同人誌を安価に制作するためには?少部数ならオンデマンド印刷!
「同人誌を作りたい!でも高額な費用はかけられない」「収益を上げるためにできるだけコストカットしたい!」とお考えの方も多いのではないでしょうか。同人誌を安価に制作するため、少部数であればオンデマンド印刷がおすすめです。なぜオンデマンド印刷がおすすめなのか、その理由をオフセット印刷の特徴と比較しながら解説します。
同人誌を安価に制作するためには?
印刷方法を選ぶ以外の、同人誌を安価に制作するために工夫できる手段を紹介します。料金の安い印刷会社を探すのはもちろんですが、せっかく作るのであれば品質を落とさず手ごろな値段で制作したいもの。
下記のポイント「納期を長めに設定する」と「印刷会社のキャンペーンやクーポンを利用する」は品質を落とさずコストカットできるので、とくにおすすめできる手法です。
■納期を長めに設定する
納期が短ければほかの依頼よりも優先することになるので、価格が高くなってしまうことは容易に想像できるでしょう。しかし、その反対に納期を長めに設定すれば品質を下げずに安く印刷できます。
印刷会社は納期の早い依頼を優先し、納期の長い依頼は優先順位の高い依頼が終わった後での印刷です。顧客を確保したままよいタイミングで作業に入れるので、印刷会社にとっては都合がよくなります。
■印刷会社のキャンペーンやクーポンを利用する
印刷会社の公式サイトを見てみると、「初回限定30%オフキャンペーン!」や「SNSクーポン併用可」「会員登録で1,000円分のポイント進呈」など、キャンペーンを開催していたりクーポン・ポイントを配布していたりすることがあります。もちろんすべての印刷会社がしているわけではありません。
しかし、印刷会社は新規顧客獲得を目的として、さまざまなキャンペーンや期間限定クーポンを配布しています。各社の公式サイトでしっかりと確認し、品質が高くなるべく費用が抑えられる印刷会社を探してみてください。「同人誌印刷」などで検索すればたくさん出てきます。
■できるだけ薄い紙を選ぶ
分厚い紙は高くなり、薄い紙は安くなります。できるだけ安くするには薄い紙で印刷するのも1つの手です。では、薄い紙を選ぶにはどうしたらよいのでしょうか?
紙の厚さはkgで表現されます。これは1連あたりの重さのことで、1連は一定サイズの紙1,000枚分です。つまり、この数字が大きいほど紙が分厚く、小さいほど薄くなります。しかし、薄すぎる紙を使用すれば裏の文字が透けて見えてしまうこともあります。紙質によって異なりますが、kgに対する厚さの目安は70 kg~73 kgが厚さ0.08~0.1mmとなり、一般的なコピー用紙とほぼ同じ厚さです。
55 kgは厚さ0.08mmでコピー用紙よりは少し薄くなります。90 kgは0.09~0.13mmで、チラシやフライヤー・カタログなどの少し厚い紙になるので、冊子を作るのであれば70~55 kgあたりのものを選ぶとよいでしょう。それよりも薄いものを選んでしまうと裏の文字が透けてしまいます。コストを抑えるための工夫を必要ですが、一定の品質がなければ1つの作品として満足できないかもしれません。
少部数の場合はオンデマンド印刷を選ぶのがおすすめ
100~200部以下で製本したいのであれば、オンデマンド印刷がおすすめです。印刷の方法には「オンデマンド印刷」と「オフセット印刷」の2つがあります。なぜ少部数の場合はオンデマンド印刷の方がよいのか、印刷方法の特徴とあわせて解説します。
■オンデマンド印刷
レーザープリントでデジタルデータを読み込み印刷する方法です。家庭やオフィスにあるインクジェットやレーザープリンタの業務用のようなイメージです。少数の印刷に対応している印刷会社も多く、作業工程が少ないので安価に印刷できます。インクの乾燥時間も必要ないため納期が短く、締め切りをできるだけ遅く設定できるのもメリットの1つです。
少部数で、ぎりぎりまで原稿の作成・確認をしたい人はオンデマンド印刷がおすすめです。しかし、部数が100を超えると同じ印刷条件でもオフセット印刷の方が安くなることもあります。100部近く作りたいのであれば、両方の印刷料金を確かめておきましょう。
■オフセット印刷
版を使用した印刷方法で、インクが紙に密着しやすく仕上がりが高品質になるという特徴があります。万単位の大部数を必要とする新聞は、オフセット印刷の仕組みを利用した輪転機で印刷されています。版を作るので初期費用はかかりますが品質が高いものが作れます。
また、100~1,000部など大部数を印刷する場合、オンデマンド印刷よりもオフセット印刷の方が安くなることが多いです。オフセット印刷のみを取り扱っている会社は「○○オフセット印刷」という名前が多く、見つけやすいです。
オンデマンド印刷を選択する場合のデザインのコツ
レーザープリントするオンデマンド印刷は、トナー剥がれが発生したり、細かい文字や模様がイメージ通りに印刷できなかったりする可能性があります。印刷料金が安い会社を必死で探し、キャンペーンやクーポンを利用して安価に抑えたとしても、印刷がうまくいかなければすべてが水の泡です。
そこで、印刷を失敗しないためにもオンデマンド印刷できれいに見せるデザインのコツについて解説します。
■トナーがはがれやすい背表紙や角に配色しない
紙の表面に凹凸があればオフセット印刷に比べて品質が劣ります。オフセット印刷と比べて密着率が低いので凹凸の紙質にはもちろん向きません。トナーがはがれやすいのも特徴です。トナーはがれが起きやすいのは背表紙や角で、ページ全体に配色するとトナーがはがれる可能性があるためなるべく避けましょう。
■PP加工をする
PP加工とはラミネート加工の1つで、印刷用紙の表面を保護します。表紙やカバー・帯などによく加工が施されており、長期間にわたって表面を保護し、傷から守るという役割があります。表面が保護されるのであればトナーがはがれる恐れもないので、PP加工もおすすめです。
しかし、薄い紙を使用する場合はPP加工を受け付けてくれないこともあります。手動でラミネート加工をしたことがある方ならわかるかもしれませんが、薄い紙のラミネート加工は難しいです。シワが寄ってしまったり加工がずれてしまったり…。家庭用として使うのであれば構いませんが、人に手渡すもの、ましてや販売するのであればそのような状態にするわけにはいきません。PP加工をするのであれば、少し厚い紙を使用しましょう。
■細かい模様や文字はなるべく使わない
細かい模様や細い線で書かれた文字、小さな文字はきれいに印刷できない場合があります。それだけでなく、小さな文字は読み手からしても読みづらいものです。ビジネス文書を作成する際は11~12ptが適した大きさともいわれているため、表紙の文字を大きくすることはもちろん、本文の文字の大きさにも気を配る必要があるかもしれません。
細かい模様を採用してデザインに凝りたい気持ちもわかりますが、きれいに印刷できなければデザインのよさが際立ちません。オンデマンド印刷であれば、細かい模様や小さい・細い字はなるべく使わないほうがよいでしょう。
まとめ
同人誌を作成する際はオンデマンド印刷がおすすめであることと、失敗しないデザインのポイントも解説しました。印刷会社によって技術レベルに差が出てくるので、不安な方は試し刷りをしてみましょう。ただし、どちらの印刷方法でもすべてのページが完璧に仕上がるわけではありません。オフセット印刷で1,000部刷っても数冊は文字がかすれているなど、失敗しているものも目にします。きちんと確認したいのであればイベント前に納期を決め、1冊ずつチェックしましょう。