手に取ってもらいやすくなる!同人誌の表紙レイアウトの決め方とは?
同人誌を初めて制作して販売してみたものの、だれの目にもとまらず、手に取ってもらえなければ悲しい思い出となってしまうことでしょう。そこでこの記事では、手に取ってもらいやすい表紙レイアウトの決め方や種類、表紙のクオリティを上げる方法を紹介します。
同人誌の表紙やタイトルの配置に迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
同人誌の表紙レイアウトの基本的な決め方とは?
まずは「表紙のレイアウトの決め方がわからない!」という方のために、表紙レイアウトの基本的な決め方について解説します。表紙デザインやタイトルの配置は数種類ありますが、どのような同人誌を作るにしてもここからスタートしましょう。
テーマを決める
第一に同人誌のテーマを決めます。簡単にいえばジャンル分けです。
日常・エッセイ・歴史・動物・恋愛などさまざまですが、恋愛1つでも最近はジャンルが増えてきました。特定のジャンル・世代向けに同人誌を作るのであれば、表紙からそれがわかるように工夫する必要があります。
人によって気になるジャンルは違います。表紙を見てジャンルがわかる・わからないでは手に取ってもらう確率も異なるでしょう。表紙を見てどのようなジャンルに属しているのかがわかるようなタイトル・デザインを採用すれば、手に取ってもらいやすくなるのではないでしょうか。
漫画や小説のレイアウトを見て具体的にイメージする
同人誌でも書店で販売されている漫画や小説でも構いません。すでにできあがっているものを参考にしましょう。
気に入ったレイアウトを真似しても、イラストやデザインをそっくりそのまま使用しなければ問題にはなりません。同じテーマ・ジャンルの本の表紙レイアウトはどうなっているのか、デザインには何を起用しているのかをしっかりと見比べ、自身の作品の内容にマッチした表紙をイメージしましょう。
表紙レイアウトにはどのような種類がある?
表紙はデザインを含むイラストとタイトル・作者名で構成されています。これらをうまく組み合わせて特徴のある表紙をデザインしましょう。
デザインやタイトルの配置などを以下にまとめました。このほかにも種類があると思うので、さまざまな本を比べて面白いと思ったレイアウトを採用するのもよいでしょう。
イラスト
主役やヒロインなど、作品中に登場する主要人物を表紙にレイアウトします。2人以上表紙に書くのであれば、その関係性が一目見てわかるような構図がよいかもしれません。
内容とまったく関係ないようなイラストを表紙にすると読む人ががっかりしてしまうほか、SNS上で非難されることも考えられます。表紙は本の顔となる部分なので、内容と関係のあるイラストで構成しましょう。
シルエット
人物や風景をシルエットにする方法です。小説で登場人物を読み手に自由に想像してほしい場合は、こちらがおすすめです。
人物のシルエットは表情がわからず、本の内容が想像しにくいという特徴があります。デザイン性は高いですが手に取ってもらいやすいよう、タイトルを工夫して内容を想像しやすいようにしてみましょう。
風景写真
作品の内容を連想させるような風景写真を起用する方法です。ご当地モノであれば現地の風景写真を利用するのもよいでしょう。
観光地であれば観光協会が無料で使える写真を公開しているケースもあります。現地に赴いて写真を撮影するのも良し、無料の写真を利用するのも良しです。ただし、無料といえども運営局に一言断りを入れておく方がよいかもしれません。
表紙全体にタイトル
タイトルを目立たせたいときは、表紙全体にタイトルを配置します。余ったスペースにほかの情報を入れ込み、タイトルとデザイン・イラストのバランスがよくなるようにしましょう。
この際のイラストは小さかったり、半透明になったりしているケースが多いです。両方のバランスが崩れるとデザインがタイトルに埋もれたり、情報が散らかっていて見づらくなったりします。
タイトルを左右に分ける
タイトルが長ければ左右に分割してもよいでしょう。分割する部分は読みやすいように文節で区切りましょう。
たとえば「地球は青かった」というタイトルの場合「地球は」「青かった」と分割する人が多いでしょう。「地球は青」「かった」と分割する人はいません。
近年増えている異世界転生ものはタイトルが長い傾向があります。たとえば「前世では貧乏でしたが今世では豪華絢爛な日々を送っています」というタイトルの場合で考えてみましょう。
「前世では貧乏でしたが」「今世では豪華絢爛な日々を送っています」というように、接続詞や接続助詞の部分で区切るとすっきりとします。接続詞は「だから」「しかし」「それから」「ところで」などがあり、接続助詞には「~ので」「~でも」「~けれど」「~たり」などです。
背景に太字でタイトルを配置
デザインとタイトルの両方を印象付ける方法です。デザインにタイトルが埋もれてしまい、一見デザインを強調した配置に見えるかもしれません。
しかし、デザインを見た時に自然とタイトルにも注目するようなレイアウトになっているため、結果的にどちらも強調できるというわけです。
表紙レイアウトのクオリティをさらに高めるためには?
表紙レイアウトの基本的な決め方や種類を紹介しましたが、さらに表紙のクオリティを上げたいと考えている方に向け、表紙のクオリティを高めるために有効な手法を3つ紹介します。
フォントを工夫する
作品のイメージに合わせたフォントを利用し、タイトルとイラストを統一してみましょう。フォントによっては同じ大きさでもまったくイメージが異なります。
ゴシック体は線の太さが均一なので視認性が高く、統一感を与えます。ゴシック体は細くなると無機質でシャープに、太くなると力強く目立ちます。
明朝体は横線が細く縦線が太いのが特徴で、厳粛で上品な印象です。明朝体は細くなるとモダンで都会的、太くなると力強く重厚な印象になります。
コントラストを利用する
簡単にいえば明暗比を作ることですが、色の違いだけでなく、色が持つ温度や強度、形・サイズでコントラストを作ります。
寒色と暖色の組み合わせ、彩度を調整するだけでも可能です。デザインとタイトルを対比させることでメリハリが生まれ、ワンランク上の表紙に仕上がります。
デザインコンペを行う
デザインコンペを行い、気に入ったデザインに報酬を出して採用します。主に、自分のイラストを必要としない小説にはおすすめです。
個人で募集するデザインコンペは、フリーランスが利用するクラウドソーシングサイトにて募集できます。デザインコンペではデザインを募集し、応募された複数のデザインの中から好きなものを採用します。
当選者には採用報酬を支払いますが、落選してしまったデザインに対しては応募内容に「参加報酬あり」と書かなければ支払う必要はありません。
また、応募時に「選定確約」など、誰かが確実に当選されるという文言を付けていると、絶対にどれかのデザインを採用しなければなりません。気に入ったデザインがなくても当選者を選ばなければならず、報酬も支払わないといけないので無駄な費用がかかります。応募時に設ける条件には注意しましょう。
表紙レイアウトの基本的な決め方と種類、クオリティの高い表紙レイアウトの方法を解説しました。「すべて自分で仕上げたい!」と考えている方にデザインコンペは抵抗があるかもしれませんが、1つの方法として覚えておくのもよいでしょう。
表紙レイアウトの考え方は初めて同人誌を作る方でも、これまで何冊か制作してきた人でも悩んでしまいます。なるべく多くの情報を取り入れ、作品の雰囲気やテーマを具体的にイメージできるようになるとレベルアップできるかもしれません。