いが変わったりしてしまうことも少なくありません。そのようなトラブルを未然に防ぐためにフォーマット通りに作成することが重要なのです。
どんな種類のものが用意されているのか
テンプレートは一つしかないということはほとんどありません。同人誌の場合にはまず表紙用、中身用の二種類に分けることができます。表紙については綴じ方によってフォーマットが異なるため、無線綴じ、中綴じ、折綴じ用にそれぞれ準備されているのが一般的です。それに加えて、表紙の上にカバーをする場合を想定して、カバー用のフォーマットを用意している業者もあります。
特に文庫や新書と同じフォーマットで同人誌を作りたいと考えている場合にはカバーも作ることになるでしょう。文庫や新書の場合にはそれぞれの規格があるため、それに合ったサイズのフォーマットになっています。
表紙、本文のそれぞれについて文庫や新書でない場合にはB5やA5、A4といったサイズごとに分けられているので、どのサイズにするのかを決めておくことが必要です。さらに、それぞれのサイズのフォーマットに対して、グレースケール、二色刷り、フルカラーなどといった色数ごとのものがあるのが通例になっています。
一つのファイルにまとめられている場合もありますが、それぞれ別ファイルにしてあって適切なものをダウンロードしなければならない業者も多いので注意しましょう。制作を始める前の段階で、どんな形で印刷してもらうのかを決めておくことが重要なのです。
もしそれを怠ってしまうと、完成したものをフォーマットに合わせて変更していかなければなりません。たまたま似たような仕様になっていれば速やかに作れますが、各所で微修正が必要となってしまうと直すのに何週間もかかってしまうかもしれないので注意しましょう。制作を開始する段階でどの業者に依頼するかを決め、色数やサイズなども決定しておくのがスムーズに進めていくための基本なのです。
また、業者によっては冊子以外の部分についてもテンプレートを用意してくれていることもあります。例えば、同人誌をしおり付きで売りたいと思っている場合には、しおりも業者に作ってもらうことが可能です。そのフォーマットも用意されているので、それに従って作成するようにしましょう。
このようなオプションは業者ごとにかなり内容が違うので一概には言えませんが、基本的にはどんなグッズであってもフォーマットが決まっています。業者によってはグリーティングカードや名刺、CDジャケット取り扱っていて、まとめて発注すると安上がりになることも珍しくありません。
簡単なノベルティを手がけている業者もあるので、どんなものがあるかを確認しておいたほうが良いでしょう。同人誌で使っているキャラクターグッズを作って一緒に販売すると売り上げが伸びると期待できます。同じ業者に依頼するとフォーマットは似ているので作りやすく、手間という観点からも魅力があるのも確かです。
テンプレートは使わなければならないのか
同人誌の制作をすでに進めていて、そろそろ完成するから印刷業者を選ぼうと考えることもあるでしょう。これまではずっと仲間同士で同じフォーマットを使っていたけれど、業者がフォーマットを指定しているとは知らなくて困ったというケースもあるかもしれません。
確かにポスターやチラシなどを依頼するときには特にフォーマットがなく、サイズだけ合っていれば問題ないということがほとんどです。その固定観念があると依頼する段階になって作り直さなければならないのかと途方に暮れるような気持ちになることもあるでしょう。
しかし、業者によってはテンプレートに必ずしも則っていなくても発注を受け付けてくれるので心配はありません。確かにフォーマットが一様に決まっていると業者としてはスピーディーに対応でき、ミスも起こりにくく、発注者が希望していたような仕上がりになりやすいというメリットがあります。
しかし、作り直す手間を考えると多少の時間がかかってしまっても良いという人もいるでしょう。ミスが発生してしまったとしても、後から修正できるのなら問題ないと考える人もいます。
仕上がりについてもサンプルをもらえて、適宜直せるなら大丈夫という人も少なくありません。このようなニーズに応えるためにあくまでテンプレートは参考用として提供している業者もあります。
そのフォーマットを使っていれば安く発注できるけれど、オリジナルのフォーマットでも受け付けるというスタンスの業者も多くなっているのが現状です。そのため、もうほとんど完成してしまっているというのならこのような対応をしてくれる業者を探して相談するのが賢明と言えます。費用が余計にかかるケースがあることも念頭に置いて、相見積もりをしてコストパフォーマンスの高い業者を選ぶと満足度も高まるでしょう。
同人誌の印刷を依頼するときには指定されたテンプレートに従って原稿を作る必要があるのが一般的です。同じフォーマットになっていたほうが業者はスムーズに印刷することができ、トラブルも発生しにくいことから積極的に活用を推奨しています。
同人誌の場合には表紙と中身にそれぞれのフォーマットがあり、色数やサイズなどによっても違うものが用意されているのが通例です。制作を始める段階でどの業者を使い、どんな仕様で作り上げるかを決めておく必要があるでしょう。
ただ、テンプレートに合っていなくても印刷をしてくれる業者もあります。費用が余計にかかることもありますが、作り直すよりは良いと考えて検討してみるのも賢明な考え方です。