同人誌を印刷するとき大きさはなにサイズがいいの?
好きな作品のパロディや捜索など、様々な形態の同人誌が即売会では販売されています。
自宅のプリンターやコピー機を使って手作りの本を作る人もいれば、印刷業者に依頼してオフセットで発行する人も少なくありません。
どちらにせよ、まず紙の用意や原稿を作成する上で大切になってくるのが同人誌の大きさです。
特にどのサイズにしなければいけないという決まりはなく、作品に合わせて大きさを選ぶのが一般的なポイントです。
もくじ
値段で選ぶなら小さめのサイズが人気
印刷業者では、同人誌制作用に様々なメニューを用意しています。
その多くはA5やB5サイズに対応したプランで、希望によって選ぶことが可能です。
この2種類なら、A5サイズの方が印刷面積も使う用紙も小さいため費用は安くなります。
ページ数を変えずに安く済ませたいという人には、オススメの大きさと言えるでしょう。
逆にさらに小さなものは、変形本といってあらかじめ製本したものを裁断して作成します。
中でも商業誌で販売されているような、小説や新書のような形にしようとすると費用が高くなってしまう傾向があります。
ある程度の部数を作るなら1冊あたりのコストもさほど変わりませんが、100冊以下の少部数だと単価が高くなってしまうので注意が必要です。
B6なら安くできる可能性もありますが、商業誌でも採用されていない形で中の印刷スペースもかなり小さくなります。
そのため、あまり利用している人がいないというのが実情です。
初めて作成する人で比較的コストを抑えてみたいというなら、まずはA5くらいがオススメです。
小さいと冊数がある程度あっても、荷物にならないというメリットもあります。
漫画と小説では選ばれる人気のサイズが異なる
漫画を掲載する商業雑誌の多くは、B5やそれ以上の大きめサイズを採用しています。
イラストが大きいと、それだけでも迫力を感じることができるというメリットがあります。
同人誌でも同じで、イラストを見て欲しいと思っている人たちの多くはB5を選ぶ傾向が強いです。
画力に自身があるなら、さらに大きなタイプで印刷してみるという人たちもいます。
ただ、その場合は100部以下だと単価が高くなるのでオススメできません。
一方、小説や評論のように文字を主体とする場合は若干選ばれるものが変わって来ます。
商業雑誌でも漫画や写真を中心とするものより、文章中心の雑誌は小さいという傾向があります。
紙面が大きい時は、ページ内を数段に分けて文字をのせないと読みにくくなってしまうこともあるからです。
書店で売られている漫画なら、新書くらいの大きさで発行されているものもあります。
ただ、どうしてもそれだと絵の迫力を再現する際に高い技術が必要になって来ます。
そのため同人誌を作る人たちの間では漫画ならB5以上、小さくてもA5というのが一般的です。
逆に小説や文章なら、新書や小説本サイズに憧れる人も少なくありません。
このように、中身によって人気のサイズは変わってきます。
作成する原稿のタイプから選ぶポイント
小説や漫画にかかわらず、本を作るときには原稿を必ず作成していきます。
一般的に原稿は、実際に作成する同人誌と同じかそれより小さなサイズを選んで作成します。
パソコンなどのデジタルで原稿なら、途中で大きさを変更することも可能です。
ただし、小説本の場合は用紙を変えてしまうとページ数も変わってしまうので注意が必要です。
ページ数が増えると当然ながら、印刷代も高くなってしまいます。
無理に文字やイラストを大きくしたり小さくすると、全体的に見にくくなるのでオススメできません。
最初に発行したい同人誌の大きさを決めてから、原稿を作っていくことをオススメします。
もしくは、すでに内容を書き始めてしまっている時はそれに合わせて印刷する同人誌の大きさを決定するという方法もあります。
漫画をアナログで描きたいという人は、専用のケント紙と呼ばれるものにイラスト等を書いていくのが一般的です。
同人誌用に販売されているのは、印刷部分がB5サイズの原寸になっているタイプです。
より細かな部分まで綺麗に再現して欲しい時は、印刷したいものより大きめを選ぶことがポイントになります。
スペースに並べることができるかどうかで選ぶ
同人誌の即売会では、一般的に1サークルあたり机の半分のスペースが与えられます。
什器などを使って雛壇状にしたり様々な方法を使う人がいますが、並べることができる本の種類には限りがあるので注意が必要です。
沢山種類を出したいからスペースを2つ取るという方法もありますが、その分参加費用もかかってしまうのでオススメできません。
また、大型で人気の高いイベントの場合は余程の理由がない限り1サークルで2スペースを取ることは難しいです。
一種類につき数百から数千部を一度に販売するような大手と呼ばれる人たちでない限り、通常は机の半分でしょう。
中には、種類を並べたいから本は小さくするという人達もいます。
確かに、B4やA3など大きなタイプは場所を取ってしまうので何種類も並べることができません。
何種類も沢山並べたいというなら、少し小さめを選ぶというのも一つの手です。
逆にサークル活動を始めたばかりだと、小さい本が1種類程度で机の上が寂しくなってしまうこともあるので注意も必要です。
同人誌を作成する時は、実際にイベントで売っているところを想像してみることをオススメします。
慣れてきたら変形本にも挑戦してみましょう
即売会などのイベントでは、長方形のA5やB5だけでなく正方形といった変わった形の本を出している人達も少なくありません。
このような形の本は、変形本と呼ばれ印刷屋にオプションを依頼すると作成することが可能です。
作り方は意外と簡単で、通常の本を製本してもらった後に任意の場所で裁断してもらうだけです。
慣れた人なら、それに合わせて原稿を作成することも難しくないでしょう。
ただし、初めて作るなら裁断される位置がどこになるかよく確認して原稿を作成する必要があります。
最初にミスをしてしまうと、漫画や小説の途中でカットされてしまうことも珍しくありません。
可能であれば、一度印刷屋に相談してから作り始めることをオススメします。
正方形の本を作る時は、一回り大きなタイプでまず依頼する必要があります。
もちろん、裁断する際にもオプションとなる料金が必要です。
価格は高くなりますが、他のサークルとは一味違った本を作成することができます。
他にも角を丸くカットしたり、形を変えてもらうオプションは沢山あるので是非ともチェックしてみてください。
慣れた人もそうでない人も、同人誌作成の楽しさがさらに楽しくなってきます。
在庫管理する際のスペースも考えましょう
同人誌は作成した後、イベントで一度に全てが完売できるわけではありません。
書店に委託販売を依頼している人でも、ある程度の在庫は自宅等で保管することになります。
中には、有料のトランクルームなどを借りるという人もいるでしょう。
1冊単位なら軽くて小さな同人誌でも、数十冊以上になると非常に大きな荷物になります。
段ボール一箱分でもかなりの重さになり、簡単に一人では動かせないということも珍しくありません。
ここで、同人誌1冊あたりの大きさが大きいと全体の荷物もそれなりに重くなってきます。
A4のような特殊なタイプに憧れたとしても、それをどこで保管するのかよく考えることが大切です。
一般的なA5やB5なら、一箱あたりの重さもある程度は抑えることができます。
どうしても大きく作りたい時は、印刷する部数をなるべく抑えてみるのも一つの手です。
ただし、冊数が少ないとどうしても1冊あたりの単価は高くなってしまいます。
値段や保管場所をよく考えてから、印刷プランを考えることが大切です。
保管場所さえ確保してしまえば、何の不安もなく依頼して作ることができます。