同人誌の印刷後、見本はもらえるの?
これから同人誌を発行しようとする場合には、見本がとても重要になります。これがなければ、正しく印刷されているかどうかわからないからです。通常は、印刷する前の段階で見本が手渡されることになるでしょう。このとき、手渡されたものをもらうことはできるのでしょうか。
基本的にはもらえることが多い傾向にある
同人誌を発行する場合には、通常データを送付しそこから制作に移りますが、データを送付した段階でどのような形になるかまではまだ明確になっていません。ある程度業者が提示している条件の範囲内で顧客の方がデザインなどを決めていき、それに基づいて業者の方が制作をしていく流れになります。
このようにしていくと、少しずつ形が明確化し、依頼者の方も自分がデザインしたものが具体化されるためいよいよ本格的な書籍になる一歩手前になるといえるでしょう。しかしながら、この段階で十分な中身を確認しなければ、後で刷った後に問題が見つかった場合やり直しができなくなり損害が大きくなってしまいます。
この点に関しては、データで確認をすればよいとの話もありますが、データだけではなかなか確認するのは難しいでしょう。やはり、現物を見てから印刷をスタートするかどうかを顧客の方で判断してもらなければいけません。
そこで業者としては、依頼者に対して可能な限り見本を送付するようにしています。顧客の方でデザインが決まった後に業者の方からそのデザインに基づいて制作した手本が一冊だけ送られてきます。
これに関しては、通常お金がかからないとしている業者が多いです。なぜお金がかからないかといえば、まだ契約前の段階だからとも解釈できます。基本的に契約の時期は会社によって変わってくるものの、おおむね本格的な刷ることを依頼した後に契約関係になるといえるでしょう。刷っている場合にはすでにお金が発生していますのでそれより前に制作したものは、お金が発生しないと考えればわかりやすいはずです。
ただ、厳密には業者によって「契約」の解釈が異なることもあるでしょう。依頼者は送られてきた仮の冊子を見て、問題がないか判断していきます。やはり現物で見なければ、問題点があるかどうか明確に把握することができません。
もし急ぎの場合には、業者から送られてくるのを待つまでもなく、直接業者の方に訪れて受け取ることも可能になります。少なくとも、配送されるよりは数時間から数10時間短く現物を手に入れることができるでしょう。
これを見るときのポイントとしては、表紙そして文章に問題がないかなどを確認していくことです。業者の方では、文書の中にまでいちいち確認をしていません。編集や構成をするのが業者の役割ならば別ですが、そうでない場合がほとんどになります。
そのため文章を確認してようやく本格的な印刷にこぎつけるといえるでしょう。当然、後から見本のお金だけを請求することはありません。無料でもらうことができるのです。
無料でもらえないパターンはあり得るのか
見本をもらう場合には、通常無料で手に入れることができると考えてよいでしょう。しかしながら、業者によってはお金を払うパターンもあります。例えば、ほかの業者に比べて格安な業者があったとします。
そのようなところは企業努力により格安にしているわけですが、無駄を一切省きサービスは極力しない方向に持って行くでしょう。料金が安くてサービスが充実している業者があるとすれば、かなり赤字になっている可能性が高いです。
業者の方も、そこまでしながらビジネスをする必要もなく、それならば基本の料金を安くしてほかのところでしっかりとお金をとる仕組みにするはずです。刷る前に送られてくる手本となる冊子に関しては、一冊当たりどれぐらいの料金になるかといえば、平日にもよりますが通常の小説ぐらいの長さになると2,000円ぐらいはすると考えてよいです。
ページが200枚ぐらいある書店に売られている単行本の小説は、刷るのにそこまで単価が高いわけではありません。なぜかといえば、大量に印刷をするからです。通常製本をする場合には一度に5,000冊ぐらいを刷る流れになっています。そうすると、一冊当たりの単価がかなり安くなり500円かそれ以下で印刷することもできるでしょう。
しかし手本となる冊子を一冊だけ印刷する場合には、そのためにサイズを整えたりいろいろな細かいデータを入力していかなければいけません。できたものが一冊だけだとすれば、当然ながら単価が高くなっても仕方がないでしょう。
つまり、手本となる本を受け取る場合には、業者にもよりますが格安のところは特にそれなりのお金がかかると考えておけば間違いありません。もしいくつかの仮の冊子が必要な場合には、枚数を指定することも可能になります。
例えば担当者が3人いた場合3冊の書籍を事前に注文しておくことも可能ですが、値段が3倍ぐらいになると考えておけばよいです。もちろん一冊刷るよりも3冊刷った方が単価を安くなりますが、3冊程度ではそれほど違いが出るわけではありません。
ではどれぐらい刷ったら金額が安くなるかといえば100冊単位になるでしょう。それ以上印刷すると、単価が100円単位ぐらいで安くなっていきます。ただ同人誌のレベルになると、何千冊も印刷することはないはずですので、極端に単価が安くなることはありません。
無料でも途中から有料になることがある
見本を手に入れる場合にそれ自体が無料ならば刷った後に、それが有料になるようなことは普通ならばありません。しかしながら、例外的にお金を払わなければいけない場合があります。
それは、何度も見本を要求した場合です。例えば、最初にお手本となるものを手に入れる場合、内容は問題なければよいですが、多くの場合この段階で何か問題が生じていると感じることも多いものです。例えば文の内容が間違っていることはよくあるパターンです。
それ以外にも実際にパソコンの画面で見たものと、手にしたものでは全く印象が違うようなこともあります。表紙の色はもう少し薄いと思ったけども、実際には表紙の色が濃くてやり直したいという場合、もう一度別に仮のものを送ってもらう必要があります。
このような場合、業者によって異なりますが 2回目の修正以降はお金をとる可能性が高くなります。どれぐらいお金をとるかは業者によって変わってきますが1,000円から2,000円前後になることが多いでしょう。あるいは、2回目の修正までは無料で3回目の修正からはお金を払わなければいけない場合もあります。
この場合もやはり1,000円から2,000円ぐらいに対応しているところもありますが、2回まで無料になっているため3回目の修正からは3,000円から4,000円のお金をとることもあるでしょう。
いずれにしても、仮のものを作るだけでもそれなりのお金がかかることを理解しなければいけません。そうであるとすれば、可能な限り見本を作らずに修正をしたいところです。しかし、業者の立場からすればのちのクレームを防止するために修正するために必ず仮のものを送付する仕組みにしていることが多いです。
このように考えれば、基本的には仮の冊子は無料であっても、何度も修正を行った場合は刷った後にお金を払わなければならないことがあると結論づけることができます。
同人誌を刷ってもらうためには、見本が必要になります。これはまだ契約する前の段階で送られてくることがほとんどです。現物を見て問題なければそのまま本格的に刷ってもらうことになります。しかし修正をしなければならない場合もあるでしょう。
多くの業者では、見本自体は無料で提供していますが、格安の業者などはお金をとる可能性もあるでしょう。また無料のところでも、何度かやり直しをすると刷ったあとにお金を払わなければいけない場合もあります。