初心者必読!小説同人誌の原稿の作り方とは
小説同人誌を初めて作成する人は、原稿の作り方などの形式部分の細かなルールや、小説に適した用紙サイズなどを事前に確認しておくことが重要となります。今回の記事では、小説の原稿の作り方や初心者におすすめの用紙サイズに加え、小説同人誌にかかる印刷費用の目安などを詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
注意しよう!小説の原稿の作り方
小説の原稿を初めて作る際は、注意点やポイント・ルールを正しく理解しておくことが重要です。
小説同人誌は基本的には本屋さんに並ぶ通常の小説のルールに則って作られるため、WEB小説のような横書きの小説とは形式が異なることを押さえておきましょう。ここでは、小説の原稿の作り方について、具体的な注意点を7つ紹介します。
基本の書き方を確認する
小説は国語の教科書と同じく縦書き・右綴じです。小説をWordやテキストエディタなどで書く場合には、文字列の方向を縦に設定してください。また、基本は縦書き・右綴じがルールですが、事情があって横書きで作りたい場合には、左綴じとなることを頭に入れておきましょう。
不要な改行を入れない
小説を書いていると、改行を入れる場所が分からず悩んでしまう人もいるでしょう。文の区切りとなる部分やセリフの後に改行を入れるケースも多いですが、同人誌では基本的に改行は不要です。
WEB小説の場合、セリフの後に改行が入るのはよく目にする書き方ですが、小説同人誌は通常、本屋さんに並んでいる小説と同じ形式を取るため、不要な改行は省いてください。
文の始めに字下げを入れる
小説のルールとして、文の始めは全角スペースによる字下げが必要です。WEB小説などでは字下げを取り入れていない作品も多いですが、小説同人誌として本を作る場合には必ず字下げを入れてください。また、字下げは鉤括弧などのセリフの前には不要です。
疑問符・感嘆符の後ろにスペースを入れる
縦書き小説のルールとして、疑問符・感嘆符として「?」や「!」を使用する際、後ろにも文が続くのであれば、全角スペースを入れる必要があります。
たとえば「いつ?どこで?」といったセリフの場合は「いつ? どこで?」のように全角スペースを入れます。疑問符・感嘆符の後に文が続く場合は、地の文かセリフかを問わず全角スペースを入れてください。
疑問符・感嘆符以外の記号は使用しない
基本的に、小説では疑問符・感嘆符以外の記号は使用しないのがルールです。具体的には、音符マークや星マーク、ハートマークなどが該当します。
ただし、アニメの原作などを元にした小説の場合で、キャラクターが語尾に音符マークや星マークなどをつけて話す設定であれば、記号を使用しても構いません。
濁点がつかない文字に濁点をつける場合は注意
驚いたセリフとして「あ゛っ!」のように、通常濁点がつかない文字に濁点をつけると、縦書きでは濁点が左側に寄ってしまい崩れて見えるケースもあります。
通常のフォントでは基本的に崩れて見えてしまうため、濁点をつける場合は「源暎こぶり明朝」というフォントを反映させるのがおすすめです。
完成する本のサイズに合わせて段組みをする
1ページに1段だけ文章が書かれている形式を1段組み、上下2段に分けて文章が書かれている形式を2段組みと呼びます。完成する本のサイズが新書や文庫サイズの場合、2段組にすると1文字あたりのサイズが非常に小さくなってしまいます。
2段組にするのはA5サイズまたはB6サイズの場合のみとし、本のサイズが大きくない場合は基本的には1段組みを採用しましょう。
おすすめの用紙・サイズは?
小説同人誌作りでは、用紙・サイズ選びも重要な要素です。用紙の種類・厚さ・サイズなどを適当に選んでしまうと、目が疲れやすい、ページをめくりにくいといった問題が発生する可能性もあります。
内容はもちろん、読む人が負担を感じずに読める本に仕上げるためには、用紙の種類にもこだわって小説同人誌を作成してください。ここでは、小説同人誌の作成時におすすめの用紙の種類・厚さ・サイズについて詳しく解説します。
小説同人誌におすすめの用紙の種類
同人誌作成の際には用紙の種類を選択できます。同人誌向けの用紙は大きく漫画用と小説用に分けられるため、小説用に作られた用紙を選択しましょう。印刷会社によっても取扱い用紙の種類は異なりますが、基本的には目が疲れにくいクリーム系の色味で、薄い用紙がおすすめです。
多くの印刷会社で使用されている「上質紙」は真っ白で漫画に適していますが、長時間読むことが想定される小説では目に疲れが溜まりやすいでしょう。小説の場合は「書籍紙」「淡クリームキンマリ」などが向いています。
小説同人誌におすすめの用紙の厚さ
同人誌の小説に使用される用紙は、それぞれの厚さによっていくつかの種類に分類されます。たとえば、小説に使用されることが多い「淡クリームキンマリ」の場合、厚さごとに62kg、70kg、90kgの3種類から選択可能です。
62kgがもっとも薄く、90kgがもっとも厚い用紙となります。適切な用紙の厚さは、小説のボリュームにより異なります。基本的には、本が薄い場合はよれにくくするために厚い用紙を、本が分厚い場合はめくりやすさ・開きやすさを重視して薄い用紙を使用するのがおすすめです。
「淡クリームキンマリ」では、目安として100ページまでであれば90kgの用紙、100ページ以上300ページ程度であれば70kg・62kgの用紙が向いているでしょう。
小説同人誌におすすめの用紙のサイズ
小説同人誌では、一般的にA5サイズ、B6サイズ、文庫サイズ、新書サイズが使用されています。同人誌でよくあるイメージのB5サイズは漫画本サイズであるため、小説には不向きです。おすすめはどの印刷会社でも必ず取り扱われているA5サイズです。
テンプレートの種類も多く料金も抑えられるため、同人誌の小説作りが初めての人、まずはあまりコストをかけずに小説作りに挑戦したい人は、A5サイズを選択するのがよいでしょう。
また、小説作りに慣れてきてある程度のコストもかけられる場合には、文庫サイズに挑戦してみるのもおすすめとなります。
小説を印刷するのにかかる費用は?
先述の通り、A5サイズと文庫サイズを比較すると、文庫サイズは印刷料金が高くなります。
ただし、料金の差ができるのは「A5サイズ用紙の印刷料金よりも文庫サイズ用紙の印刷料金が高い」ということではなく、文庫サイズは1ページの大きさがA5サイズよりも小さいため、印刷するページ数が増えてしまうことが原因です。
そのため、たとえばサイズ以外の仕様がすべて同じであれば、A5サイズも文庫サイズでも印刷料金は同額である印刷会社がほとんどです。
また、印刷料金はページ数だけでなく、注文から納期までの日数によっても大きく異なり、日数が長くなるほど料金も安くなります。
目安として、ある印刷会社でA6サイズの用紙を印刷する場合、同じ100ページ・150冊の印刷でも、3営業日での納品と10営業日での納品を比較すると、料金に3万円ほど差があります。
ページ数が増えて300ページになれば約7万6,000円もの差が出るケースもあるため、少しでも印刷費用を抑えたい場合には、納期までに余裕を持って印刷を依頼するのがよいでしょう。
まとめ
今回は、小説同人誌を作成する際に押さえておくべきポイントやルール、おすすめの用紙・サイズや印刷費用について詳しく解説しました。小説同人誌は本屋に並ぶ通常の小説に則って作るのが原則であるため、基本的には縦書き・右綴じで作成します。また、不要な改行をしないことや記号を使わないことなど、小説独自のルールについてもしっかりと理解して書き進めましょう。用紙選びの際は種類やサイズに加え、本のボリュームに合わせて用紙の厚さを選ぶことも重要です。また、印刷費用を安く抑えたい場合には、用紙サイズをA5にしてページ数を減らす、納期に余裕を持って依頼するなどの工夫が有効となります。小説同人誌の作成を検討している人は、今回の記事をぜひ参考にしてください。