同人誌印刷業者は同人誌以外のグッズも印刷してくれる?
同人誌だけではなく、それに関連したグッズを求める人も増えています。そこで、あらゆるアイテムが作れるよう多岐にわたるサービスが展開されています。
ここでは定番グッズから少し意外なアイテムまで、個人で作れるバリエーション豊かなアイテムを紹介します。
冊子以外の紙媒体グッズにもさまざまな種類が
創作の代名詞とも言える同人誌は、小さな冊子の形になっていることがほとんどです。以前よりも創作への理解・需要が高まっている現在では、冊子以外の紙媒体グッズも多様化しています。
まず冊子の形状ですがB5ないしはA4サイズが一般的なサイズです。しかし業者によってはこれよりも大きいあるいは小さなサイズでの制作も可能です。フルカラーや白黒の違いは有名ですが、特殊装丁や特殊な紙を使っての制作も最近では人気を高めています。
また、表紙や装丁にもいくつかの種類があり、高級感を演出するなら箔押し、耐久性を高めるならPP加工、グッと目を引く見た目にしたいのならホログラム加工などをチョイスするのがベストです。中には表紙のみを印刷する業者もあり、自身で製本する場合や少量の制作で費用がかさんでしまうという場合には、こうした方法を選ぶのも良いでしょう。
表紙だけでなく、冊子そのものへの加工方法も充実しています。角を丸く削り取ったり、ポスターを織り込んでの加工、また本文が白黒であっても途中にフルカラーのページを挟み込むといった手法は広く知られているものです。
さらに本格的な仕上がりにしたい場合には冊子専用のケースやカバーを制作するのも良いでしょう。帯を付けたり、ペーパーバッグの制作も同時に行える業者は多く、またセット販売にすることによって料金が割引されている場合もあります。
個人でもさまざまなグッズ制作ができる時代
ここまでは冊子やそのオプション的なメニューについてご紹介してきましたが、実は同人誌の印刷業者は冊子以外のグッズ制作を展開している所が急激に増えています。最も有名なもので言えばクリアファイルやポストカード、またはポスターなどが挙げられます。
紙で言えばノートやメモ帳、しおりやカレンダーなどの製造も珍しくありませんし、ミニサイズをノベルティとして配布している人も多くいるでしょう。ノベルティといえば、キーホルダー・ポケットタイプのミラー・缶バッジ・ボールペン・下敷きなどの文具類の製造も盛んです。
最近ではスマホアクセサリー類の製造を行う業者も多く、バンカーリング(スマホ背面に取り付けるリング型アクセサリー)やスマホケース、ストラップなどが例としてあげられます。モバイルバッテリーや画面拭きなどを展開している所もあり、予算や販売したい価格帯によって使い分けができるというメリットは大きいです。
近年特に人気といえば、マスキングテープがあげられるでしょう。もともとは建築資材として利用されていたマスキングテープですが、簡単に剥がしやすく張り直しも可能という扱いやすさから、デコレーション資材としても人気を博しています。
そのため、オリジナルデザインのマスキングテープをグッズ化したいという声も多いようで、取り扱っている業者も多く見かけることができるようになってきたのです。
また、少し意外かもしれませんが飲食品をグッズとして製造している所もあります。キャンディーやマシュマロなどは、お菓子そのものにデザインをプリントすることができるので、パッケージを新しく作れるでしょう。どら焼きやまんじゅうなどに焼印を施すタイプや、アイシングでキャラクターを描くタイプもあります。
お菓子以外にもお米のパッケージやペットボトルのフィルム、食品を入れる缶へのプリントでオリジナルアイテム化を行っている所もあり、他とは被らない一線を画したグッズ作りには欠かせない存在と言えるかもしれません。
ちなみに、これまでアニメや漫画を始めとした一次・二次創作というのは男性層がメインだったと言えます。しかしながら現在は女性のボリュームも増えており、女性をターゲットとしたアイテム展開も活発になってきているのです。ネイルシール(爪にシールを貼るタイプのネイルアート)やバスソルト・石鹸といったバスケア用品、化粧品を移し替えて使うための詰替えボトルなども人気の商品と言えるでしょう。
こうした美容用品以外にもキッチンまわりのアイテムも多く見受けられます。マグカップやコースターなどは以前から定番アイテムとして知られていましたが、ワイングラスやタンブラー、食器やお弁当箱なども今ではメジャーな商品です。
特にタンブラーは中のデザインが入れ替えできるものが人気で、職場とプライベートとで使い分けたいと考える女性にはヒットしている商品といえるでしょう。
昔からの定番アイテムも根強い人気
昔ながらの定番アイテムもまだまだ根強い人気を誇っています。マグカップやトートバッグなどは利用者も多く、その分他の商品と比べて安価な料金設定になっていることもあるほどです。
特に衣類は特別感を演出するのにも効果的で、同人誌とあわせて制作する人も多く見受けられます。これまでは衣類と言えばTシャツ・ポロシャツ・パーカーなどが人気でしたが、現在はその種類展開も豊富です。エプロンやソックス、雨よけのポンチョやニット帽などでのオリジナルアイテム製造も好評。個人で作るのが難しいと言われていた抱き枕カバーや枕カバー、さらにはベッドシーツなどをフルカラーで製造できる業者も増えてきています。
こうしたアイテム類はロットでの受け付けだけでなく、個人向けに1つからでも対応しているという業者もあり、販売はしないけれど記念に作っておきたいという層からも利用されているようです。衣類以外で言えばタオルも定番品として以前から利用されてきました。
しかし今はフェイスタオルやマフラータオル、さらにはマイクロファイバータオルなど、素材も種類も選べる範囲が増えてきています。そしてさらに覚えておきたいのが、販売品そのものでなく販売をサポートする商品の制作を請け負う所もあるという点です。
展示に使うためのアクリルスタンド、大型のポップやのぼりなどの販売促進ツールを依頼できる所も珍しくありません。このように、現在は創作活動や販売活動において役立つさまざまなアイテムを依頼して製造してもらうことができるのです。いくつもの業者をまたいで注文するのではなく、同人誌印刷と合わせて依頼できるよう、業者の中でも幅広い展開を目指している所も多いと言えるでしょう。
その一方で「個人で少しだけ作ってみたい」「販売する程じゃないけど頼みたい」という声に特化して、少数注文を専門としている所もあります。付け加えて言えば、こうして制作したグッズを一時的に保管したり、販売当日に販売スペースまで運送するサービスを展開する業者も。
個々のニーズに合わせたさまざまなサービスが展開されているわけです。予算や時間だけで諦めずに、いくつかの業者をチェックしてみると、自分の希望を叶えてくれる業者を見つけられるかもしれません。
誰でもインターネットを使えば簡単に自分の作品を世界に発信できるようになり、今では大手出版社だけでなく個人での創作品にも注目が集まるようになっています。とはいえ、ファンからしてみれば「同人誌だけでなく他にもアイテムがほしい」と考えたり「もっと沢山の商品を購入したい」と考えるものでしょう。
これまでは個人でこうしたニーズに応えるのは難しかったのですが、現在ではそれほど難易度が高くないと言えます。自分の作品を好きだと言ってくれる人のためにも、またより多くの人に自分の作品を見てもらうためにも、グッズ制作・販売に力を入れてみるのはいかがでしょうか。