混同しがちだけどパロディとパラレルは別物!創作における違いを解説
創作における違いを知りたいと考えている人に、今回の記事はおすすめです。今回の記事では、混同されがちなパロディとパラレルについて紹介します。これから作品の創作に携わりたいと考えている人や、創作を仕事として頑張る人は知っておく必要があるので、ぜひ参考にしてください。
パロディとは
パクリとの境界が曖昧となっています。日本と欧米では捉え方が異なるのが特徴です。欧米では、パロディに社会的な意義が無くてはいけないと考えられているので、風刺や愉快に思われる作品が公開されています。
なかには法律でそのように制定されている場合もあり、その条件を満たしていないと作品を公開できません。日本ではそのような定義が存在しませんが、明確な線引きが存在しないことによるトラブルが発生しています。
用語の意味
こちらは、もじるという意味で使用されている用語です。一般的に広く普及している作品などをベースに、揶揄する作品や価値観を逆転した作品を創作しているのが特徴です。こちらの狙いは、作品を見ている人が愉快に思う必要はなく、構図の下地に別の作品が取り入れられているという意味で使用されています。
必ずしも風刺を表現する作品でなければならない、必ずしも愉快に思われる作品でなければならないということはないので、その部分が欧米とは異なります。欧米では、風刺や愉快に思われる作品を作成するのが狙いとなっています。
それは長い歴史のなかでそのように培われてきた経緯があります。現在でも、パロディ作品は社会的に意義があると設定されているので、そのための条件を満たしている必要があります。
日本の場合
日本では、風刺や愉快に思われる作品を必ず作成しなければいけないわけではありません。また、そのような法律も制定されていないので、そのような観点から考察すると欧米よりも自由度が高いといえるでしょう。
しかし、注意しなければいけない点も存在します。それは、作品を作成するときには、作者の許可を得たほうが好ましいということです。作者から許可を得ないまま作品を作成すると、良い印象を持たれることは少ないからです。
とくに、作成した作品を公開する場合には注意が必要です。これは、著作権の観点からそのようになっていて、商業誌などでパロディ化が難しい理由として挙げられています。
さらに現在では、これまで以上に著作権に対する人々の意識の高まりが影響を及ぼしています。これまで以上に裁判を起こすための心理的なハードルが低下しているので、パロディ元から訴えられることも珍しくありません。そのため、順序を追って適切に行動するほうが良いでしょう。
用語の解釈
すべての芸術媒体に存在するのが特徴です。映像や文学だけではなく音楽も含みます。替え歌もパロディのひとつです。また、アニメや漫画の世界では二次創作といわれています。
なお、用語を解釈するときの定義が曖昧になっているところがあるので注意が必要です。たとえば、原作に沿ったギャグをギャグパロと呼ぶことがあります。それだけではなく、作品の設定を変更することを広義の意味でパロディと呼ぶこともあります。
現在では、パラレルとの境界が曖昧になっていることもあるので、用語を使用するときは認識を揃えてから使用して誤解を生じさせないように気を付けてください。
パラレルとは
さまざまな用例がありますが、こちらでは二次創作について紹介します。
用例
平行、パラレルワールド、スキーのパラレルターンの略称などとして使用されています。さまざまな場面で使用されているのが特徴です。
用語の意味
こちらは二次創作するときに使用されている用語です。漫画やアニメなどの原作とは異なる設定で描かれている作品を指します。ただし、こちらの用語は漫画やアニメなどの作品だけではなく、商業作品の場面でも使用されるときがあります。そのような場合はパラレルな設定というように用語が用いられています。
同人誌におけるパラレル
さまざまなシーンを変更して作品を作成しています。キャラクターの性別や年齢を変更する作品も多く公開されています。
同人用語
原作の設定や世界観とは異なるのが特徴です。仮に原作のこのような部分がこのようになっているとどうなるだろうかという視点で作品を作成しています。
キャラクターの選択を違うものにする作品
一般的に公開されている作品のなかで多く用いられています。キャラクターは原作ではこちらを選択している。しかし、あちらを選択していれば、どのようなストーリーが展開されていただろうかというように考えて作品が作成されています。
マルチエンディングが良い例です。この際、タイムトラベルによる手法が用いられることがあります。過去にタイムスリップしたキャラクターがどのように行動するのか注目されます。また、未来設定も用いられるときがありますが、こちらについては解釈の余地があるとしています。
現在のところ、過去をさかのぼるストーリーはパラレル、未来設定はパラレルとは言い難いという状態です。そして、ほとんど原作と同じような内容となっている作品も公開されています。細かい部分のみ原作と異なるようになっているので、パラレルとして作品を見てもらいたいと作品内に注記する場合があります。
状況の土台から変更する作品
キャラクターの性別を変更する、キャラクターの年齢を変更するというように、あり得ない設定にする場合もあります。
パロディとパクリは紙一重
明確な線引きが存在しないので、非常に難しいものとなっています。パロディだと認識していても作者がパクリと認識してしまう場合があるからです。ただし、裁判で訴えられても必ず有罪判決が下されるわけではありません。
非常に線引きが難しい
こちらはケースバイケースと捉えておくと良いでしょう。たとえば、許可を得ずに作品をベースとして創作した作品を公開したところ、作者の目に触れてしまい作者から裁判で訴えられることもあります。
ただし、裁判で訴えられたからといって必ずしも有罪になるわけではありません。また、同様のケースでも、作者が自分の作品をパロディとして公開してくれることに感謝してくれるときもあります。
このように、同じような場面でもまったく将来の動きが変化してしまうのです。そして、どこまでがパロディでどこからパクリなのかも明確ではないのも特徴です。このようなことから、あらかじめパロディ作品を作成したいときは作者の許可を得ていることが望ましいといえるでしょう。
そのうえで信頼関係を構築できれば、知らない間に自分が公開した作品について裁判で訴えられるという事態を避けられます。トラブルが発生するリスクを低くできるでしょう。
過去の事例
高級腕時計のパロディ商品が裁判で訴えられたことがあります。高級腕時計のネーミングをもじってパロディ商品を販売したのですが、高級腕時計の会社はパクリと認識してそのような事態に進展しています。
この事例のように、線引きが明確にされていないからこそ、非常に難しいといえるでしょう。当事者間の価値観や考え方の違いだけではなく、世間の評価も大きく影響を及ぼすでしょう。
まとめ
混同して使用しがちな用語は、定義からきちんと理解しておくことで、余計なトラブルに巻き込まれずに済みます。日本と欧米では考え方が異なる点も理解しておきましょう。将来的に海外の企業と創作の仕事に携わるときに知っておく必要があるからです。また、パロディ作品を作成したいときは、トラブルを未然に防止するために、作者の許可を得ておきましょう。自分を基準にして考えるのではなく、作者の心情を考慮して行動していれば、そのような行動がとれるはずです。