同人誌印刷を業者に頼む前に必要な準備とは?
同人誌を作りたいと思っている人は多いです。
しかし、コピーではなく印刷を業者に頼むためにはきちんとした計画を立て、準備をする必要があります。
初めてだと何を準備すればいいのか分からない事だらけですが、知識を身に着ける事で自分が納得できる1冊を作り上げる事が出来るでしょう。
経験を踏まえて分かりやすく書いていきます。
もくじ
同人誌の構成を考えておきましょう
同人誌を作るためには作品を書かなければいけないと誰もが思います。
しかし、マンガや小説を書く前に行うべきことがあります。
それが、全体の構成を考えるということです。
台割と呼ばれるものを作ると分かりやすいのですが、表紙から裏表紙までどのページに何を入れるかという全体の構成です。
マンガを描いているとついつい長くなってしまうということがありますが、同人誌を作る上ではページ数を守らなければいけません。
サークルのメンバーで作る場合は、自分の担当した数を超えたり不足してしまうと他の人にも迷惑がかかってしまいます。
ページ数は印刷の関係で偶数になりますので、初めからマンガに使う部分や、前書き、奥付など必要なものをメモしておくと分かりやすいです。
具体的には、表紙から始まり扉のページ、前書きから本文に入り後書きと奥付そして裏表紙となります。
表紙を裏表紙は1枚の紙ですので、つなげて1枚の大きな絵にすることもできます。
必要なページ数が分かれば作品も仕上げやすくなりますし、不足している場合は長くして、おまけや一言などを作ることも可能です。
表紙の印刷方法の種類を知っておく
同人誌の表紙と言えば、作品の顔と言っても過言ではありません。
最近はフルカラーのものが増えていますが、他にも印刷方法があります。
フルカラーはその名の通り、カラーの原稿をそのまま印刷するというものです。
単色刷りは黒もしくは、印刷会社が指定した基本色の中から1色を選び1色だけで印刷するという方法です。
シンプルな作品や、紙とインクの色を考えることできれいな仕上がりになります。
また、比較的安くできるというのもメリットでしょう。
そして、2色刷りという方法もあります。
基本色の中から2つ選び印刷するというものです。
原稿は色ごとに必要になりますので、2色刷りの場合は表紙に2枚の原稿を作ることになります。
フルカラーよりも手軽に見栄えのいい表紙にすることができるだけでなく、工夫次第でおしゃれな印刷を実現します。
紙とインクは水色の紙に青のインクというように、同系色でまとめるのが一般的です。
ただ、黒の紙にメタリックなインクを使うなどバリエーションは豊富に存在しますので、自分のイメージに合わせて選ぶことが大切です。
印刷会社の用意している見本があれば分かりやすいでしょう。
同人誌の原稿は紙にするのかデジタルなのか
構成が決まったらさっそく原稿を書き始めましょう。
しかし、ここで原稿を紙に描くのか、デジタルにするのかという問題が出てきます。
少し前までは紙に描く人が大半でしたが、今ではタブレットなどで描く人が本当に増えています。
その理由は、デジタル機器とインターネットの普及によるものです。
手書き原稿の温かみも分かりますが、タブレットであれば書き直しや塗り直しも簡単で、間違えたときもすぐに元の状態に戻ることができるメリットがあります。
いきなりタブレットで描くことが難しければ、下書きやペン入れまでは手書きで行い、スキャンしてから色やトーン処理をデジタルにするという方法もあります。
自分のやりやすい方法を見つけておきましょう。
印刷所によっては、デジタルしか受け付けないというところもありますので、最初に確認しておくと安心です。
いつも紙に描いているからと、ずっとアナログにこだわっている人もいますが1度デジタルに慣れるとアナログには戻れないという人も多いです。
試しに挑戦してみることはけっして無駄にはならないので、チャレンジしてみるのもおすすめです。
アナログで同人誌を作るための準備
原稿用紙や鉛筆、ペンやトーンなどの道具を揃えてから作品に取り掛かります。
鉛筆のままでは印刷できませんので、下書きの上にペン入れをしていく必要があります。
この時、間違えてしまった場合は修正液を使い、乾いてからやり直します。
他の線を間違って消さないように注意しましょう。
ペン入れが終わったら消しゴムで鉛筆の線を消して、トーンを貼って原稿を完成させます。
消しゴムのカスや細かなトーンが貼りつかないようにするため、最後には羽箒などできれいにします。
出来上がった原稿は枚数がそろっているのかという確認をしてから、印刷所に送る準備に取り掛かります。
原稿が折れ曲がらないように厚紙を用意して、ビニールなどでくるむことで水に濡れないようにする工夫が必要です。
また、送ってから印刷所に届くまでには時間が必要です。
原稿を作る際には余裕を持って送るようにしましょう。
直接入稿といって、印刷所に原稿を直接持ち込むという方法もありますので、自分で計画を立ててスケジュール通りに準備しておくことが大切です。
会社によっては事前に連絡が必要なことも多いので確認しておくといいです。
デジタルで同人誌を作るための準備
デジタルで作る場合には、パソコンやタブレットにグラフィックソフトなどを用意しましょう。
道具をそろえるためのコストはかかってしまいますが、1度揃えればペンやトーンのように追加で必要な消耗品はありません。
下書きはレイヤーと呼ばれる透明な層に描いていきます。
間違えてもすぐに戻せるため非常に便利です。
下書きの上にペン入れ用のレイヤーを作り原稿を仕上げていきますが、不要なレイヤーはすぐに消すことができますので、消しゴムで1枚1枚消していくような作業が不要です。
白黒原稿の場合、モノクロ2階調と言って白と黒の2色だけの原稿がおすすめです。
インターネットなどにアップする際には、白から黒まで256色に分けたグレースケールの方がきれいになりますが、プリントする際にきれいに表現できないことがあるからです。
日頃グレースケールを使用している場合は注意が必要です。
カラー原稿の場合も、青と赤、緑によるRGBではなく、シアンやマゼンタといったCMYKによるものを使った方がイメージ通りの完成になります。
RGBの原稿をCMYKでプリントすると色味が変わってしまいます。
入稿はインターネットから直接送り、データーを郵送することもできます。
入稿するときに知っておくべき大切なこと
イベントに間に合わせるために同人誌を作ると、締め切りがあります。
締め切りは絶対に間に合わせなければいけないものです。
中には部数などをあらかじめ予約しておくことができる会社もありますが、完成してみたらページ数が増えていたというような場合、対応できなくなってしまうこともあります。
アナログの場合は配達にかかる日数も計算して、特に余裕を持って計画を進めていきましょう。
デジタルの場合は指定の時間までにアップすればいいので時間的な余裕が増えます。
ただ、圧縮しても1冊分のデーターの容量というのは大きくなってしまいます。
時間がかかることを念頭においておくと安心です。
IDやパスワードがあるので、忘れないようにすることも大切です。
アナログで配送をする場合は、発注書や申込書に事項を記入して原稿と一緒に送ります。
入稿と料金の支払いは同時であることが多く、支払い明細を申込書に添付するケースもあります。
念のため支払い明細は手元にとっておき、送るのはコピーにすると万一の際にも安心です。
会社によってはカード払いや後払いにも対応しています。