同人誌印刷で見落としがちなノンブルとは
同人誌を印刷する場合に見落としてしまうことが多いのがノンブルです。ノンブルがないと、同人誌を制作する場合にさまざまな面で不都合が生じる可能性があるので、印刷をする前に必ず確認しておく必要があります。ノンブルとは何か知らない人もいるかもしれませんが、ここでは、同人誌印刷で見落としがちなノンブルについて、詳しく紹介します。
もくじ
各ページの順番を表すための数字
同人誌を印刷する前にチェックしておいた方が良いのがノンブルです。ノンブルとは同人誌のページを表す数字のことです。各ページにつけておくことで、順番通りに本が印刷しやすくなります。つけた数字が間違っていると、完成したものも順番が違ってしまう場合があるので、印刷をする前に何度も確認しておいた方が、失敗を防ぎやすくなります。
フランス語のnombreが語源になっていると言われていて、nombreも数という意味を表す単語です。語源にはもう一つの説があり、英語で数を表すnumberが変化したものだと言われることもあります。いずれにしても数という意味の単語が語源になっていることでは共通していて、本を作るときには欠かせないものです。
記載する数字は製本するための順番を表すだけなので、数字自体に特別な意味はありません。各ページに記載されている内容とは無関係で、そういった面でも本の制作者にとって見落としやすいものです。紙に印刷する本であるからこそ必要になるもので、本作りにおいて非常に重要な要素です。
ページ番号に使用されている数字の種類
ノンブルの使い方にはいくつかの種類があります。同人誌ならば自分の好きなものを選んで使用できるので、作品の完成度を高めるためにも役立ちます。作る本の内容によって最適なものも異なっているので、自分の書いた本の内容と見比べながら最適なものを選んだ方が、失敗しにくくなります。
一般的に使用されることが多いのがアラビア数字です。アラビア数字とは1や2などの、数字を表す文字として一般的に使用されているもののことです。アラビア数字を使うことには多くのメリットがあり、誰にでもわかりやすいことが特に大きなメリットです。本を見た瞬間に何ページなのかが一目でわかりやすいので、特定のページを探したい場合にも、アラビア数字が使われたものは便利です。
本によってはギリシャ数字が使われることもありますが、ギリシャ数字とはIVやVIなどの表記方法で書かれる数字のことです。日本人にはアラビア文字よりなじみの薄い数字ですが、数字の読み方を正確に知っている人も多いので、ページ数を書くときに使うことができます。
それぞれのページにつける数字の決め方
同人誌にノンブルを記載する場合には、忘れないように全てのページに記載していくだけでなく、正しい順番で数字をつけていくことも重要です。初めて本を作る人が間違いやすいのが番号の始まりで、1ページ目を表す「1」は表紙の次の部分に記載するのが正しいルールです。
最後のページを表す数も、裏表紙には記載しないで、裏表紙の一つ前のところが数字をつける最後の場所になります。これは製本をする場合、表紙や裏表紙は特別なものと考えられていることが理由になっていて、通常のページ番号の例外として扱われています。
間違って表紙や裏表紙にまで数字を記入してしまった場合には、印刷する前に必ず修正が必要です。とびらの前の部分や奥付けの前の部分にも数をつけないことがありますが、とびらとは本のタイトルや作者の名前が印刷されているページのことです。とびらは書籍の本文よりも前に入れられることが一般的ですが、同人誌でも入れておいた方がわかりやすくなります。上記の方法では、とびらを1ページ目として数字をつけていきます。
縦組みと横組みで違っているページ数のつけ方
ノンブルを同人誌につけるときに見落とさないようにする必要があるのは、数字をつけるための決まりごとです。
縦組みの方法で印刷をする場合には、奇数の数字は本を開いた場合左側に来るようにします。縦組みとは文字を縦方向に並べてレイアウトする方法で、日本語の文章を書くときなどによく使用されています。
漫画の場合には縦方向に会話文などが書かれていることが多いので、左側に奇数がくるようにするのが一般的な方法です。
それとは反対の方法で数字を記載していくのが、横組みでレイアウトされている場合です。横組みとは本に記載されている文字が横方向に並んでいるレイアウトのことです。日本語でもこの方法で書かれていることがありますが、横組みは主に外国語で書かれている本を制作するときに使用されています。
横組みで作られている場合には、本を開いたときに右側に当たるページに奇数の数字を書いていくようにします。これは、組み方によって本を開く方向が違うこととも関係していて、横組みは左側のページから読んでいく印刷方法です。
全てのページにページ数を記載していく方法
ノンブルのつけ方は作品に内容によっても、違ってくる場合があります。使われることが多い方法の一つが通しノンブルで、これは全てのページに必ず番号を記載していく方法です。この方法で数字を記載していく代表的な書籍が小説やエッセイです。基本的に本全体が文字だけで構成されているので、数を全てのページにつけた方が、読者にとっても見やすくなります。
全てのページに数が記載されているので、目次などを見て特定の章から読みたい場合にも便利な方法です。小説の同人誌を作りたいときには特に見落としてはいけないもので、最初から最後まで同人誌をめくっていきながら、抜けているページがないか確認する必要があります。
この方法でノンブルを記載していくときに見落としやすいのが、本文よりも前や後に印刷される部分です。前付けや後付けにも数を記入しておく必要があるので、抜けていないかどうか最後にもう一度確認しておいた方が安心できます。前付けなどをつけない場合には、本文からページ数をつけていくのが一般的な方法です。
見落としてしまいやすいノンブルのミス
全てのページに数を記載していく方法の場合、全てのページに記載もれがなくても、ミスが発生している場合があります。こうしたタイプの失敗は記入ミスよりも見落としやすくなっているので、発見するためには丁寧に一つ一つのページをチェックしていく必要があります。
全てのページに数字がついているのに正しい順番にならない代表的な失敗例が、同じ数を2回使用している場合です。例えば、通常の場合6ページ目の後につけられる数は7ですが、次の紙にも6という数字が記載されているミスも十分に起こり得ます。一度間違って同じ数を使ってしまうと、それから後のページも全て一つずつずれてしまうので、直すのに非常に手間がかかります。
こうしたタイプの失敗を防ぐためには、数字の間違いを見落とさないようにしてノンブルをつけていくことが重要なポイントです。これと同じようなタイプのミスとして見逃されることがあるのが、数字を飛ばして記載してしまうケースです。6ページ目の後に8という数字をつけてしまう誤りで、この場合にもその後の数が全て一つずつずれてしまいます。
同人誌を印刷するときに見落としてしまうことが多いのがノンブルのミスです。ページ数を記入し忘れてしまう失敗は特に多く、全てのページを順番に確認していくことで、誤りを見つけやすくなります。同じページ数を使ったり、ページを飛ばしたりしてしまう失敗も見落としやすいミスです。同人誌を印刷する場合には、くれぐれもこのような簡単な誤りを見落とさないように気をつけてください。