同人イベントに参加するなら知っておきたい守るべきマナーとは?
同人イベントに参加する際には、決まりではないけれど基本的なマナーやルールについて知っておくことでよりイベントを楽しめます。ローカルルールを知らなかったせいで、見知らぬ人に怒られたり出入り禁止といわれたりすることもあります。ここでは同人誌を購入する際・一般参加の際・イベント終了後のマナーについてご紹介します。
同人誌を購入するときのマナー
イベントに参加し、同人誌を購入する際のマナーを事前に確認しておきましょう。
■おつりがないように
イベントに出展している参加者たちは、個人でスペースを確保しているため、お会計がスムーズにできるレジスターなどがあるわけではありません。そのため、お釣りもたくさん持ってくることができないので、できる限り相手に負担を与えないように小銭を多めに持って行くことをおすすめします。コンビニなどでも1万円が嫌がられることがあるように、同人イベントで1万円札を出すことは避けたほうがいいでしょう。
■立ち読み
自分のお気に入りの同人誌が見つかると、ついつい長く立ち読みをしてしまうかもしれませんが売る人に迷惑が掛からないような行動をしましょう。見本誌は読み込むのではなく、作風やジャンルが自分の好きなタイプかどうかを確認する程度にさらりと確認しましょう。
同人誌は作者の子どものような存在ですので、手に取る際には丁寧に扱うことも忘れてはいけません。戻す際にもお礼の一言を添えるといいでしょう。中身を見た後で、自分の好みではないこともあるかもしれませんが、その場で作品に対する非難はやめましょう。
■身分の確認
成人向けの要素が強い同人誌を頒布している場所では身分証明書を提示する必要があります。「18禁」や「成人向け」と表記のある作品は、その年齢に満たない人は購入できません。もし年齢を偽って購入した場合には、購入した人ではなくて制作・販売した人が責任を問われます。作者を守るためにもマナーは守りましょう。
■値切らない
1冊当たりの値段を明記しているにもかかわらず、3冊購入するから値引きしてほしいと交渉する人も中にはいますが、それはマナー違反です。同人誌はほとんど利益がない価格設定がされていることが多いため、値引き交渉をされると販売側は困ってしまいます。情熱を注いで制作している作品であることを尊重して失礼な行動は避けましょう。
一般参加するときに気をつけたいマナー
自分がイベント参加側でない場合、気楽に会場を見て回ることができますが、一般参加の場合の心構えについて見ていきましょう。
■挨拶や差し入れ
お目当ての作家がいる場合、イベント参加時にいろいろと話を聞きたいという思いはあるかもしれませんが、あまり長く居続けると迷惑をかけることもありますので注意しましょう。頒布の邪魔になったり、他の人との交流を妨げてしまったりすることもあるので気をつけましょう。
必ず伝えたいメッセージがあるのなら、事前に手紙などにまとめておくことをおすすめします。差し入れは好き嫌いがわかれるようなものや生鮮食品、割れ物などは避け、万人受けするお菓子などがおすすめです。イベントで差し入れがあまることはほとんどないので、少し多めに準備しましょう。何を選ぶべきか悩む場合には、作品の感想や応援メッセージを書いた手紙を持って行きましょう。
■取り置き
同人イベントは多くのサークルが集まるので、欲しい頒布物も増えてしまいがちです。時間が限られているのでできるだけ多くのサークルを訪問したい気持ちはわかりますが、慌ただしく見るのも失礼に当たることがあります。取り置きをしておいてくれるサークルも多いので、もし目当てがあるようであれば積極的に利用しましょう。後からゆっくり受取りに行けば、作家さんとも会話ができます。
■頒布行為
イベントでは一般参加者の頒布行為は禁止されています。サークル参加者は参加費を払ってイベントに参加しています。一般参加の場合、自分の同人グッズを配ることもできませんので、どうしても自分のグッズなどを配りたい場合には参加者になることが必要です。
■頒布物の取り扱い
作家やサークルにとって作品は大切な商品です。印刷の際には紙質や印刷方法などこだわりをもって制作しています。頒布物のうえに物を置いたり、手にした頒布物を雑に扱ったりすることがないように気をつけましょう。
■写真撮影
同人イベントに初めて参加する場合、すべてが目新しくてあれもこれも写真を撮りたくなってしまいますが、基本的に同人イベントでは会場の撮影は禁止されています。コスプレエリアでは撮影可能ですが、撮影する場合にはひとこえかけてから行うようにしましょう。
また、好きなキャラクターの格好をしているからといって過度なボディタッチはやめましょう。同性や知り合いだったとしてもNG行為です。写真は許可されていないエリアや休憩中に撮影することも禁じられているため、マナーを守った行動を心がけましょう。
■購入本
暗黙の了解として知られていますが、同人誌を公共の場で開くことはタブーとされています。文化の違いで同人誌文化を受け入れられない人や二次創作を好まない人もいるのがその理由です。
また、〇〇のファンのマナーが悪いといわれることで、作品の評判を悪くすることにもなりかねません。作品のためにもマナーは守りましょう。帰りの移動中に買ったものを見たい気持ちはわかりますが、家に帰るまで楽しみは取っておきましょう。
■長居は無用
従前からSNSなどで交流のある作家とファンとの交流の場でもあるイベントなので、実際に会うと話もついつい長くなってしまいがちです。知った人同士で仲よく話していると、他の来場者がブースに近づきがたく感じてしまうこともあります。また、通路をふさいで迷惑になることもありますので、ひとつのブースに長居することは避けましょう。
イベントが終わったあとのマナー
イベントの撤収が完了して、会場をあとにしたらそれで終わりではありません。次のイベントにつなげられるようアフターフォローが必要です。
■お礼
イベント開催中は立ち寄ってくれた人ひとりひとりに丁寧に接する時間はなかなかありません。終了後にはSNSなどを利用してイベントが成功したお礼を伝えましょう。イベント後にこのようなあいさつがあるかどうかで、サークルの印象も変わってしまいます。差し入れをいただいた人にもメッセージを送って、お礼を伝えるようにしましょう。
■通販などの告知
会場での頒布だけでなく通販を行っている場合には、終了後に告知しましょう。その際に会場で買う場合との金額の違いや販売期間や受付サイトなどの詳細をお知らせします。次回のイベントが確定している場合にはその旨も告知しましょう。
■購入したものをアップしない
イベントで購入したものをアップすることはNGとされています。自分発信のみで自分の作品を広めたいという作家さんもいるため、意思を尊重しましょう。
■反省会
終了後はなるべく早く反省会を開いて、よかったことは次のイベントでも続けるようにし、改善すべきことがあればまとめておくと次回に活かせます。
同人イベントは自分が楽しめればそれでいいというものではありません。さまざまな人がかかわることで自分も楽しめているという意識を忘れずに、マナーやルールをきちんと守って迷惑をかけることがないようにしましょう。誰もが楽しめるイベントにするために自分も参加者の一人という自覚を持って、周りへの配慮を忘れずに参加しましょう。