月刊誌の同人誌の印刷スケジュールをチェックしよう
同人誌はイベントごとに出版するだけでなく、出版社の雑誌のように毎月月刊誌として出すこともできます。同人誌なので自分の決めたスケジュールで発刊できますが、毎月出すことで執筆や編集作業のスケジュールをリズム化でき、固定ファンを集めやすくなります。では、実際に出す場合どのような手順になるのか見てみましょう。
もくじ
出版社の月刊誌とスケジュールはほぼ同じ
基本の出版の流れは出版社の雑誌発行スケジュールと同じです。出版社によりますが、約2ヶ月前に編集会議を行って企画を立てることが一般的です。ここで大体の雑誌の構成を作り、それに合わせて原稿や記事を集めていきます。記事の取材や原稿執筆依頼打ち合わせはこのあたりから始まります。
写真のような個人でできるものなら決めてすぐに撮ることも可能ですが、原稿依頼をする場合は先方のスケジュールもあるため、早めに打ち合わせをしておく必要があります。そのため、2ヶ月前ぐらいから取り掛かるのが安心だといえるでしょう。
可能であれば約1ヶ月前には依頼した人が自分の作業に取り掛かっている状態にしておかなければいけません。印刷所に納品するのは、実際の仕上がり予定日の2週間前には済ませておきたいものです。原稿や写真イラストといった雑誌に必要なデータは、すべて2週間前までに集められるようにしましょう。
実際には原稿が届いてからデザインを開始し、その後チェックを行い問題があった場合は差し戻して書き直す時間が必要です。そしてすべてOKが出たら印刷所に送り、印刷してもらいます。個人でする場合はもう少し小回りが利くかもしれませんが、印刷所も常に時間が空いているわけではないので、できるだけ早めに進行することが大切です。
毎月決まったパターンの発刊日を設定する
まず毎月の発刊日を設定します。第4週の火曜日など普通の雑誌のように決めた方が読者に覚えてもらえ、発刊にあたってのスケジュールを立てやすくなります。締め切りを数字で設定すると創作のモチベーションも上がってくるでしょう。
毎月出すということの利点だともいえます。普段はイベントでしか手に入らない同人誌が毎月決まった時期に出るので読者もその時期を楽しみにできます。また、同人作家も毎月定期的に出すことで創作にハリが出て締め切りに向けて頑張れるでしょう。
イベントごとに発刊する場合は、一時期忙しくなったり徹夜になったりで生活リズムが乱れますが、毎月のスケジュールを決めることで安定して創作活動に取り組めます。毎月同じ日、または曜日に出すことで、その月によって特集を変えたりテーマを決めて出したりできます。
作品内容にメリハリが出て、さまざまなジャンルやテーマに挑戦できるため、新たな読者層を開拓しやすくなります。ある意味毎月自分だけのイベントを開くような感覚で本を出すことができるのです。
事前に印刷業者と納品日を設定する
月刊誌の発刊日を決めたら、印刷業者と納品日を設定しましょう。発刊日から逆算して決めていくとよいでしょう。場合によっては遅れることもあるので、依頼者側も少し余裕をもって決めておきます。
月刊誌の出版を受け付けてくれている業者は多数あるので、いくつかの業者を調べて相談してみるのがおすすめです。月刊誌としてサポートしてくれる会社も散見されます。定期的に付き合っていく会社なので、最初の打ち合わせをしっかりしておきましょう。
とくに、印刷業者の選定はとても大事になります。モノクロで出すのかカラーで出すのか、指定の入稿形式で出せるかということも重要です。印刷所によってそれぞれ特徴があり、お金はかかるが丁寧な仕上がりを期待できる会社、納期にこだわってスピード重視の会社などいろいろです。また、月刊誌は定期的に金額を支払うので、割引があるかどうかもチェックしておきましょう。
納品日は、自分の設定した発刊予定日から逆算して作業時間を考慮した上で設定します。納品日も、データ入稿ミスなどのことも考え少し余裕を持って設定しておくことが大切です。月刊誌の場合、遅れたら次の月の発行にも影響が出てしまいます。早め早めに仕上げていくように心がけましょう。
早めの計画、企画の立案と参加者選び
月刊誌の同人誌の発行日と印刷業者納品日を設定できたら、次は同人誌の具体的な企画を立てます。月刊誌を作るにあたっての方向性は決めてあるはずですが、月刊誌なので別に毎月のテーマのようなものを決めておいた方が作成しやすくなります。
個人で作る場合は適当でよくても、参加者を複数選んで掲載する出版社の雑誌のような形式の場合、その月ごとにテーマを決めたり、メインにする作家を決めたり、特集を組むと多様性が広がり、毎月の発刊にメリハリが出てきます。
こういった計画や企画は、2ヶ月以上前に決めておく方がよいでしょう。参加者が多い場合は相手の時間の都合もあり、遅れ気味の人や早い人などそれぞれで、足並みがなかなか揃いません。打ち合わせを取る時間も必要です。早めに計画を立てておくことで直前のトラブルにも対応でき、より中身の濃い同人誌を作れます。
また、ネットを利用して共有スペースを作ることも簡単で、日々の打ち合わせもすぐにできます。皆で打ち合わせをするなどうまく利用して、2ヶ月前には企画ができ上がっているくらいにしておきましょう。
原稿・掲載データを集めて編集する
掲載するデータを作成し集めます。同人誌の場合自分で編集もしなければならないので、文章のチェックやページのノンブルなどに注意して作業を進めていく必要があります。他の人の目を通すことによって間違いに気づくことも多いので、複数の参加者で同人誌を作る場合はお互いにチェックしあうことも大切です。
小説のような文章の場合、他の人の内容チェックも作品制作に役に立ちます。月刊誌の編集データは、ネットの共有スペースなどを使うと他の人も編集できチェックしてもらえるので、客観的な視点から編集作業を仕上げられます。
何ヶ月もかけて作るイベント向けの同人誌ではなく、月刊誌の場合は短時間で制作しなければならないので、商業誌の月刊誌のように何度もやり取りをして原稿を仕上げていくということはできません。どこまで訂正するかは期限を決めて参考にするとよいでしょう。
また、意外に時間がかかるのが表紙などのデザインです。表紙を誰かにお願いする場合、作成する時間もかかりますし、もらったイラストによってデザインを変えなければならなくなったりします。場合によってはイラストの描き直しも考えられます。スケジュールは限られているので、こちらも早めにお願いしておくことが大切です。
早めの行動で毎月の発刊日を厳守しよう
月刊の場合、発刊日を確実に守ることが大切です。これは出版社でも同様で、読者は発売日を楽しみに待っているので、遅れると読者の期待を裏切ることになります。
時間に余裕があると宣伝に時間をさけますし、月刊誌は遅れが出ると次の月に影響が出てきます。一度遅れると継続して遅れが発生するので、だんだん月刊として出すのが厳しくなってきます。余裕を持ってストックできるぐらいのペースで進めておくことが大切です。
毎月定期的に出していくものですから、発刊日だけは絶対に守らなければなりません。仕上がりの日を決め、納品日は余裕をもって設定し、発刊日の2週間前にはデータがすべて仕上がっているような状態にしておきたいものです。
印刷所によっては早めに出すと安くなることもあります。印刷所も時期によっては忙しくなります。イベントと重なり注文が立て込んでいると予定納品日に間に合わなくなることもあるので、その辺を考慮した上で注文の集中するイベント直前には、とくに時間に余裕を持って早めに納品できるように心がけましょう。
月刊誌は普通の同人誌と異なり、毎月決まった時期に出します。そのため普通の同人誌よりもスケジュール管理が大事です。とくに個人で発行するので、不測の事態が起こるといかに準備していても間に合わないこともあります。計画段階から余裕を持って進めておくことが大切だといえるでしょう。
スケジュールを立てて、参加者メンバーがいる場合はそれらの人々と話し合いを進めながら、計画的に同人誌を作成していきましょう。