同人誌の作成に人気のソフトを大公開!それぞれの強みはどんなところ?
パソコンを使って同人誌を作成している人も多いのではないでしょうか?そんなときに、同人誌の作成を手助けしてくれるソフトがあれば、あらゆる作業をより簡単に行えるので効率的です。
さまざまなソフトがありますが、今回は同人誌の作成に人気のソフトについて解説します。それぞれのソフトの特徴もお伝えするので参考にしてください。
同人誌の原稿をパソコンで作成するメリット・デメリット
今現在では、パソコンは同人誌の原稿を作成するのにも欠かせないツールとなりました。ここでは、同人誌の原稿をパソコンで作成するメリット・デメリットを解説します。
メリット1 効率よく作業できる
パソコンで原稿を作成する最大メリットは、効率よく作業できることです。パソコンがあれば、下書きから仕上げ、編集、印刷所への入稿まですべて画面上でできます。
そのため、アナログでは時間がかかる仕上げもパソコンなら短時間でできるのです。さまざまなソフトが利用できるので、初心者でも簡単にクオリティの高い作品が作れます。また、紙やペンといった道具を使う必要がないので、作成コストも抑えられるでしょう。
メリット2 修正が簡単にできる
修正が簡単にできることも、パソコンを使うメリットです。すべてが手作業のアナログで失敗すると手間と時間をかけて修正する必要がありますが、パソコンを使えば一瞬で修正できます。
何度でも簡単に修正できるので、納得できるまでやり直すことも可能です。他にも、パソコンには拡大機能があるので、イラストや写真など細かな部分の修正も簡単にできます。
メリット3 データが保存できる
データを保存できるのもパソコンで同人誌を作成するメリットです。アナログで原稿を作ると、原稿そのものを梱包して発送しなければ印刷できません。
しかし、パソコンであれば原稿のデータを送るだけで印刷できる上に、原稿のデータも手元に残せるので便利です。さらに、オンライン上でデータを共有して複数人で作業することもできます。
デメリット1 初期費用がかかる
初期費用がかかるのがパソコンを使うデメリットです。たとえば、パソコンで漫画やイラストを描くためには、パソコンまたはモニター、ペンタブレット、スキャナー、イラスト用ソフトなどが必要になります。
比較的安いものを選んだとしても、すべてを合わせれば10万円以上かかることも少なくありません。
デメリット2 パソコンなどを扱うスキルが必要になる
パソコンで原稿を作成するためには、パソコンやソフトなどを扱えるスキルが必要になります。ソフトなどツールによっては、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
また、パソコンやソフトなどに何らかのトラブルが起きると、作業を進められなくなったり、データが消えたりする恐れもあります。他にも、パソコンなどの液晶画面を長時間見続けると、目に負担がかかるので注意が必要です。
デメリット3 きれいに印刷できないことがある
画像の密度を示す解像度に不具合が出ると、きれいに印刷できないことがあります。解像度が合わないとぼやけたり、荒くみえたり、画質が悪くなってしまうのです。
さらに、印刷することで色味がずれて、思ったような仕上がりにならない場合もあります。手描きならではの味わいや温かさ、微妙な色合いなどの表現は、今現在もデジタルでは難しいといわざるを得ません。
同人誌の作成に人気のソフト
多彩な表現を叶えるソフトを利用できるのも、パソコンで同人誌を作成する強みです。ここでは、同人誌の作成に人気のソフトについて解説します。
MicrosoftWord
Wordは、マイクロソフト社の文章作成ソフトです。Windowsのパソコンには標準でインストールされているので、馴染みがある人も多いのではないでしょうか。
Wordにはページの書体が整えやすい、多様なフォントが選べるなどの特徴があり、小説や評論など同人誌の作成にも適しています。
InDesign
InDesignは、ページ数の多い小説に最適なページ組版ソフトです。ページのデータ管理ができるほか、ページの増量や入れ替えなどの編集、イラストや図表などの挿入なども簡単にできます。
さらに、本文のレイアウトやベースデザインの統一など冊子全体を通した紙面設計が行えるのが特徴です。出版社などでもよく使用されています。
Photoshop
Photoshopは、写真の編集やイラストの作成などができる画像編集ソフトです。写真をイラスト風に変える、文字を加えるといった写真の加工・合成が簡単にできます。
さらに、色を重ねることが得意なPhotoshopを使えば、水彩画や油絵のようなイラストも手軽に描けるでしょう。
SAI
SAIはペイント機能に特化したソフトです。複数回のバージョンアップを重ねることで、より使いやすく進化してきました。
基本画面が見やすく、使い方もシンプルなので初心者でも簡単に扱えます。ペンタブレットでイラストを描きたい人にもおすすめです。
CLIPSTUDIOPAINT
CLIPSTUDIOPAINTは、イラストや漫画を作成できるペイントソフトです。イラスト作成に必要な機能を備えた「CLIPSTUDIOPAINTPRO」と、漫画制作に優れた「CLIPSTUDIOPAINTEX」があります。
多機能で手描きのような自然な線が描けるほか、ペンやトーンといった使える素材も豊富です。さまざまな表現に対応できるので、アマチュアからプロまで幅広いユーザーに支持されています。
同人誌の原稿をパソコンで作成する際に注意するべき点
ここでは、パソコンで原稿を作成する際に注意するべき点について解説します。
印刷所のルールを確認しておく
紙媒体の同人誌を作るときや電子書籍化する際に、専門の印刷所を利用する人も多いのではないでしょうか?しかし、印刷所によって対応できるサイズや色、ソフト、入稿方法、最低発行部数などが決まっています。
印刷所に依頼するなら、原稿を作る前に印刷所のルールを確認しておきましょう。
原稿作成のルールを確かめる
原稿作成のルールを確かめておかないと、文字の一部がノド(本を閉じる部分)にはさまるなどの問題がおきます。その中でもとくに多い失敗は、塗り足しの処理ができていないパターンです。
塗り足しとは、印刷サイズの外側にまで色や写真を伸ばしておく処理を指します。塗り足しを怠ると、文章が途中で切れたり、紙の端に不要な余白ができたり、イラストなどのレイアウトがずれた印刷になるのです。原稿作成のルールを守らないと、きれいに仕上がらないので注意してください。
奥付を忘れずにつける
奥付とは、その本を誰が作成したものかを表すものです。同人誌には二次創作の著作権問題などもあるため、同人誌の発行者を明らかにし、責任を持って活動していることを示す必要があります。
イベントや同人誌即売会によっては、奥付のない同人誌は販売できない場合もあるので、必ず本の最後に奥付をつけておきましょう。
ページ番号をつけておく
パソコンで原稿を作成する際に、見落としやすいのがノンブルと呼ばれるページ番号です。ページ番号は読み手にページ数を伝えるほか、印刷や製本でのミスを防ぐ役割もあります。
ページ番号をすべてのページにつけておけば、ページが乱れる乱丁やページが欠ける落丁も防げるのです。イラストや写真などデザインの関係で、ページ番号を入れられないときは「隠しノンブル」を使いましょう。
隠しノンブルとは、ノドや仕上がりのサイズ外など製本されたときに見えなくなる位置にノンブルを配置し、最終的な製品にページ番号が表示されないようにすることです。隠しノンブルを使えば、作品の雰囲気を壊さずにキレイに仕上げられます。
解像度を設定しておく
原稿を印刷する際に気をつけたいのが解像度です。解像度とは画像の密度を表すもので、密度が低いと画像が粗く、密度が高いと画像が滑らかになります。そのため、解像度が低いと、印刷後のイラストや文字のイメージが異なってしまうのです。
反対に、解像度が高すぎるとデータが重くなり印刷できません。つまり、解像度が低くても高くてもダメなのです。きれいに印刷するためには、利用する印刷所が推奨する解像度に合うように設定しておきましょう。
パソコンで同人誌を作成するためには、ソフト選びが大切です。ソフトの機能を充分に理解した上で、使いこなせれば効率よく作業が進められます。
初心者は、目的や機能に合わせてソフトを選ぶのがおすすめです。中には無料で利用できる体験版もあるので、さまざまなソフトを試してみましょう。