同人誌印刷の入稿方法:Photoshopのサイズ・色・書き出し設定
アニメや漫画は日本の一大カルチャーであり、世界中で人気があります。そのキャラクター達を使って作る同人誌は日本人のみならず、海外でも大人気なのはご存じでしょうか。日本の同人誌イベントに海外から訪れ、本を購入していく外国人も多いのです。それほど人気の同人誌ですが、今後作成してみたいという方の為に入稿方法などをご紹介します。
もくじ
Photoshopを使って同人誌を描く
同人誌にはいろいろな描写系のソフトが出ており、描き手によって使うものは様々です。そんなにイラストや漫画を描くソフトがあるのかと驚かれるでしょうが、本当に沢山のものがあり、無料のものから有料のものまであります。また、有料のソフトにも金額が高いものから安いものまであり、機能や描き味などもそれぞれです。
その中でも有名なのがPhotoshopで、大体の描き手がカラー原稿では使っているといわれています。そもそもPhotoshopは漫画やイラストを描くのに特化したものではなく、写真や画像などのサイズを変えたり、色味などを加工するのが得意でした。
ですが、その高い機能性と使いやすい操作性で、強い人気を獲得したのです。もし、同人誌を作ろうと思っている方は、是非Photoshopを使ってみてはいかがでしょうか。最近では月額で使用する事もでき、一括支払いでソフトを購入しなくてはならなかった昔よりも敷居が低くなり、とても便利で手軽になりました。Photoshopはどこの同人印刷所でも入稿ができるメジャーなソフトなので、そこもおすすめポイントです。
Photoshopで同人誌を描く注意点
上記で述べた通り、Photoshopは漫画やイラストを描くのに特化されたソフトではありません。高い機能性で操作性もいいですが、漫画を描くのには少々設定などが難しいかもしれません。コマ割りや吹き出しなどはコツが必要かもしれませんが、とても優秀なソフトなので工夫をすれば、漫画を描くのに特化されていないにも関わらず、描き手の要望に応えられる高性能なスペックを持っています。
また、印刷するにあたって原稿に必要なトンボを設定するのも、少し難しいかもしれませんが、印刷所によっては漫画を描くのに必要なトンボなどのPhotoshop用テンプレートがダウンロードできるようになっているところもあるので、そのような印刷所を探してみるのもいいでしょう。
難しいというような事を書いてきましたが、慣れてしまえばとても便利なソフトなのは間違いないです。Photoshopでは異なる形式でファイルの書き出しも容易にできますし、書き出し設定を微調整すればいろいろできるのでとても嬉しい機能が沢山ついています。このようにメジャーなソフトですので、わからない事があればインターネットで検索する事もできますし、書籍なども多数出ています。
Photoshopのモノクロ原稿とカラー原稿
一般的に色彩のある表紙の事をカラー原稿と呼び、本文の黒一色の事をモノクロ原稿と呼びます。この二つは設定など注意すべき点が異なっており、同じものではありますが異なったものと考え、しっかりと理解した上で作成するようにしましょう。
印刷所のホームページでもカラーとモノクロの作成方法が載っていますので、よく確認しておくことをおすすめします。カラーは350dpiに設定し、モノクロは600~1200dpiに設定しましょう。dpiとは「dotsperinch」(ドットパーインチ)の略で、解像度のサイズの事です。
1インチにどれだけのドットが含まれているかという画像密度を表しており、数字が大きくなるほどドットの密度が高く、細かいところまで滑らかに表現されます。間違えてモノクロ原稿の解像度を350dpiにしてしまった場合、トーンにモアレというブレが出たり、黒潰れや白飛びになったりしてしまい残念な事になってしまうのです。綺麗に印刷する為にも、モノクロとカラーの解像度設定はしっかり確認するようにして下さい。
Photoshopで入稿する前の注意点
いよいよここまでこぎつけた、とぐったりしている方も多いのが入稿前ではないでしょうか。ここでもうひと踏ん張りですが、入稿方法は印刷所によっても違いますので注意が必要です。これは入稿ガイドで印刷所がしっかりと説明していると思いますので、それに従って下さい。
Photoshopは大抵の方がカラー原稿で使用していると思いますので、入稿できないという事は絶対にないと思いますが、ソフトのバージョンによっては印刷所側の操作が違う場合があるので、オーダーシートにしっかりとバージョンは記入するようにしましょう。
モノクロとカラー原稿の解像度確認、そうして、カラー原稿のカラーモードも確認しておいて下さい。カラーモードにはCMYKとRGBの二つがあり、前者は紙などの印刷物に使う発色方法で、後者はテレビやパソコンの画面上の発色方法なのですが、色味が全くといっていいほど違います。今ではRGBで入稿しても余り色味が変わらない印刷方法などがあり、全然予想とは違う仕上がりになったという事もなくなりましたが、確認をしておく事にこした事はないです。
入稿してからの注意点と確認事項
ここまでくるとホッと胸を撫で下ろし、戦いが終わったとばかりにリラックスしている方も多いのではないでしょうか。とても気持ちはわかるのですが、まだまだ油断するのには早いです。入稿をすると、印刷所のオペレーターが細かく確認をし、不備がないかを見てくれます。
もし、不備があった場合にはメールや電話などで連絡がきますので、だからこそ油断するにはまだ早いのです。不備が簡単に直せる場合はあちらがやってくれますが、そうでなかった場合は原稿を差し替える事もあります。せっかく入稿したのに、重大なミスをしたせいで、また作り直して入稿をしなければならなくなったという事もない訳ではありません。
最悪、予定していた同人誌イベントに本が間に合わなくなったという事だってありえます。ですから、確認はしっかりとする事をおすすめしますし、不明な点がある場合は問い合わせしておきましょう。不備がなければ支払い金額が確定し、支払いが済めば本の制作に入ってくれます。あとは、手元に本が届くだけなのでワクワクしながら待ちましょう。
待望の同人誌を手に取ってみよう
魂を込めた作品が形になってやってきた、と印刷所のダンボールを見て感動してしまうはずです。感動するのもいいですが、中身の確認をして本に不備がないかを早急に確認して下さい。まれに印刷所側のミスで、本が汚れていたり、折れ曲がっていたり、と不具合が生じている場合があります。
表紙に不具合がなくとも、本文もきっちりと確認しなければなりません。ページ数が飛んでいたり、明らかにあちらのミスで汚れていたり、などがあるかもしれないからです。もし、何かしらの不具合があれば、すぐ印刷所に連絡しましょう。心配で不安になるかもしれませんが、しっかりと対応をして貰えるので安心して下さい。
無料で全冊を刷り直ししてくれるなど、誠心誠意のフォローをして貰えるはずです。自分が作った同人誌が形になり喜んだのも束の間、ミスがあって気分が落ちてしまった、苦労や期待が大きかった分、悲しくて同人誌を作るのが嫌になってしまった、などと思うかもしれませんが、きちんとした対応やサービスをしてくれるので、安心して同人ライフを楽しんでいきましょう。
Photoshopで作る同人誌の入稿方法を書いてきました。モノクロやカラー原稿など解像度のサイズだったり、カラー原稿にはカラーモードによる色の違いがあったりと、沢山の注意点がありました。入稿前の注意だけでなく入稿後の注意点もまとめましたので、是非とも参考にして楽しい同人誌ライフを満喫してみて下さい。