知っておくと便利!印刷所との打ち合わせがスムーズになる専門用語!
印刷物を専門業者に依頼する際は、専門業者の担当者と何度か打ち合わせをしなければいけません。このとき、専門業者の担当者が専門用語を使うと、「話がよく分からない…」と思ってしまうこともあるでしょう。そこで、打ち合わせをスムーズに行うためにも知っておきたい専門用語についてまとめました。
用紙に関する印刷用語
まず、印刷物を作成する際に必ず使うのが用紙です。紙がなければ印刷物は完成しません。紙に関する印刷用語から見ていきましょう。
紙の種類について
紙の種類について知っておきましょう。上質紙は、木材や草から抽出された化学パルプと呼ばれる繊維から作られた紙です。レーザープリンターの印字がしやすい紙となっていて、コピー用紙や郵便はがきもこの紙に分類されます。
コート紙は、表面にツヤのある用紙で、雑誌などで使われることが多いです。上質紙の上から塗料がコーティングされています。さらに光沢を加えたものはマットコート紙と呼ばれます。
印刷方法に関する用語
印刷する際にも専門用語が使われているのです。印刷方法についての専門用語を見ておきましょう。
大量印刷に向いているオフセット印刷
オフセット印刷は、印刷物の量が多いときに便利な印刷方法です。インクが乾きやすいので連続して印刷しても文字がにじんだりヨレたりすることがありません。また、文字だけでなく画像にも適した印刷方法となっています。
原本を作成したら、インクをつけてローラーにインクを写してローラーから紙に印刷される仕組みです。オンデマンド印刷と比べるとかなり質の高い仕上がりとなります。
スピーディーな印刷ができるオンデマンド印刷
オンデマンド印刷は、スピーディーに印刷できますが、インクの色ムラが出やすいという欠点があるので、少量の印刷物向きです。
パソコン上の印刷データを印刷機に送り紙に印刷します。パソコンからデータを送るだけで印刷できるので、すぐに印刷が完了するという点はメリットでしょう。
鮮明に印刷できるグラビア印刷
写真を印刷する際に向いている印刷方法です。色が細かく表現でき仕上がりもキレイです。凹版印刷のひとつで、凹部分にインクをのせて転写させることで、濃淡の細かな部分まで表現できるという点から、綺麗な印刷が可能になっています。
連番印刷でも便利なバリアブル印刷
DMやチケットの印刷で使われる方法です。連続した情報を印刷することが可能です。
デザインを依頼するときの印刷用語
デザインを依頼する際も、さまざまな専門用語があります。耳にしたことはあっても、細かく知らないという用語も多いでしょう。
デザインの下書き
デザインの下書きをラフといいます。印刷した完成版をイメージしたレイアウトやデザイン画です。
仕上がりの見本
全部仕上げる前に1部だけ作成し、見本として提出するものをカンプと呼びます。完成版の仕上がりを確認してからすべての印刷を行っていきます。この時点で相違があれば、再度作成し直しましょう。
1枚で仕上がる印刷物
チラシやポスターなど1枚ものの印刷物をペラと呼びます。
枚数が多い印刷物の確認
枚数が多い印刷物は、印刷内容に漏れがないか確認が必要です。この際に確認をスムーズに行うために使われるのが台割と呼ばれるものです。ページごとに何を記載しているのか記載されています。
表表紙/裏表紙
本の表紙の表側を表表紙、裏側を裏表紙といい、表表紙は製本の一番外側、裏表紙は製本の一番裏側のページになります。両者をつないでいる部分を背表紙と呼ぶのです。
角版
本屋冊子に写真を配置する際に、写真を四角形のままで掲載することを角版と呼びます。
切り抜きすることなくそのままの状態で掲載します。
ポイント/級
文字の大きさを表している単位のことです。
ベタ組
文字と文字の間に隙間をあけないで配置することを指します。間をあける場合は空き組といいます。
見開き
本や雑誌を開いた際に、左右に隣り合っている2ページを見開きと呼ぶのです。複数ページの印刷物は基本的に見開きでデザインされます。
ノンブル
本や雑誌など複数のページがある印刷物は、ページ数が印刷されます。このページ数の番号をノンブルと呼ぶのです。定位置にノンブルを入れることが難しい場合は、見えない場所で配置されます。
印刷物をチェックするときの用語
印刷物を確認する際に使われる用語も知っておきましょう。
校正
印刷物の中に間違いがないか確認して指示する作業です。文章がおかしいところはないかなど確認し、修正が必要な場合は指示します。色の確認は、色校正と呼びます。色をチェックするために試し刷りして、色の出方を確認しましょう。
朱字(あかじ)
校正を行った際に、間違いがあった場合は赤色のペンを使用して訂正します。赤い文字を使用するので朱字と書いてあかじと読みます。赤色にすることで、修正箇所が明確に分かるのです。赤色以外の文字では行いません。
読み合わせ
文章に誤りがないか読み合わせして確認します。2人以上で行う作業です。
読み手と聞き手に分かれて読み手は文字を音読します。聞き手はチェックしながら訂正箇所がある際は、訂正するのです。2人で行う手間がありますが、突き合わせよりも確実に行える校正作業です。
突き合わせ
元になる原稿を下敷きにして、文字を1文字ずつ確認する作業のこと。前回の校正がある場合は、校正前の原稿と付き合わせします。一人で行う校正作業です。
校了
内容をすべて確認したら完成版になります。これを校了と呼びます。校正と修正を何度か行い完成した状態が校了です。校了が終わったら刷版となるのです。
念校
校了のために念のため行われる校正刷りです。これを行うことで、改めて誤字や脱字が発覚することもあります。そのため念には念をということで、事前に最終確認として念校を行います。
乱丁・楽丁
ページの順番が入れ替わってしまうことを乱丁、ページが抜けている状態を落丁というのです。
加工のときに使う印刷用語
印刷物を加工する際に使われる用語をまとめます。
エンボス加工
金属や樹脂で作られている型を紙に押し付けて凸凹を出します。これにより印刷感のある印刷物に仕上がるのです。
デボス加工
エンボス加工では凸凹が作られますが、デボス加工はへこませる加工になります。
データやPCソフトの印刷用語
印刷物の作成では、データをパソコンで加工することが多いです。この際に使われる用語も知っておきましょう。
トリミング
写真の中で不要な部分をカットする作業をトリミングと呼びます。パソコンで作業を行います。
GIF
画像を保存する際の保存形式です。
JPEG
静止画の圧縮保存の形式です。風景画像の保存の際に適しています。
DTP
レイアウトからデザイン、印刷までパソコンを使って作業を行うことをディー・ティー・ピーと呼びます。
CMYK
印刷の際に欠かせないとされている4色、シアン・マゼンダ・イエロー・ブラックのことを指すのです。類似する言葉に、RGBがあります。こちらは赤、緑、青の3色の頭文字を組み合わせた言葉です。色の表現で使われるので覚えておきましょう。
まとめ
印刷所との打ちあわせがスムーズになるように、印刷で使われる専門用語についてお伝えしました。紹介している専門用語はよく使われるものとなっているため、覚えておくとやり取りしやすくなるでしょう。まだまだ専門用語はたくさんあるので、知らない言葉が出てきたらその都度調べておくことをおすすめします。