30部以下などの少部数でも印刷業者は対応してくれるの?
漫画を描いている人の間では、同人誌を作っていることも少なくありません。同人誌を作ることで、自分の作品を世に広めることができるからです。
ただ、最初から何千部も売れるわけではありません。やはり、修行する期間が必要になるわけです。このようなとき、業者は少部数でも印刷に対応してくれるでしょうか。
基本的には対応してくれるところが多い
個人で同人誌を作っている人は、最初から大きく売れることはありません。有名な人を見ると、1万部に近いぐらいの数が売れているようなことも確かにあります。そのような人は、個人で事務所を持ってもよいぐらいのレベルです。
ただ、同人誌の世界の中で有名な人でも、1年や2年で飛躍的に売り上げが伸びたわけではなく必ず修業期間があります。早い人は小学生ぐらいから絵を描いており、それなりの腕前とキャリアを持っている人もいるでしょう。高校生ぐらいから絵を描きはじめた人でも、やはり何年間か修行していることになります。
その人の経歴を見てみれば、最低でも5年、長い人になると15年ぐらいコツコツと積み重ねて作品を仕上げてきていることが理解できるのです。裏を返せば、これからスタートする人やまだ描きはじめて1年や2年しか経過していない人はいきなり一流の腕前になることはありません。
そのため、まずはしっかりとした下地作りから考えていくことが重要になります。そのため、同人誌を発行するにしても最初から何百部も発行するわけにはいかないでしょう。まずは、自分の知っている人などに配っていくことが重要になります。
ホームページなどを立ち上げている場合には、すでに何人かのファンが付いている可能性もあります。この場合でも、何百人のファンがいることは少なく、購入してくれることを考えるとやはり30部ぐらいが妥当な数と言えます。
もし、自分たちで作るならば何部でも問題ありませんが、業者にお願いをする場合に少ない数でも作ってくれるかが問題になります。このとき、たいていの場合小さな業者ならばオッケーをしてくれるでしょう。
数が少ないことにより引き受けてくれないのは、ある程度大きな会社になります。実際少年雑誌などに出る漫画の単行本などは一回当たり最低でも5,000冊程度を作るようにしているのが基本です。ある程度有名な業者や大きな業者の場合には、5,000冊以下は引き受けてくれない可能性が高いです。
ですが小さな業者の場合には、完全に個人の印刷物に対応していますので、少ない数でも織り込み済みというわけです。まずはインターネットや友達などから印刷業者を聞いてどれぐらいの数まで対応しているかをよく調べておきましょう。1部からでも印刷してくれますのでこの点はそこまで心配する必要ありません。
少部数印刷する場合の注意ポイント
少部数印刷するときには、いったいどれぐらいの数が必要なのかも気になるところです。たとえば、同人誌の販売をしているイベントがある場合、そこで売り出すことになりますが30部発行したとしても、実際にはもっと売れる可能性もあるわけです。
朝6時から夕方の5時まで販売した場合、もしかしたら30部が午前中に売り切れてしまう可能性があるでしょう。そうすると、100部ぐらい発行しておけばよかったと後悔するかもしれません。その一方で、気合いを入れて100部ほど発行してみたものの、夕方までの段階で20部ぐらいしか売れなかったとすれば、80部は在庫になってしまいます。
これを避けるためには、どれぐらいの売上になるかをリサーチしておかなければなりません。たいていの場合、先輩などに聞けばどれぐらいの数が売れるかが見えてきます。一人の人にインタビューするのではなく、複数の人にインタビューをしておよそどれぐらい用意したらいいかを確認しておきましょう。
たいていの場合は、100部以内になるでしょう。そうだとすれば、その範囲内で自分の実力を判断しながらどれぐらい売れるかを確認すると良いです。もし、ホームページなどを持っている場合やSNSを所有している場合には、「これから同人誌を販売したいと思います」と一言述べてどれだけ反応があるかで部数を考えると良いでしょう。
そのような宣伝をしたとしても一人か二人ぐらいしか「ほしい」という声が聞けなかったとすれば50部以内に控えておいたほうがよいでしょう。ところが、30人ぐらいの人から「購入してみたい」との声が上がったとすれば100分部ぐらい印刷してもよいぐらいです。もちろん、必ずそのとおりになるとは限りませんが、一つの目安としてインターネットを利用することで、ある程度の自分の市場や価値が見えてくるものです。
もちろん、ほとんど反応がなかった場合ショックを受けるかもしれません。ですが、たいていの場合最初はうまくいかなくても、市場のことを考えてしかも情熱的に活動をすれば、数年後には一桁から二桁多く印刷している可能性もありますので、まずは試してみることです。
後はお金がどれぐらいになるかを気にしておく
業者に作成をしてもらう場合にかかる費用も頭に入れておかなければいけません。単価がわかれば、どれぐらいの価格で売ることができるかがわかるでしょう。
一冊当たりの単価をどれぐらいにするかですが、少なくとも最初は赤字にならない範囲内でおこなっておけばよいです。つまり、一冊印刷する場合の原価が800円だった場合には少なくとも最初は宣伝のつもりで800円以上で売れればよいと考えるべきです。最初から売り上げのことばかり考えると、値段が高くなってしまいなかなか売れることはないでしょう。
では、少部数だけ刷る場合どれぐらいの単価になるかといえば、基本的に一冊当たりの単価は高くなる傾向があります。業者としても、たくさん刷ったほうが単価を安くすることができるわけです。なぜなら、一連の作業がそれなりにかかってしまうからです。
たとえば、一つの本を完成させるにも、業者としては刷るときの位置を調整したり、表紙の材質をどのようにするかなどを考えなければいけません。この部分に関して業者は時間をたっぷり使うわけです。それにもかかわらず少部数しか刷らなければ業者としても損してしまうことになりかねません。
この場合には、一冊当たりの単価を高くして刷ることになります。たいていの場合、10冊程度しか刷らないなら100ページぐらいの同人誌は一冊当たり1,000円ぐらいかかると考えてよいでしょう。これにより、それほど売り上げが出ないことがわかります。かといって、たくさん注文し過ぎても在庫を抱えることになります。そうだとすれば、最初の段階では可能な限り安い紙を使い単価を下げる努力をしなければいけません。
近い将来同人誌を作成する場合には、いったいどれぐらいの冊数を作るかが問題になります。駆け出しのころは、あまり売れることがないため、少なめに刷る必要があるでしょう。
たいていの場合、デビューしたてのころは100部以内にしています。なぜなら、あまりたくさん注文してしまうとさっぱり売れずに在庫を抱えてしまうことになりかねないからです。在庫を抱えるだけでなく、赤字になる可能性もあります。
では、30部から50部ほど作る場合、業者が引き受けてくれるかが問題です。これに関しては、小さな業者ならば少部数でも引き受けてくれるでしょう。後は、赤字にならないように原価がどれぐらいになるかを確認しておくべきです。