確定申告前に同人誌を印刷業者で印刷した際の注意点やポイントを知ろう
印刷業者に頼んで印刷した同人誌を販売する場合、利益が発生するため確定申告が必要になります。こちらでは、申告しなければいけない条件や、タイミングなどを説明するので参考にしてください。脱税をすると、税務調査をされて、滞納金を支払わなければいけない事態にもなり得ます。
確定申告が必要となる場合について
同人活動で自身の作品を売り、1円でも利益がでたら国に申告をしなければいけないというわけではありません。基準となる金額が明確にされているため、それを超えている場合確定申告が必要になります。
副業として同人活動をしているのなら、20万円を超えたとき主婦などで別途仕事していない場合やフリーランスとして同人活動をしていて、主な収入となっているのなら38万円を超えた場合に手続きが必要です。
しかし、条件の金額に達していなくてもそれなりに儲けた方は『国に申告しないのは不味いことなのでは』と考えるかもしれません。税に関することをきちんと考えるのはよいですが、実際問題としてまったく問題ないので安心してスルーしましょう。
それでも心配だと感じるのなら、自身が住んでいる地域の税務署に問い合わせてみるのをおすすめします。税務署は電話での問い合わせを受け付けているため、申告が必要な条件を聞いてみるとよいです。もちろん、国の仕事をしている税務署は、有料サポートをしているわけではないため、料金を支払わずに質問をおこなえます。
ちなみに、必要金額に届いていなかったとしても、確定申告することにはまったく問題はありません。もしも、次の年の同人活動の収入が増えそうで、手続きをする練習をしたいのなら送ってみるのもよいでしょう。ただし、送られたからには中を確かめなければいけないため、必要ないなら送らないほうが喜ばれるかもしれません。
なお、条件になっている20万円や38万円は、収入から経費をマイナスした所得の金額です。つまり、同人誌が大人気で、100万円分売れたとしても、経費が85万円ならば、所得は15万円となります。したがって、20万にも38万にもなっていないため、国に申告する必要はないです。もちろん、同人誌を印刷所で作ってもらったときの費用は、経費になるので、きちんと計算して売り上げから差し引くようにしましょう。
同人誌の印刷代を経費にするときは
確定申告の時期は毎年決まっていて、だいたいの場合、2月の中旬から3月の中旬までの約1ヶ月間となっています。これは、前年の1月から12月までの所得を申告するための期間なので、確定申告前の1月から2月中旬までの所得はまったく関係ありません。間違って含めてしまうと、支払うべき税金が変わってしまうので気をつけましょう。
なお、毎年12月におこなわれている、大規模の販売会イベントに参加するために同人誌を作成した方もいるでしょう。もしも、その作った作品が、すべて売り切れたのなら、所得の計算は簡単におこなえます。印刷費用を、売り上げからマイナスすればよいだけなので、なにも難しいことはありません。
しかし、1月になった時点で、売れ残りがある場合計算に気をつけなければいけません。経費にできるのは、売却できた同人誌の分だけなので、間違わずに計算をおこないましょう。例えば、印刷したのが30冊で、大規模の販売会イベントで10冊しか売れなかったとします。
そうすると、10冊の売り上げから10冊分の経費を差し引いて確定申告をすることになります。あとの20冊は売却できていないのですから、経費として考えることはできません。このポイントを間違えてしまうと、経費を多く計上してしまって、脱税行為になります。
なお、同人誌を作る場合に使った、道具も経費として計上できるので忘れないことが大切です。イラストを描くためにペンタブレットを購入したり、身体の動きを研究するために写真集を買ったりしたのなら、それも経費として含められます。
ただし、日常生活でも使っているのなら、すべてを経費にできるのではなく、利用しているパーセンテージしか申告はできません。例えば、家族も同じ時間だけ、趣味としてペンタブレットを使っているのなら、購入したときの50パーセントくらいしか経費にはできないです。
この割合を考えて経費を確定する方法は、按分と呼ばれていて、分かりにくいところもあります。パーセンテージを多くすれば税金を誤魔化すことになりますし、パーセンテージを少なくすれば損をしてしまうので、きちんと考えたうえでベストな数値を導きだしましょう。
なお、書類への記入方法が分からない場合は、インターネットで使える確定申告ソフトの活用を考えましょう。とくに、同人活動がそれなりの利益になりそうなら、記入方法が複雑になるので、分かりやすくしてくれるソフトはとても便利です。無料のソフトもありますが、有料のほうが機能が豊富なため、できることならお金を払って便利なサービスを利用するのがおすすめです。
確定申告をしないなら住民税には気をつけよう
確定申告する必要がない所得の場合は、国に手続きをする必要がないため、なにもしなくてもよいと考えるかもしれません。しかし、例え最低条件の20万円を超えていないとしても、住民税を納める義務はあるので注意しましょう。
つまり、所得税を支払わなくてもよかったとしても、住民税申告は必須になるので気をつけなければいけないのです。もちろん、住民税にも経費を計上できるため、同人活動で印刷所を利用した料金は収入からしっかりと差し引けます。住民税申告のための専用書類があるので、正しく記入して提出しましょう。
ちなみに、住民税の申告期間も、2月中旬から3月中旬まで約1ヶ月間が設定されています。なお、それほど重要ならば、確定申告している方も、住民税申告もしなければいけないと感じるかもしれません。しかし、国に所得を説明するには、片方を申告するだけで十分なので安心しましょう。
同人誌を売ったときの所得があるなら、まずは20万円や38万円など、確定申告をしなければいけない金額に達していないか確認しましょう。もしも、する必要があるのなら、作品を完成させるための印刷代やアイテム代は経費として計上できるので、売り上げから差し引くのを忘れてはいけません。売れていない分の同人誌は、経費として計上できないことさえ知っておけば、それほど困らずに国への手続きを終了させられるでしょう。
また、20万円や38万円以下の所得だとしても、住民税申告は必要となるので忘れてはいけません。なお、各申告に必要な書類は、国や地域が運営しているホームページを訪れればダウンロードできるようになっています。税務署を訪れればもらえますが、パソコンとプリンターがあるのなら、ホームページでゲットしたほうが早いでしょう。家庭用プリンターで印刷しても、提出するにはまったく問題ないので安心しても大丈夫です。