おしゃれな同人誌を作りたい!特殊印刷で世界に一つだけの同人誌を作ろう
同人誌の作成を検討している方の中には、「自分だけのオリジナルの同人誌を作りたい!」と考えている方も多いでしょう。特殊印刷を活用することにより、普通に印刷するよりも魅力的に仕上げることが可能です。そこで、この記事では特殊印刷やオプションの種類について紹介します。同人誌制作を検討している方は、ぜひご一読ください。
特殊印刷やオプションの種類
ここでは、同人誌を制作する際に依頼できる特殊印刷やオプションの種類について紹介します。
■PP加工
PP加工とは、印刷された用紙に透明なフィルムを圧着させ、表面を保護する加工のことです。使用するフィルムの種類によって印象が変化し、「クリアPP」では光沢が鮮やかに、「マットPP」ではつや消しをしたような落ち着きがあるマットな風合いに、「ホログラムPP」では光の当て方によって模様がさまざまな色で見えるようにそれぞれ仕上げることができます。一般的に販売されているコミックや雑誌などにも多く使われており、カバーや帯、フランス表紙、本文が100Pを超える際には、料金が変更することがあります。
■箔押し加工
箔押し加工とは、金属製の凸版を使用し、熱と加圧によって金・銀・色箔の文字や絵柄を転写する特殊印刷のことで、「ホットスタンプ」と呼ばれることもあるようです。箔押し加工の最大の特徴は、メタリック感のある色や質感を表現できることであり、高級感や上品さを演出することも可能です。また、作品の雰囲気に合った箔色を使用することによって、タイトルやデザインを豪華に演出することもできます。
■トムソン加工
トムソン加工とは、表紙用紙を特定の型に切り抜く加工方法です。通常の断裁を行う場合、直線に切り抜くことしかできませんが、トムソン加工であれば丸型やハート、ダイヤ型などさまざまな形で切り抜いて下の印刷が見えるように演出できます。レイアウト次第で可能性は無限大に広がり、デザインによっては人の目を引くユニークなものまで作り上げることが可能です。
また、依頼する業者によって、オプションで自身のオリジナルデザインや絵柄の切り抜きにも対応しているところもあります。ただし、トムソンの切り抜き指定が細かいものや鋭角があるデザイン、抜き面積が広い、表紙の強度が落ちてしまうものなどに関しては加工が困難な場合があるため、そのことを事前に了承したうえで依頼するようにしましょう。
■レーザーカット加工
レーザーカット加工とは、型を必要とせず、データに合わせてレーザーを照射し、紙を焼き切って形を切り抜く加工となります。トムソン加工と違い、複雑で細かなカットにも対応可能です。
■エンボス加工(凸加工)
エンボス加工とは、用紙の表面に文字や絵柄など浮き出させて陰影をつける加工のことです。エンボス加工を行うことにより、表紙に立体感が生まれ、格調高い高級感のあるイメージを演出できます。また、箔押し加工と併用することによって、さらにゴージャス感を演出することも可能ですが、加工を施すデザインによっては表面からでは目立たなくなってしまうため、依頼する際には注意するようにしましょう。
■デボス加工(凹加工)
デボス加工は浮き出し加工のエンボス(凸加工)とは反対に、用紙の表面の文字や絵柄などを凹ませて陰影をつける加工のことです。こちらもエンボス加工と同様に、平らな表紙に立体感が付くため、高級感のあるデザインを演出できます。薄い用紙には向かない加工であり、用紙や印刷されている絵柄によって、デボス加工が目立たない可能性があるため、依頼する際には注意してください。
■空押し加工
空押し加工とは、凸版で紙の上から圧力をかけて文字や模様などを施す加工のことです。箔材は使用せずに、プレスのみで表面に凹凸を付けていきます。デボス加工のような両面プレスではなく、片面のみにプレスを行うため、加熱した部分の色が変わる用紙「OKムーンカラー」や「OKフロート」への加工がおすすめです。
「OKムーンカラー」や「OKフロート」は、空押しされた部分だけが平滑になり、薄く色味が付いたように見える特殊な用紙であるため、空押しと組み合わせることで、より魅力的に仕上げることができます。なお、コート紙やPP、マット加工を施した用紙に対しては、ほとんど効果が得られないため注意してください。
予算オーバーにならないように注意!
同人誌制作を行ううえで、切っても切り離せないのが予算の問題です。特殊印刷やオプションを追加する際には、普通に印刷するよりもコストがかかってしまうため、「制作中についつい予算がオーバーしてしまった」なんていうことも少なくありません。そこで、予算内で同人誌を制作する際に知っておきたいポイントや、印刷会社の選び方について紹介します。
■印刷会社ごとに仕様を比較する
同人誌制作において、とくに重要といえるのが印刷会社選びです。会社によって得意な特殊印刷・加工、分野がそれぞれ異なるため、同じ仕様であっても料金が大きく異なる場合があります。そのため、制作したい同人誌のイメージや、付け加えたい特殊印刷・加工などが決まったら、同じ仕様で料金を比較しながら印刷会社を選んでいきましょう。
■部数を考慮する
同人誌の印刷料金は、部数を多く刷れば刷るほど、1冊あたりの単価は安くなる傾向にあります。しかし、部数を増やせばその分、料金が高額になるため注意しましょう。必要な部数と印刷料金のバランスを考慮するのは、同人誌制作において重要となります。
■特殊印刷・オプション、納期調整によって料金が変わる
印刷料金は同じ仕様であっても、印刷会社によって大きく異なります。料金の算定基準についても印刷会社によって異なりますが、一般的には基本料金を基準に、特殊印刷・オプションの追加、納期調整を行うことによって料金が加算されるようです。特殊印刷やオプションを追加するほど金額が上がっていくため、予算オーバーを回避するためにも、本当に必要なものだけを選ぶようにしましょう。
また、規定の納期よりも短いスパンで印刷可能なオプションを用意している印刷会社もあります。ただし、こちらも納期が短ければ短いほど金額が上がっていく傾向にあるため、予算とスケジュールを確認し、必要であれば活用していきましょう。
特殊印刷や加工を上手に使ってクオリティアップ!
同人誌制作では、手に取った際に感じる第一印象が大切です。表紙の部分に魅力を感じてもらえなければ、手に取ってもらえない可能性が高いでしょう。そのため、特殊印刷や加工を上手く活用し、魅力的なデザインに仕上げることが重要となります。
たとえば、先ほど紹介したエンボス加工やデボス加工を活用することによって、表面に立体感が付くため、高級感を演出することが可能です。これにより、他の同人誌とは異なる魅力が生まれ、普通に印刷するよりも確実に多くの人の目を引くことができます。他の同人誌と差をつけてオリジナリティを出したい場合には、特殊印刷や加工を駆使してクオリティアップを目指しましょう。
まとめ
ここでは、同人誌のクオリティを向上させる特殊印刷・オプションの種類や、予算内で同人誌を制作するためのポイント、特殊印刷の活用方法について紹介しました。特殊印刷・オプションを上手に活用することによってオリジナリティ溢れる同人誌の制作が可能であり、他の同人誌と差を付けることができます。「自分だけのおしゃれな同人誌を作りたい!」という方は、予算と相談して特殊印刷の加工を検討してみてください。