小説の同人誌印刷で気をつけたい余白のコツ
小説の同人誌を作るために大事なことは、もちろん内容の充実が一番大切なのですが、見た目に美しくかつ魅力的だということは、内容と同じぐらい重要なことです。表紙や中の紙の質も選ばねばなりませんが、本文のフォントと文章のバランスが求められます。その中で余白はページ全体を見た時の印象に大きく関わるので、十分に配慮したいものです。
小説同人誌を自分たちで作る魅力
折角せっせと書いた小説ですから、本を手に取った人たちに気持ちよく読んでもらいたいという願いはみんな同じです。 そのために本の全体の第一印象はとても大切です。それと同時に自分たちの個性を本全体の見た目でアピールできることはとても幸せなことです。
小説の中身、ひいては作者の個性を表すためにも表紙の紙質と本文の紙質を選ぶことは大切ですし、自分で好みのものを選べることは重要です。 ただし、セット価格になったものから外れて好みのものを選ぶと少し予算をオーバーしてしまうかもしれません。 今はオンデマンドなら1冊からでも印刷が可能なので、少部数からでも大丈夫です。これならごく身近な人たちに読んでもらうために発注できるので、大変便利です。
オフセットなら、30冊ぐらいから注文できます。印刷部数は数が多くなるほど、1冊にかかる費用は抑えられます。 折角小説を書いたのだから、大勢の人たちに呼んでもらいたいのは当然です。予算と相談して、なるべく多くの部数を印刷したほうがお得感はあると思います。
同人誌を作るうえでの余白の重要性
先にも述べましたように、本文の余白は重要です。 紙の端までぎりぎりに印刷されていると、大変読みづらいものです。そして、見た目の美しさも損なわれます。 何より、印刷して製本の段階で、紙の端を機械で裁断しますが、その時にあまり紙面一杯まで文字があると、下手をすると文字部分まで切り落としかねません。
余裕があると紙面もきれいに揃えることができます。 それを考慮して、ある程度の余白は前もって作るべきです。 余白はそのように実務的にも大事ですが、余韻や余裕、空白の持つ心地よさにもつながるものなので、是非、今一度工夫して文字の大きさや字数などを見直してみてください。
きっと最適なバランスに出会えるでしょう。そしてそれが本の美しさとページを開いた時の心地よさにつながっていきます。 単に1ページを眺めるだけではなく、本全体、1冊をパラパラめくった時の印象も考えて余白を見直すことが非常に大事なことです。 時間があれば、本文を推敲することと同じぐらいの余裕をもって、少し時間をあけて見直すと理想の余白が見つかるでしょう。
理想の同人誌のでき方を探ってみる
同人誌を発行するのにはもちろん資金が必要になります。 ですが、必ずしも多額をつぎ込んだからといって理想のものができるわけでもありません。 表紙の雰囲気はとても大事です。見た目はもちろん、実際に手に取った時の感触、印象も人によってさまざまですが、やはり発信する側からの気持ちが伝わることが一番です。
日頃からいいなと思う表紙や、表紙以外の紙との出会いも気をつけてみていると、自分を伝えるのにふさわしいものに気づくことがあります。あまり特殊な紙質ですと、印刷会社も対応できないものがあるかもしれませんが、普段気にするのとしないのとでは違ってきます。
紙の色目も、少しの濃い薄いでずいぶん印象が違ってくるでしょう。手に取った人たちはそれほど意識しないかもしれませんが、そういう全体から受ける印象というものは、知らずに人の中にも入り込んでくるものです。丁寧に選んで作ったものは、伝え手の気持ちを受け手側にちゃんと送ってくれますし、それが小説の中身とマッチしていれば最高な本ができあがります。
推敲が本の命につながる
書き上げたら一刻も早く読んでもらいたいのが人情ですが、せっかく作り上げた作品ですから、丁寧に推敲したいものです。 作品の内容はもちろんですが、勢いこんで書き上げたものに誤字脱字はある意味ついて回ります。 どんな素敵な小説でも、誤字脱字が一文字あるだけで台無しになってしまいます。
自分の目で見ることは自分の脳で確認することですから、間違いに気づかないこともあるでしょう。 思いこみで読み直すので、なかなか間違いに気づかないのです。そこで、頭の中を新しくして推敲することが非常に重要となります。
印刷に回す前に、他人に読んで貰うのもいいかもしれません。そのうえで自分でもじっくり読み直してみると、誤字脱字だけではなく、少し書き足したり、あるいは削ったりするほうがよいと思うことがあります。ここは時間との相談なのですが、なるべく推敲の時間は余裕をもって複数回行うことをおすすめします。 推敲でその前より悪くなることは少なく、よい作品になる可能性が高まりますので試してみましょう。
余白のコツについてのさらに付け足し
余白の重要性は先にも述べましたが、ここではもう少し深くみていきましょう。 余白といえば本文の上下左右の空間のことを一般的にいいますが、行間の空け方も体裁を整えるうえで非常に重要であり、文字と文字の間にも同じことが言えます。 これは実質的なピッチと行間のことではなく、ページ全体を見た時にあたえる印象のことです。
例えば、漢字が一面にならんでいると、息がつまるような印象を受けることでしょう。逆に、ひらがなばかりだとスースーと風通しが良すぎる印象を受けます。 小説の内容とも繋がるものなので一概には言えませんが、漢字とひらがな、句読点の数、そして改行などのなせる印象のことです。
そういうものの受け手の感じとりかたは、もちろん人によりそれぞれですが、見た目が読みやすいということは、発信する側にとっても大事なこととなります。 漢字が詰まっていると印刷された漢字はどうしても太く大きい印象をあたえますので、できうる限り完成をイメージして、全体のバランスに配慮されることをおすすめします。
自分と相性のよい印刷屋さんとの出会い
今はwebですべてのやり取りができるので、迅速かつ正確に内容を発注できます。とても便利ですが、顔を見ない分思わぬことが起きるかもしれません。 それでも細かいところは業者側も発注者側もお互いの意思の疎通が大事です。 同人誌でも小説を扱いなれているところは細かい注文も理解してくれます。慣れていることは大きな強みです。
そうでないところも相談すればいい発見があるかもしれません。気長に探してぴったりのところに出会えれば大変うれしいことです。何よりご自分との相性が大事だと思います。 印刷にはオフセット、オンデマンドなどの方法があり、それぞれの利点があります。
最小のロット、価格、早さ、丁寧さ、いろいろ検討するなかできっといいものに出会えることでしょう。 評判を聞いたり読んだりすることも大変参考になります。 もしも一時的な利用だけでなく、継続的に利用するなら、いろいろな方面からメリット、デメリット、そして相性を考えてみてください。 それぞれにいいところがあるので、ご自分の理想に近いものに出会えればいいですね。
小説の中身を届けたいだけなのに大変面倒なことが色々あります。プロの小説家ならば、すべてを専門家に任せて書くだけの側に立てばいいのですが、アマチュアは違います。 同人誌の良いところは、そのすべてに自分たちが関われることであり、自分で自分をプロデュースできるのはとても幸せなことです。 自分の理想を形にし、いい同人誌を作り上げましょう。