同人創作におけるハーレム・逆ハーレムとは?どんな作品なのか解説!
創作の場で、ハーレム・逆ハーレムという言葉を目にすることはあっても、語源の意味について詳しく知らない方は少なくないはずです。作品を見てもハーレム・逆ハーレムがどういう意味なの知らないままだと理解ができません。そこで今回は、ハーレム・逆ハーレムの作品とはどういったものなのか解説。ぜひご参考にしてください。
ハーレムとは
そもそもハーレムは、アラビア語のハラームが語源とされています。その意味は、禁じられた空間、許されないものという意味で、男性の立ち入りを禁止した空間のことです。イスラム教で男女間の距離は保つべきといわれていたことから、男女間の接触を物理的に離したのがはじまり、女性だけの空間が生まれました。
その後、財力のある富裕層がハーレムを作り、女性を複数人はべらしていたため、ひとりの男性が複数の女性にもてはやされる様子を、そのままハーレムと示すようになったのです。
ハーレムの特徴
ハーレムとは、ひとりの男性が複数の女性にもてはやされている状態を指します。また、多くの女性から好意を受けるので浮気や不倫と思われがちですが、そうではありません。大抵は女性たちの間で、ひとりの男性に好意を持つことを公認していることが多く、争い合いがないとされることが多いです。
とくに女性側の心理として多いのが、ほかの女性を好きでもいいから自分も見て欲しいと思う気持ちです。よって、ひとりの男性が女性の好意を受け止め続けることで、女性間での争いはなくなるのでしょう。
ハーレムの呼び方がある
冴えない男性が、美少女たちに囲まれるさまを理不尽ハーレムと呼んだりします。このように、ハーレムの環境と状態を表した呼び方があるので、ハーレムにもいろいろな呼び方があるのです。
ハーレム作品にはさまざまな設定がある
ハーレム作品には、主人公の周りをただ囲っていくだけでなくさまざまな設定があります。同じような作品が多い中、差別化を図るために設定を加えるからです。たとえば、主人公のハーレムが気に食わない美少女が主人公に決闘を挑む作品もあります。
そのような作品は戦った後に、主人公の行動や言葉によって惚れ直し、ハーレムの輪に入るといった作品もあるのです。
逆ハーレムとは
ハーレムに対して、逆ハーレムというジャンルがあります。逆ハーレムとは、女性ひとりに対して、複数の男性が好意をもって囲う状態のことです。ハーレムとの違いは、女性と男性がハーレムとは逆の立場にあるところです。
たとえると、ゲームや漫画である主人公の女性ひとりに対して、イケメンキャラクターが好意的に囲んでいる状態が逆ハーレムとなります。逆ハーと略されることもあります。
逆ハーレムの特徴
逆ハーレムもハーレムと同様で、不倫や浮気と勘違いされることが多いですが、そうではありません。多くの同人創作品で、女性に好意をもつ男性キャラは個人の持つ魅力で女性を口説くことが多く、男性間でのいざこざは滅多にありません。そのことから、不倫や浮気といったマイナスなイメージを、逆ハーレムと一緒にしてはいけない理由となります。
同人界での逆ハーレムの特徴
逆ハーレムでは、女性が総受けの状態になりやすく、男性なら誰でもよいという負のイメージがつきやすくなります。総受けとは、どんなやりとりも受けの姿勢をとること。男性からの接触はほとんど受け身の姿勢なので、マイナスのイメージになりやすいのです。
ほかにも、逆ハーレムの作品には苦労をかける作者もいるため、時間軸をずらしたり、異世界ものにしたりと回避策が多い点も挙げられます。
逆ハーレムに分類される作品
こちらでは、逆ハーレムに分類される主な作品を紹介します。
桜蘭高校ホスト部
この作品は、特待生の庶民である女性主人公が、令息令嬢の集まる学校に入学するところから始まります。学校の中で静かに勉強できる場所を求めて、ホスト部の部屋にたどりつく女性主人公が、不注意で高額の花瓶を割ってしまい、イケメンの集うホスト部から借金をしてしまうのです。
そのことをきっかけに、イケメンたちとの交流が始まり、次第に男性キャラが女性キャラに好意を寄せる逆ハーレム作品となっています。
BROTHERS CONFLICT
この作品は、主人公の女子高生が父親の再婚をきっかけに13人の兄弟と同棲することになり、あくまで家族として振る舞う主人公の女子高生に対して、兄弟が好意を寄せはじめる作品です。
この作品のおもしろいところは、キャラクターに特徴的な個性があり、女性キャラへのアプローチがそれぞれ違うので、いろいろな視点から逆ハーレムを楽しめる作品となっています。
私がモテてどうすんだ
この作品は、腐女子で太っていた主人公が、あることをきっかけに激やせして男性キャラ5人にモテる作品になります。女性側は男性同士が仲よくしているところを見るのが好きなのに男性にモテてしまい、好意を寄せられてしまう場面がいくつもあり、困惑している様子がひとつの見どころになります。男性の頑張って振り向いてもらおうという行動や仕草にときめく人も多い作品です。
逆ハーレムの注意点
逆ハーレム作品を創作する上で、注意するべき点があります。その点を踏まえておけば、逆ハーレムがどのようなことを指すのかわかるようになるので参考にしてください。
女性優位じゃなければ逆ハーレムと呼ばない
男性が女性を下に見ていると逆ハーレムは成立しません。逆ハーレムとは、複数の男性がひとりの女性に好意をもって寄る様を指します。よって、男性が女性よりリードすることは逆ハーレムとは呼びません。
また、仮に女性側が複数の男性に暴行などで女性を優位に扱わない作品も逆ハーレムとは呼びません。あくまで逆ハーレムは女性側が上位の存在であり、男性側からも好意をもたれたうえで成立するのです。
逆ハーレムの楽しみ方は人それぞれ
逆ハーレムにもさまざまなシチュエーションがあり、作品ごとに楽しみ方が異なります。
男性が女性をボディガードのように守るような作品では、女性を大事に扱うシーンを多くして、女性目線で見る作品にしたり、男性同士の中を好意的に作った作品では、逆ハーレムと男性同士の恋愛両方の様子を楽しむために作成された作品にしたりします。このように、同じ逆ハーレム作品の中でも楽しみ方がそれぞれ違うのです。
逆ハーレムは女性向けと思われがち
逆ハーレムは女性向けのジャンルと思われがちですが、男性でもたしなむ人は少なくありません。逆ハーレム作品は、男性が女性に好意的なアプローチを仕掛けるシーンが多くあります。その中で、男性の心情を楽しんだりする人もいるのです。
逆に女性でも逆ハーレムに嫌悪感を抱く人も中に入るでしょう。このように、逆ハーレムは、女性だけが楽しむジャンルではないといえます。
まとめ
ハーレムとはアラビア語のハラームが語源となり、富裕層の男性が複数の女性を侍らせたことにより広まったものになります。不倫や浮気と勘違いされることが多いですが、ハーレムや逆ハーレムには条件があるのが特徴です。ハーレムは複数の女性が男性に好意を寄せることを女性間で同意していること、逆ハーレムは対象の女性に複数の男性が好意を寄せるさま男性間で同意していることが条件となり、どちらもひとりの恋愛対象者が優位でなければなりません。逆ハーレムの作品では、同じ逆ハーレム作品でもさまざまなシチュエーションがあり、違った角度で楽しむことができます。女性に対する男性の好意を頑張って寄せていく心情を楽しめ、男性も女性も楽しめる作品が逆ハーレム作品には多くあるといえます。