同人誌の「おしながき」って何?同人誌印刷会社でも印刷してもらえる?
同人誌活動に必要なのは大切なイラストや文章ですが、少しでも作品を手に取ってもらうためには、「おしながき」があるとより効果的です。とくに大規模な同人誌即売会は出店数も多く、目に留まってもらう工夫が販売強化につながります。では、同人誌のおしながきとは具体的にどのようなものでしょうか。詳しい中身や印刷方法について解説します。
「おしながき」の役割
同人誌販売における「おしながき」とは一体どのようなものでしょうか。おしながきについては飲食店販売を思い浮かべると理解しやすいでしょう。たとえば、移動式販売のクレープ店などは傍から見ても販売しているものが「クレープ」であるとわかるように、のぼりやメニュー表掲げています。
この「メニュー表」にあたるものがおしながきです。ただ本を並べて売り子さんや作家さんが居ても、一体どんなジャンルの作品なのかパッと見ではなかなかわかりません。何を販売しているのかわからないスペースには、やはり人は寄ってきにくいのです。そこで、おしながきをわかりやすく掲示しておくことで集客力を高めましょう。
どんなジャンルのイラストや漫画かわかりやすくデザインし、今回販売している新刊の表紙や価格を加えておくことで、目に留まってもらいやすくなります。実際に大規模な同人誌販売会ではおしながきを掲示している方は多く、その中身も大変凝ったものです。多くの方は販売する書影を掲載しているため、雑貨店などで見かけるPOPの役割も果たしています。
また、最近では「おしながき兼ポスター」も人気です。ポスターサイズの用紙におしながきを作ることで、アピールと販売内容を兼ねることができます。
スピーディーに作成したいならテンプレートがおすすめ
より効果的に宣伝をして同人誌販売を強化したい、そんな願いを叶えるならさっそくオリジナルのおしながき作りに挑戦してみましょう。とはいっても、1からすべて自分でデザインを開始することは至難の業です。あくまでも同人誌販売で大切なことは絵や文章などの本体であることは変わりません。
そこで、スピーディーにおしながきを作る方法があります。実際に多くの作家やサークルの方が活用しているのは「テンプレート」です。パソコン向けソフトなどに合わせたテンプレートがネット上でたくさん公開されています。
テンプレートに合わせてご自身の書影データをレイアウトしていけば、誰でも気軽にお店のようなおしながきを作れる、という流れです。テンプレート内を編集するだけの簡単作業なので、原稿の締切に追われていてもすぐに作ることができるでしょう。新刊のアピールのテンプレートがあれば、ノベルティやグッズ販売向けのテンプレートもあります。
では、テンプレートには基本的にどんな情報を加えるのでしょうか。基本的に入力が必要なものは、「イベント名」「スペースナンバー」「作家・サークル名」です。より臨場感のあるおしながきにするなら、日時を加えるとよいでしょう。また、ジャンルや属性などのテーマを入れている方も多くいます。キャラ名やジャンルをチェックしながら販売会場を歩いている方が多いので、見やすくテンプレート編集時に加えておくとよいでしょう。
また、テンプレート内には「ストーリー」を編集して加えている方も増加しています。ストーリーとはいわば「あらすじ」です。ジャンルだけだと物足りない、と感じる場合には新刊のあらすじを簡潔に入れておくことがおすすめです。どんなカップルのお話なのかなど、ご自身が本を手に取る際に思わず買いたくなるような名文を想像しながら書いてみることが望ましいでしょう。
おしながきの印刷は同人誌印刷会社に依頼できる!
では、おしながきの印刷はどのように行うべきでしょうか。結論からいうと、おしながきの印刷は「同人誌印刷会社」にお任せすることがおすすめです。テンプレートが無料などで簡単に手に入る以上、ご自宅の家庭用プリントで簡単におしながきは印刷できます。
しかし、おしながきは出店するスペースの顔となる部分のため、できるだけこだわって印刷しましょう。では、同人誌印刷会社におしながきの印刷を依頼することにどんなメリットがあるのか、ご紹介していきます。
■豊富な用紙の中から選べる
通常の家庭用の印刷では広告やPOPさは足りず、遠目に見るとわかりにくいというデメリットがあります。一方、印刷のプロに依頼をすると、豊富な用紙の中から印刷を選べるのです。コストを抑えつつ美しい仕上がりができるマット紙、多くのサークルが活用している半光沢紙、繰り返し使うこともおすすめのソフトクロスなど、印刷会社で取り扱う紙の種類は豊富。とくにソフトクロスはコストがかかりますが、上質な布ポスターとして仕上がるので、作家やサークルに毎回固定されたテーマがあるならのぼりの意味合いで作っておくこともおすすめです。一気に一目を引くことができるので人気もあります。
■アドバイスを受けられる
家庭用の印刷とは異なり、同人誌印刷の専門家に依頼をすると、ご自身のデザインと用紙がマッチングするかどうか、アドバイスをもらうことができます。例として、用紙選び一つで発色が上手くできないこともあります。今回のテーマがダーク系な配色なら、マット紙では相性が合わず思っているようなダークな色が演出しにくいという可能性があります。用紙にもそれぞれ個性があるので、専門家に相談をしながら作ることがおすすめです。
■サイズの拡大にも対応できる
たとえば、今回は少し大きめのおしながきを、とご検討の場合はご家庭用のプリンターでは印刷ができない可能性があります。しかし、印刷会社は用紙のサイズに関してもさまざまな種類を用意。さらに、作ったデザインの拡大に関しても対応しています。比率の調整やデータの拡大を誤ってしまうと、せっかくのデザインのバランスが狂ってしまうことも。専門家にお任せすることで入稿後はスムーズに印刷まで対応してくれるので安心です。
■加工にも対応できる
おしながきが完成しても、自立させたりカバーをつけたりするなど、自身で作る場合にはアフターフォローの工程を行う必要があります。しかし、同人誌印刷会社はこうしたフォローも適切です。依頼をすれば、ラミネート加工やパネル加工なども行ってくれるので、仕上がり後すぐに当日使える状態で手元に届きます。ご自分で細やかな加工はしなくてよいので楽チンです。
■個性が目指せる
豊富なデザイン・サイズを組み合わせておしながきを完成させれば、他の出展者とは異なるおしながきに仕上がります。背後に飾る、テーブルに飾るなど、飾りたい場所に合わせてベストなサイズやデザインを専門家監修の下で作りやすいので、同人誌印刷会社に依頼をするメリットは大きいです。とくに初めて同人誌即売会に出店する方は、まだリピーターがいない状態です。少しでも個性が伝わるようなおしながきを専門家に依頼をして作ってみてはいかがでしょうか。
この記事では同人誌のおしながきの作り方や、印刷会社に依頼した場合のメリットに焦点を当てて解説しました。作家・サークルの方々にとっては作品作りも大切ですが、いかに販売力をアップさせるかも手腕の見せ所です。ぜひこの次の販売会には、オリジナルの素敵なおしながきを作って飾ってみましょう。印刷についてはアドバイス・用紙の種類や加工に実力のある印刷会社へのご依頼がおすすめです。