同人誌はどれくらい印刷すればいいの?印刷数を決める基準とは
これから同人誌を販売したいと考えている人に、今回の記事はおすすめです。同人誌の印刷部数が分からないと、印刷代金が見積もれません。また、イベント会場で販売しようと考えている人は、イベントに参加する費用、交通費、飲食代などを計算しておくことも必要です。その費用を上回る売上を出せるように発行部数を計算しましょう。
まずは頒布目標を設定しよう!
まずは自分で目標を設定するところから始めます。
短期間で完売させたい場合
こちらのパターンが多くなっています。イベント会場で販売した後は通販サイトなどを活用して、1週間から4週間程度かけて販売したいという考え方です。
イベント会場で作品を購入してもらい、その後は通販サイトでも購入できるようにしておけば、再び作品を購入したいと考えている人の役に立つでしょう。
また、イベント会場で作品を購入しなかったけど、作品を読んでみたいと思う人が通販サイトで購入するでしょう。この場合は数を多くし過ぎないようにする必要があります。
長期間かけて完売させたい場合
一次創作の作品であれば、こちらのパターンが適しています。1年以上かけて販売するので、売れ残っても気にする必要がありません。
たくさんの部数を発行するので、1冊当たりの印刷代金も安くなります。ただし、一時的に出費がかさむので、そのときにある程度のまとまったお金を用意しておく必要があります。
また、長期間かけて完売できる目処がある作品はこの方法を選択しましょう。
同人誌の発行部数の決め方は?
SNSのフォロワー数も参考になりますが、有料の同人誌を購入してまで作品を読みたいと考える人は限られるでしょう。そのため、アンケートを実施してみましょう。
また、イベント会場のブースの位置で売れ行きが大きく変化します。そのことも最初から頭に入れておきましょう。
不足するくらいが適切な部数
余ってしまうと在庫になってしまうので、不足するくらいが適切な部数であると認識しておきましょう。不足したときは再び発注すれば問題ありません。
しかし、在庫を抱えてしまったときは売れ残りとなってしまうので、売上としてお金が入ってこなくなります。最初から順調に売れるケースは珍しいので、少ない部数でも構わないでしょう。
SNSのフォロワー数で決定する
SNSのフォロワーのなかには熱心なファンもいますが、そうではない人のほうが多くなっているのが一般的です。
また、無料でコミュニケーションツールを利用できるのがSNSのメリットですが、同人誌を購入する場合はお金が発生するので、そこまでして購入したい人がいるか確認するとよいでしょう。
そのため、SNSのフォロワー数が多いからという理由で、たくさんの部数が売れると思わないほうが賢明です。概ね1/10程度の部数が売れると思っておきましょう。
普段コメントなどを寄せてくれている人数を参考にして、部数を決めてみるのもよいでしょう。
SNSでアンケートを実施する
SNSのフォロワーにアンケートを取る方法も有効です。リアルな声を聞けるので参考になるでしょう。たとえば、コミケに出たとしたら同人誌を購入してくれるか確認しましょう。
投票機能を活用すると便利です。同人誌を購入する場合はお金がかかるので、無料で閲覧したいファンと、お金を支払ってでも閲覧したいファンに分かれるでしょう。
当日のブースの位置
ブースの位置で売れるかどうか決定します。中央のブースは人が多く通るので、売れやすい位置になります。多くの人が作品を見るために足を止めます。
すると、足が止まっている人を見てほかの人もブースに近づきます。さらにその様子を見た人たちが足を止めるようになるので、うまくいけば人だかりができるでしょう。
人間の心理を上手に活用しながら販売できるので、積極的にセールスするとかなりの効果が期待できる場合があります。反対に、端のブースや人通りがあまりないブースは売れにくいといわれています。
中央に視線が向くのでどうしても難しくなります。積極的にセールスしても思っている以上に売れない可能性が高いので、そのような場合は、通常よりも部数を減らしましょう。
このように、同じイベント会場でも結果に大きな差が生じてしまいます。ブースの位置が抽選で決定するときは運の要素があるので仕方ありませんが、先着順で自分の好きな位置を予約できるのであれば、早めに申し込むほうがよいでしょう。
1部でも多く売るための努力を惜しまないようにしてください。
人気ジャンルかどうか
漫画に人気があるかどうかも発行部数に大きく影響します。最近アニメ化や映画化された漫画の二次創作であれば、漫画のファンが購入する可能性が高くなります。
すると、今まで顕在的なファンではなかった人たちが作品を購入してくれるようになるので、新たな顧客を開拓することにも成功します。今回購入した作品が興味深いものであれば、次回の作品も購入してくれる可能性があるので、きちんとファンを大切にしましょう。
しかし、ブームはすぐに過ぎ去ってしまうので、同人誌を販売するタイミングとブームの到来がマッチしているときがベストタイミングです。あっという間にブームが過ぎ去ると売れ残ってしまう可能性が高くなります。
そのため、自分の得意分野が市場の需要とどの程度マッチしているのか考えておきましょう。人気ジャンルばかり追うのもよくありません。
予算と相談する
自分の作品を売りたい気持ちばかり先行してしまい、まったく作品が売れなかったときは赤字になります。イベントに参加するための費用も発生するので、同人誌の印刷代のみ発生するわけではありません。
また、イベント会場が自宅などから近いときは交通費と飲食代のみ負担することになりますが、遠方のイベント会場では宿泊費も必要になるでしょう。
そのため、負担する費用以上の売上が期待できない場合は、印刷部数を減少させるか、遠方のイベント会場には参加しないなどの方針を決定しましょう。
イベント会場に参加すると毎回赤字になる場合は、ほかの事業内容で黒字になっていれば問題ありませんが、そうではない場合は方針を変更するほうが好ましいです。
イベント初参加の場合発行部数はどうする?印刷数の基準とは
最初は20部程度でも問題ありません。20部は簡単に売れると思ってしまう数字ですが、20部を売るのも難しいのが現実です。最初のイベントでは認知してもらうのを目標にするとよいでしょう。
余っても問題ない部数にする
知名度が低い人がたくさんの同人誌を売るのは難しいといわれています。気合いを入れてたくさん発行したものの、まったく売れずに在庫を抱えてしまうことも珍しくありません。
イベント初参加の人は20部程度で問題ないので、余っても問題ない部数を用意しましょう。すでに知名度が高い人や、イベントに何度も参加していて固定のファンを獲得できている人は20部では不足しますが、イベント初参加の人は20部でも余ってしまうくらいです。
不足すると困るので余裕を持っておこうと考えるよりも、発行した同人誌がすべて売れるほうが難しいと考えておくほうが適切です。知名度がアップすると徐々に部数を増やして50部程度にするのが一般的です。
参考までに50部は、かなり人気が出てきた人が発行する部数となっているので、いかに20部でも多いか理解できるでしょう。在庫を抱えてしまうと赤字になってしまうので、まずは20部を売り切るところから目指してください。
まとめ
最初からたくさんの同人誌は売れませんが、地道に活動を継続しましょう。まず認知してもらえることを目標に活動します。そして、1人でも構わないのでファンを獲得しましょう。すると、必ず1人は作品を購入してくれるようになるので、ファンがまた新しいファンを連れてきてくれる可能性があります。徐々に発行部数が増えてくると売上が上がるので、それまでは売れ残らないような部数を販売してください。