同人誌印刷業者に依頼する流れを知ろう
様々なイベントやレンタルスペースなどを使い、自分で制作した同人誌を販売している人も増えてきました。
読むのも好きだけど実際に作ってみたいという声も多く聞かれますが、同時にどうすれば良いかわからないという声も聞かれます。
では、実際に作品を作ってから完成品が自分の手元に届くまでの大まかな流れについてご紹介しましょう。
大まかな予定を立てて見積もりをとろう
実際に同人誌を注文する際には、まずは見積もりから始めるという業者が多いと考えて良いでしょう。
見積もりには大きく分けて2種類の方法があります。
1つは電話やメールなどでやり取りをしながら決める方法です。
もう1つはインターネットの入力フォームに情報を入力する方法です。
どちらにしても最低限必要な情報として、氏名や住所などの連絡先を始めとした個人情報が挙げられます。
その次に納品予定日、ページ数、部数、サイズといった冊子の大きさや数量に関しての情報が必要です。
もしも特殊な加工を考えていたり、別デザインの冊子も同時に注文したい場合には、それらもあわせて連絡をする必要があります。
ちなみに、これはどの業者でも共通することですが、早期に注文した場合、つまり納品日まで時間があるとその分料金が安くなると考えて良いでしょう。
逆に急ぎの注文の場合には料金表に記載されている料金に加えて追加費用が発生することもあります。
予算が限られている場合にはできるだけ早く見積もりを取っておいたほうが良いです。
とはいっても、印刷の種類や方法などは細かいことがわからないという人もいるでしょう。
そうした場合には、電話やメールなどで直接遣り取りをするのも良いかもしれません。
業者によっては、見本を送ってくれたり、対面で打ち合わせしながら相談に乗ってくれる所もあります。
初めて注文する場合には、納品後に「想像していたのと違った」というような事態にならないように、事前に仕上がりを確認しておくのがおすすめです。
もしもこれまでに何度も注文している場合や、時間がない場合には直接入稿してしまうという方法もあります。
見積もりの後は制作が本格的に始まる入稿へ
入稿というのは自分が制作して欲しい同人誌のデータを印刷所に渡すということです。
見積もりから入稿までの流れはおよそ1週間~2周間前後が目安ですが、納品日によってその期間は変わります。
ちなみに、制作が追いつかないのに入稿日が迫っているというような場合には事前に連絡・相談しておいたほうが良いでしょう。
入稿が遅れればその分仕上がりは遅れてしまいますし、小規模な印刷所の場合には入稿日を目安に可動している場合もあります。
これと同じように、変更点などがあれば入稿の前か入稿時にしっかりと伝えておく必要があるとおぼえておきましょう。
一度印刷が始まってしまうと、変更を加えるのは簡単なことではありません。
後からページ数を増やしたい・減らしたいといった希望を伝えても、変更してもらうのは難しいでしょう。
さらに、仮に変更できたとしても追加料金が発生するリスクがありますから、お互いの誤解がないようしっかりと内容を詰めておく必要があります。
どうしても不安という場合には、ギリギリまで変更対応をしてくれる業者を選ぶという方法はいかがでしょうか。
こうした同人誌制作が初めて、あるいは慣れていない人向けのサービスとして、柔軟な変更対応を行っている業者もあります。
格安料金で印刷を行う業者の中には、入校後の変更を受け付けていない所も多々あります。
やはり変更点が多いとその分手間がかかってしまうので、業者としてもコストを抑えるためには変更の回数を少なくしたいわけです。
しかし、不慣れな場合はそうもいきません。
そうした人向けに変更の回数に制限がない業者や、相談サービスが充実しているプランを選んでおけば安心でしょう。
さて、実際の入稿ですがその方法にはいくつかの種類があり、最も活用されているのはデータ入稿です。
データ形式で送るため破損などの心配もなく、送る側も受け取り手も負担が少ないため、追加料金が発生しない基本的な入稿方法として知られています。
こちらも送った内容を後から確認できるため、大きなミスがないかを再度チェックできるというのも嬉しい点でしょう。
業者のホームページ上でファイルを送信する方法もあれば、データ便などを使って送信する方法もあります。
一方で、データを記録したCD-ROMやUSBなどを送付する方法もあり、郵便や持ち込みたい場合にはこの方法を使うのも良いかもしれません。
人によってはアナログで作品を制作している場合もあります。
この場合はアナログで制作した作品をPCなどで読み込んで送る方法と、原稿を郵送する方法とがあります。
ただし、原稿を郵送する場合には郵送時のトラブルなどによって折れてしまったり滲んでしまう可能性があることをおぼえておきましょう。
なお、入稿時の発注書・注文書については業者によって対応方法が変わってきます。
ネット上で注文した場合には、申込みフォームを印刷するなどすれば注文書を紙でも残すことができますし、宅配・郵送などの場合には発注書を別途制作する場合もあります。
実際に同人誌を受け取るときや確定申告などでも必要になる場合があるため、業者ごとの対応はきちんとチェックしておきましょう。
また、発注書が同封されていないと印刷作業に移行できないという場合もありますから、入れ忘れ・送り忘れがないように、封をする前に確認しておいた方が安全です。
自分の手に同人誌が届くまでの日数
かなり急ぐ場合には2日、通常であれば1週間~2週間程度で同人誌が完成し、自分の手元に届きます。
料金支払いのタイミングは業者によっても異なりますが、大抵の場合入稿してからの支払いになるでしょう。
入稿が確認された後は指定の方法で支払いをすることになりますが、支払い方法も様々です。
クレジットカード決済に対応している業者も増えていますが、中には銀行振込や直接支払いといった形を取る場合もあります。
銀行振込の場合は振込を確認してからの作業となるため、連休前や土日の前などには注意が必要です。
自分が振込をしてから実際に支払いが行われるまでのタイムラグも考え、できるだけ早め早めに行動しておいたほうが良いといえます。
さらに、できあがった完成品を自宅以外に送付する際には支払い前に伝えておくとスムーズです。
イベントなどでの販売を考えている場合、自宅から運搬するのが難しいなら完成品を直接会場に送るという方法もあります。
しかしながら、業者によっては自宅以外への配送を行っていないこともありますし、会場ではそうした宅配便を受け取っていない可能性もあるでしょう。
配送先を変更したい場合には、配送先と業者双方への確認をできるだけ早くやっておくべきです。
支払いが完了すればあとは完成品が届くのを待つだけになります。
ただし、業者によっては原稿をチェックした上で違和感やミスなどを発見して連絡してくれることもあるでしょう。
また逆に自分でミスを発見して新しい入稿データを送り直したいという場合も考えられます。
ですから、支払いが終わったからと言って気を抜かず、業者からの連絡がないかこまめにチェックしておいたほうが良いかもしれません。
業者によっては、試し刷りとして試作品を送るサービスを展開している所もあります。
その場合、支払い後に送られてくるテスト版をみて確認する作業が含まれるため、実際に完成するまでには少し時間がかかるでしょう。
納品日まで時間がない場合はテスト版チェックもスムーズに行い、正式に印刷を依頼する必要があるため、自分でスケジューリングをしておくのがベストです。
誰にでも自分の作品を販売する場が、そして多くの人に読んでもらえる機会があるからこそ、同人誌制作には大きなチャンスがあると言っても過言ではないでしょう。
難しく見えるかもしれませんが、ここで説明したとおりその流れはとてもシンプルですし、実際に注文してみればあっという間に作れることに驚くはずです。
印刷プランも豊富に用意されているため、初心者でも安心して制作できるでしょう。
自分の新しい世界を作り出すためにも、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。