同人誌をネットオークションに出品したら違法になるの?
自身で描いた漫画やイラストをさまざまな方に楽しんでもらいたいと考えた時、ネットオークションへの出品を検討するかもしれません。ですがそのときは、著作権が問題となるので、罪に問われたくないのなら、違法になるかならないかをきちんと把握しておきましょう。
違法となる場合と違法とならない場合
同人誌にはいろいろな種類がありますが、何を作ったかによって、違法性が異なってきます。何を売ってもOKとなるわけではありませんが、何を売ってもNGでもないのでしっかりと知っておきましょう。
まず、自身でストーリーやキャラクターを考えた漫画やイラストは、当たり前ですが、まったく違法性はありません。ネットオークションに出品をしたとしても、誰からも問題視されることはないため、安心して売買がおこなえます。
もちろん、その作品に関する枕カバーやキーホルダーなどの作成したアイテムも一緒で、まったく問題なく売れます。誰からもケチがつかないように、完全なオリジナルであることを、説明欄に記載しておくとよいでしょう。
ちなみに、18禁として発表した同人誌を出品するのなら、カテゴリーはきちんと守らなければいけません。自分で考えたストーリーやキャラクターで問題がなかったとしても、カテゴリーが間違っていれば、出品を取り消されてしまう可能性があります。
しかし、自身が作ったものではなく、他者が作ったストーリーやキャラクターをもとにした、漫画やイラストや各種のアイテムを売る場合は気をつけなければいけません。それは、ほかの作家や出版社が著作権を持っている作品を利用して、何らかの作品を作った場合、それが自作であっても自由にはできないからです。それらは二次創作と呼ばれていて、正式な許可を取っていない限り、オリジナルの著作権を侵害する行為となっています。
そのため、誰かのアイデアを借りたうえで同人誌を作成した場合、違法性を完全に排除したいのなら、作家や出版社から許可を取る必要があります。許可さえ取れば、権利はクリアとなるので、ネットオークションで出品したとしても誰からも文句はいわれなくなります。
ただし、作家や出版社から許可を取るのは、かなり難しい行為だと考えたほうがよいでしょう。現在では、作家がSNSをやっているケースも多いですし、出版社はほぼ間違いなくウェブサイトを開設していて連絡先を掲載しています。
しかし、そちらから直接問い合わせたとしても、よい返事がもらえない場合が多いです。したがって、許可を取ってクリアな条件で、ネットオークションに出品するのは、無理だと考えたほうがよいかもしれません。
許可を取らずにネットオークションに出品する方法
大手の有名なネットオークションを見ると、明らかに二次創作だと分かる同人誌が数多く販売されています。そのため、本当は許可など取らずに、出品しても大丈夫だと考える方もいるかもしれません。
しかし、それらのほとんどは、著作権を守らずに出品されていると考えたほうがよいでしょう。罪に問われないのは、著作権を持っている方に、見逃してもらっているからです。
日本には犯してしまうと警察に捕まってしまう罪もありますが、実害を受けたほうが申請しなければ罪に問われないものもあります。著作権も実害を受けた作家や出版社が訴えない限り罪にはならないので、同人誌を出品していても捕まらないのです。
多くの人が見逃してもらっているなら、『自分もやっても大丈夫だろう』と安易に考える方もいるはずです。しかし、グレーゾーンの中で、活動しているのですから、いつ訴えられてもおかしくありません。
ある日、突如訴えられて、著作権違反で多額の賠償金を支払わなければいけない事態もでてきます。訴えられたのなら、グレーゾーンではなく真っ黒な状態になるので、争ったとしても、ほぼ100パーセント負けることになります。
実際に同人誌を作って訴えられた方もいるので、どうなったのかもしも知りたいのなら、インターネットを使って調べてみましょう。なお、作家や出版社に許可を得ずに、著作権の問題をクリアして、ネットオークションに出品する方法もあります。
それは、著作権を持つほうが設定している『二次創作についてのガイドライン』を参考にすることです。きちんと、どの程度の二次創作まで許すのか、発表してくれているところもあるので、その通りにおこなえば問題になりません。ただ、『漫画やイラストはよくてもフィギュアは駄目』というようなケースもあるため、しっかりとガイドラインを読んで間違えないようにしましょう。
ちなみに、完全に禁止をしている作家や出版社もあるので、そちらもしっかりと確かめておいたほうがよいです。禁止されているのに、二次創作をしている方もいますが、訴えられたら必ず負けるためマネをしてはいけません。
現在では、許可してくれているところや、禁止しているところをまとめてくれた個人のホームページがあるので、印刷業者に仕事を依頼するまえにチェックしておきましょう。業者に頼んで、それなりのお金を出して、それなりの部数を印刷してもらうのに、他者に売れないのでは作った意味がなくなります。もし、明確に禁止しているところの作品で、同人誌を作ってしまうと、訴えられる確率が上がってしまいます。
買った同人誌をネットオークションに出品したい場合
自分で作成して売りたいと考えるのではなく、過去にイベントなどで購入したものを、ネットオークションで販売したい方もいるはずです。しかし、現在販売されている同人誌には、ネットオークションなどで販売することを禁止する趣旨が記載されているので、売るのは違法性がないか悩んでいる方もいるでしょう。
基本的に記載されているマイルールは法的には拘束力がないので、『売るな』と書かれていたとしても、売却してしまって大丈夫です。ネットオークションに出品をしたことが、作者にばれたとしても、相手は何もアクションを起こすことはできません。作者に訴えられて違法になることはないため、安心して読まない作品を売ってしまいましょう。
しかし、マナーという観点では、作者の意思を無視して、出品するのはおすすめできない行為です。あくまで感情の問題ですが、好きな作品ならば、作者が嫌がる行為はやめましょう。あまりにもひどいと、作者が作品作りを止めてしまって、二度と新作が手に入らなくなるかもしれません。
同人誌をネットオークションに出品したい場合、どのようなことがあっても著作権で問題とならないのは、自分自身でストーリーもキャラクターも考えたオリジナル作品です。
他者が権利を持っている作品を利用するなら、著作権に違反することで、訴えられる可能性があるのを知っておきましょう。ただし、許可をしているところもあるため、それらを使うのならば、売ったとしても違法に問われることはありません。
なお、著作権の問題は、イベントに参加をして、直接販売するときにも考えるべきものです。せっかく、好きな作品で二次創作をするのなら、誰にも迷惑がかからないように、著作権の問題はスッキリとクリアにしておきましょう。