同人誌の印刷プラン選びのポイント
印刷屋で、様々なタイプの同人誌を気軽に作成できるように色々なセットを用意しています。
セットによって、選べる仕様や値段がかなり異なってくるので注意が必要です。
まずは、作って見たい同人誌の仕様や予算に合わせてどこに依頼するのか決めていきましょう。
セット選びのポイントは、値段だけにこだわらないことが大切です。
もくじ
オンデマンドかオフセットを選びましょう
業者に依頼する同人誌は一般的に、オンデマンドかオフセットのどちらかで作成されています。
オンデマンドはレーザープリンターやコピーと同じで、版を使わない方式になります。
一方、オフセットは版を使う印刷で商業誌でも利用されている技術です。
数十冊程度の少部数なら、版を作るオフセットは割高になるので注意が必要です。
逆に数百冊単位の場合は、版を使わない手法の方が割高になる傾向があります。
こうした理由から、業者によってはプランによって対応できる部数が細かく決められていることも珍しくありません。
まずは、何部作成するのかを決めてから対応してもらえるプランを探しましょう。
部数によっては、オフセットとオンデマンドで値段に差が殆どない場合もあります。
その時は、印刷の特徴に注意してみるのもオススメです。
オンデマンドはレーザープリンターやコピーと同じで、印刷した部分が若干光沢を持つのが特徴です。
また、インクを使わないので乾かす手間暇が必要ないので納期が短くなります。
オンデマンドはインクを乾かす時間が必要ですが、落ち着いた風合いになるのが人気です。
表紙のデザインからプランを選んでみましょう
同人誌を販売する時、最初に見てもらうのが表紙です。
そのため、表紙のデザインに一番力を入れているという人も珍しくありません。
表紙の作りは大きく分けると、フルカラーか単色刷りに分かれます。
フルカラーは、写真のようなカラフルな絵をそのまま印刷する手法です。
単色刷りは、一色のインクでイラストを印刷していきます。
印刷プランの多くは、表紙にフルカラーか単色刷りのどちらかが使われています。
たまにある二色か三色のインクを使う多色刷りは、デザイン力だけでなく原稿の作成方法も難しいので初心者は避けた方が無難です。
フルカラー原稿を作る時は、使用されるインクの種類にも注意してください。
一般的にCMYKで表す四色のインクを使うタイプは、どちらかというと落ち着いた印象に仕上がります。
より明るい色合いを好むなら、インクに蛍光ピンクが入ったものがオススメです。
五色使用しているというフルカラー印刷では、この蛍光ピンクが使われています。
ただし、この蛍光ピンクが使われているプランは若干値段が高くなる傾向があるので注意が必要です。
一冊あたりの単価を計算して、デザインとプランを考えることも大切です。
使われる用紙の種類が選べるかどうかも大切
同人誌の本文には、一般的に上質紙と呼ばれる白い紙が使われています。
実はこの上質紙にも種類があって、70kgや90kgといった厚さが何種類か用意されています。
漫画なら裏のページに透けないような、少し厚めの上質紙が人気です。
ただし、中には紙の種類を選ぶことができないプランもあるので注意が必要です。
中には、ウグイス色やピンク色といったタイプを選択できるプランを用意しているところもあります。
ここで注意したいのは、好みの用紙がプランの料金内で選べるかどうかという事です。
選べる紙は、本文だけではありません。
表紙に使う用紙も、フルカラーや単色印刷に関係なく何種類もあるからです。
比較的多いのは、白い厚手のものに印刷するというタイプです。
もし、表面が凸凹した特殊な用紙を使いたい時は注意してください。
オンデマンドの場合は、そもそも論として凹凸のあるものにはプリントできません。
まずは、使ってみたいタイプの紙に印刷できるかどうか聞いてみることが大切です。
こうした凹凸や色がついたものは特殊紙と呼ばれ、白い紙より価格が高い傾向があります。
そのため、利用する際は追加料金が発生することもあるので注意が必要です。
表紙に加工ができるかどうか確認しましょう
同じ紙にフルカラー印刷を施しても、さらに加工するかどうかで見た目はかなり変わってきます。
比較的多くの人が同人誌作成で使っているのが、表紙をコーティングするPP加工です。
薄い透明な膜を張ることで、ツルツルとした光沢のある表紙に仕上がるのが特徴です。
このPP加工にはホログラムが施されているタイプなどもあり、同じイラストでも見栄えがかなり変わってきます。
他にも金箔のような文字を施す、箔押しと呼ばれる加工も人気があります。
ただし、箔押しは最初からプランに入っていることは殆どありません。
追加料金が必要で、部数が少ないと単価も高くなるので注意が必要です。
表紙の一部を切り抜いて窓を作ることや、カバーを付けるというオプションを用意している印刷屋もあります。
凝った表紙は作っていて楽しいですが、原稿を作成する際に技術も必要なので同人誌作成にある程度慣れてきた人向けのオプションです。
特殊なオプションに関しては、取り扱いがある所とない所があります。
人と違った同人誌が作りたい時は、原稿を作成する前にあらかじめ印刷屋に問い合わせておくと安心です。
搬入代など細かいオプションの有無を確認しておきましょう
印刷屋で作成した同人誌の多くは、イベント当日に直接会場へ搬入されます。
冊数が多い時や複数のイベントに搬入する時は、この搬入代金が意外と高くなるので注意が必要です。
また、書店で委託販売を予定している人も書店に送る代金について注意しましょう。
ます、料金内で何箇所に搬入してもらうことが可能か確認してください。
依頼する時は、どのイベントに参加してスペースはどこなのか伝えておくことも大切です。
大型イベントに搬入希望の時は、納期が変わることもあります。
イベントに合わせて同人誌を発行したいなら、かならず原稿受付の締め切りも確認してください。
少部数でも同人誌は、箱いっぱいになるとかなりの重さになります。
複数箇所に送ると追加料金が発生するからといって、無計画に自宅などに一括発送するのは避けた方が無難です。
多くのセットでは、かならず搬入に関する注意がメニューに記載されています。
また、追加オプションで複数搬入が可能かどうかも書いてあるのが一般的です。
といっても、持ち運びやすいように小さな箱に分けて欲しいといった要望には対応していない所がほとんどです。
また、部数によってはダンボールではなく厚手の紙で包まれた同人誌が搬入されることもあります。
変形本や遊び紙などにこだわりたいなら
同人誌を見ていると、表紙だけでなく中の体裁にもこだわっている人たちが沢山います。
比較的、初心者でも手を出しやすいのが遊び紙の利用です。
遊び紙は、表紙と本文の間に入れる飾りのための紙で表紙や本文とは違う用紙を使うのが一般的です。
比較的安く依頼できるオプションなので、初心者や少部数の人でも利用している人は少なくありません。
一方、少し作成に技術が必要になってくるのが変形本です。
A5やB5のような長方形ではなく、正方形など好きな形に作る手法です。
変形本は、一回り大きなサイズで作成した本を任意の形に裁断して作っていきます。
そのため、若干料金が高くなるという傾向があります。
この変形本は、現行の作り方に気をつけないと文字やイラストが裁断されてしまうので注意が必要です。
遊び紙は殆どの業者で対応していますが、この変形本については対応している所としていない所があります。
本の角を丸くカットしてもらうのも、変形本と似たような加工オプションです。
いずれにしても、一度本を作成してから加工するので納期がややかかります。
こだわりのオプションを利用したいときは、納期や料金などについて事前に確認することが大切です。