同人誌印刷のページ数は制限ある?
趣味として自分で漫画や小説を製作し、オリジナルの本として製本されたものを同人誌と言います。
通常の文庫本の厚みから、大学ノート程の厚みまで、ページ数は様々です。
しかし印刷などの細かいルールはあるのか、という疑問も多いと思うのでご紹介していきたいと思います。
中綴じと無線綴じではページ数に違いがある
同人誌をいざ作ろうかとなったとき、本の種類は二種類にわかれます。
「中綴じ本」と「無線綴じ本」です。
中綴じ本とは、32~40ページからなる本です。
刷られた紙をカットしていき、1枚ずつまとめた後、ホッチキスで留めます。
こちらは4ページ単位で折っていきながら、製本を作ります。
細かい作り方はコピー本の作り方を調べたりすると、検索サイトや動画サイトで、丁寧に解説している動画があるのでそちらを見るとわかりやすいかもしれません。
4ページ単位で作っていくので、当然ながら4の倍数のページで構成するのが基本になってきます。
更に、上限は最大で40ページまでなので、それ以内に限定されます。
ご自身でコピーした紙を個人的に同人誌として作る場合、40ページをホッチキスで留めるのはかなりの厚みがあります。
なので、厚紙に対応しているホッチキスをホームセンターで購入する必要があります。
個人で製本作成をするなら、20~25ページ程が一番作業しやすいでしょう。
それ以上だとホッチキスで留めることができず、紙を傷つけてしまう可能性があるので、専門業者に頼むのが無難と言えます。
どうしても40ページ以上の中綴じ本を作りたい方は、特殊な技法で製本している専門業者に依頼するしかありません。
といっても、あまりそういう業者はないので探す方が大変かもしれません。
料金も割高になるかもしれないので、制限内で作るのがいいでしょう。
専門業者に頼む場合、ほとんどがデータによる入稿になるので、イラスト用のスマートフォンや、PCがない方は厳しいかもしれません。
中には手書きの入稿でも大丈夫な会社がありますので、検索で探してみてください。
こちらは少ない部数を刷りたい場合や、簡単な冊子や資料などページ数が少ない製本を作りたいときに、よく使われている製本形式です。
無線綴じ本は、本文を包むように、背表紙の部分に接着剤、針金、糸、リングなどで閉じた製本形式となります。
こちらはホッチキスを使わないので、中綴じ本程のページ数の制限はありません。
また規格外のサイズに対応していたり、刷る用紙の種類も豊富です。
刷る部数が多い場合や、細かい所も丁寧に印刷したいときに適しているので、書店やコンビニで売られているような月刊や週刊漫画は、こちらの製本形式を採用しています。
ページ数の細かい決まりは無線綴じの方が多く、B5サイズ(大学ノートサイズ)なら、4ページ単位、A5サイズ(教科書や参考書サイズ)なら、8ページ単など規格サイズによってページの決まりがあります。
それは何故かと言いますと、刷った紙をページ順になるよう折り畳み、それを並べて加工していくためです。
そのため、偶数でない場合、折り畳むことができないのです。
これは中綴じ本にも、無線綴じ本にも言えることです。
本文のページ数が奇数になりそうな場合、わざと余白のページを入れて、ページ数を調整しなくてはいけません。
ページのカウントは表紙からする
本のページ数は紙を刷る場合、表紙からカウントしていきます。
皆さんの中には、本を開いて、最初の1ページから数えていくと考えている方もいらっしゃると思います。
しかし、本を刷る場合には、実は表の表紙からカウントしていかなくてはいけません。
同人誌の印刷も同じで、総ページ数と呼ばれるものは、この表の表紙から裏の表紙までをカウントしたものになります。
表の表紙の裏と表で2ページ、裏の表紙の裏と表で2ページ、合計で4ページとなります。
例えば同人誌の本文が32ページだった場合、表と裏の表紙分も合わせるので、36ページとなります。
ちなみに表紙と本文を挟んだ遊び紙(無地のページ)はカウントしません。
こちらはオプションでつけることが多いので、ページとしてカウントすることがないのです。
通常カウントするのは、自分が手掛けた表紙と本文になります。
同人誌は右綴じなので、それを含め、表と本文のページバランスを考えると、良い作品に仕上がる一歩に繋がります。
初めて同人誌を作る方は、ページの決まりや入稿のルールがよくわからず、戸惑ってしまう方がいるかもしれません。
最近では専門業者もかなり増え、それぞれのHPでよくある質問への回答を載せています。
それらを参考にして、それでもわからなければ問い合わせで聞いてみてください。
入稿する際の注意点として、専門業者に依頼するときは、ページ数のカウントを間違えないようにしましょう。
自分の本がどんな印刷に適しているか知っておく
先ほど、中綴じ本を作る場合、コンビニなどで自分でコピーをして製本するか、少ない部数で印刷業者に依頼する場合に適していると述べました。
そういったケースで、業者に依頼する場合、オンデマンド印刷をおすすめします。
こちらはデータからの入稿がほとんどですが、1部から刷ることができます。
また線が柔らかな表現で印刷されるので、手作りに味が出ます。
仕上がりもスピーディーなので、急に本を作ることになったり、近くに印刷できる環境がない場合に適しています。
逆に大量に部数を発刊したい場合や、ページ数が多くなる場合は、無線綴じ本のオフセット印刷がおすすめです。
100部以上の部数であれば、割引もあるので通常よりも安く済みます。
用紙の種類もほぼ制限なく選べるので、本格的な製本を作成できます。
ただ、即日仕上げが難しいので、余裕を持って入稿するのがベストです。
料金は発注する際、具体的な金額を提示してもらえますので、自分の都合や仕上がりの好みに合わせて発注してください。
オプションは遊び紙の他にも、pp加工(表紙につやが出る加工)、箔押し(紙に凹凸加工をする)、特殊紙(柄がついていたり、色加工された紙)を付けられます。
無線綴じ本であれば、変形断裁加工もできます。
こちらは、規格外サイズに本を断裁して、正方形や、長方形などの特殊なサイズに加工をすることです。
正方形などの同人誌はあまりみかけないので、個性が出ます。
中綴じ本では残念ながら、この断裁はできないので、規格外のサイズにしたい方は無線綴じ本にしましょう。
種類や希望するページの印刷によって、仕上がりが大きく変わるのも、個人作成ならではと言えるのではないでしょうか。
一度理解してしまえば、案外簡単なので本を作ってみたい!という方は是非、チャレンジしてみてください。
最初に、業者に頼むのはちょっと気が引けてしまうという方は、コピー本からの作成がおすすめです。
自分で作ってみると、製本の仕組みがよくわかりますし、苦労して完成させた本を見るとやる気に繋がります。