通販で売る同人誌の印刷スケジュール
同人誌も、コミケだけでなく様々な場所で販売されています。それだけ同人誌の人気が高くなっていると言えるでしょう。中にはプロレベルの人もおり、そのような人の商品は数多く流通しています。通販で販売する場合には、印刷をして通販サイトに掲載することが必要です。この場合にはどのようなスケジュールを立てたら良いのでしょうか。
まずは通販で販売する時期を明確にすること
同人誌を通販で販売するとなれば、販売する時期から逆算して印刷をする必要があります。刷る前の段階では当然同人誌が出来上がっていなければいけません。そこで、通販で販売する時期を決めることが最初に行われるべきことです。
販売する時期は基本的にいつでも良いですが、コミケ等の時期に販売しても良いかもしれません。コミケと同時に販売する理由は、一時的に同人誌が盛り上がるからです。コミケで購入したいけども購入できなかった商品や、あるいは購入しようか迷ったけども購入しなかった場合、もし通販で購入することができればその人たちにとって喜ばしいことといえます。
販売する時期は世間の盛り上がり具合に合わせることも大事ですが、場合によっては他の人とかぶらないようにすることも必要です。他の人と被ってしまうことにより売り上げが下がってしまうケースもあるからです。ある程度自分の名前が売れていない場合は他の人たちと同時に出しても良いですが、同人誌の世界の中である程度名前が通ってきたとすれば他の人とずらして販売しても売り上げに影響はないはずです。
刷るまでにかかる時間はどれぐらいか
同人誌を刷るといっても、すぐに印刷が完了するわけではありません。まず販売する時期から逆算しなければいけませんが、少なくとも印刷は3週間ぐらいかかると考えておいた方が良いです。
流れとしては、最初に出稿をすることが必要になります。出稿してすぐに業者から連絡が来るケースもありますが、概ねその日のうちにくるか翌日ぐらいには連絡が来るはずです。
ただ土曜日と日曜日は一切作業を行っていないところも多いでしょう。特に、同人誌の場合は小さな出版社にお願いするしかなく、そのようなところは週休2日制で土曜日と日曜日にスタッフが誰もいないことが多いといえます。この場合は月曜日まで待たなければいけません。そうすると、金曜日の夕方以降に出稿しても返事が来るのは月曜日の午前中か午後くらいになると考えておく必要があります。
受け取った旨のメールが来た後、1つ見本を刷ってくれます。刷るのにかかる期間はそれほど長くはありませんが、1日か2日くらいかかります。そしてこれを直接手渡しで渡してもらうか郵送をしてくれるかのどちらかになるわけです。
見本が来たらすぐに確認をする
見本を手渡されるわけですが、データで手渡されるケースは少ないといえます。これは、印刷会社によって異なりますが概ね実際の大きさを確認してもらうだけでなく質感を確認してもらうため現物が手渡しされるわけです。そのため、郵送か手渡しになると考えておけば良いです。 実際に現物を確認した時、問題点があるケースも少なくありません。これがデータ上で見直しをする場合との違いになります。
データ上で見た場合問題ないと感じたため出稿するわけですが、現物を見てみると意外なところに落とし穴があるケースがあります。例えば、描いた絵が途切れている場合などが考えられます。また1ページ足りないようなこともあるでしょう。 この場合にはすぐに訂正をすれば良いですが、期限ギリギリに確認をすると、販売する日に間に合わない可能性があります。見本が届いたらその日のうちに、または少なくとも次の日ぐらいには確実に確認するべきです。必ず訂正箇所があるものと考えて、慎重に見ていきましょう。
訂正をする場合はすべて1回で行う
見本を手渡されて完全に問題がなければ良いですが、多くの場合直す箇所がありそれを訂正しなければいけません。もし、紙サイズ等が違うことだけを直すならば、特にデータを送り返す事はないでしょう。紙のサイズだけ指定してもう一度見本を送ってもらえば良いです。
これに対してページが1ページ抜けている場合には1ページのデータを送信することが必要です。事前に送信方法を確認して、正しい方法で送信をすればすぐに新しいものを作ってくれます。 この点に関して、見本は要らないのでそのまま本印刷にかかってほしいなどと言うお客さんもいますが、普通は業者の方で完成品を送る決まりがあります。
業者のほうも、顧客が「送らなくても良い」と言って見本を送らなかったことがきっかけでクレームになることがあったからでしょう。このような問題が起こり得ることをよく知っており、トラブルを回避するため必ず修正するたびに見本を送るようにしています。
ここからわかることは、何度も訂正するのではなく直しは1度で済ませた方が良いことです。訂正は1回から2回ならば無料で行いますが、3回目からは5000円位かかることも少なくありません。
本印刷をしてから送られてくるまで
訂正が済み再び見本が送られてきた場合、もう一度見直してみましょう。多くの場合、一度見直したので問題ないですが疲れているときに見直しをした場合ミスを見落としている可能性もあります。このように、もう一度訂正して見本を送ってもらうとなれば、それだけで数日の時間をロスします。出稿してから2回ほど訂正をして見本を送ってもらえば、それだけで10日程度かかってしまうでしょう。
もし問題なければ、そのまま本印刷をしてもらいます。本印刷にかかる時間は部数にもよりますが5,000部未満ならば1日か2日程度でできます。通常同人誌の場合、1,000部も印刷する事は無いはずです。人気の人でない限り、500部未満になるケースが多く、この場合刷るのにかかる時間は半日程度になります。
つまり印刷に取り掛かってから完成するまでは1日もかからず、早ければ次の日に発送してくれるはずです。そして翌日到着であれば、印刷に取り掛かってから2日後には既に自宅に届いている可能性があります。ただ土日を挟む場合、刷るのは月曜日以降になるため少し時間に余裕を持っておいた方が良いです。
段ボールで大量に届く
印刷がかけられてそれが完了し業者の方から発送メールが来た場合、かなりの段ボールが来ることを頭に入れておかなければいけません。部数にもよりますが、段ボール1つに対して50部から60部程度しか入らないことを考えれば、500部印刷しただけで段ボール10個分になります。
これらを販売する場合には、見本の写真などを撮影することが必要です。基本的に表表紙と裏表紙そして中身の写真撮影をすることも必要です。中身に関しては全てを見せる必要はありませんが、数ページ画像を撮影してそれを通販サイトに掲載すると反応が良くなります。
また通販サイトで販売する場合には、商品の詳細なども書いておきたいところです。ページ数や厚さなどを書いておくだけでなく、どのような内容なのかを一言で言い表せるようにしておきたいところです。これらの作業は、慣れていなければ3時間から4時間ほどかかります。慣れている人でも、30分ぐらいの時間はかかるわけです。できれば本印刷をする前に知っておきたい作業の1つですが、この場合には見本が役に立ちます。
同人誌を通販で販売する場合、内容が出来上がってから3週間ぐらいかけて印刷や訂正などを繰り返していきます。販売する予定の日から逆算して、3週間前の段階で印刷業者を見つけその業者に出稿する必要があります。その後何度か訂正を行い、本印刷をかけ現物が届くまで待ちましょう。訂正が多ければ多いほど、本印刷までの時間が長くなってしまいます。