初めて同人誌の印刷を依頼するときによくある失敗
同人誌の印刷を依頼する場合、いくつか注意しておきたいことがあります。同人誌の印刷も決して安いものではないですから、しっかりと注意点も守ってうまく利用できるようになりましょう。たとえば、モノクロ、カラーのどちらにするかといった点は充分に気をつけて置きたいものです。ここではそんな注意事項について見ていきます。
もくじ
モノクロにするか、カラーにするか
初めて依頼する際に失敗しがちなのが色選定についてです。モノクロにすると安いものの、やはり平凡な仕上がりになってしまうことは否めません。もしも特徴的な同人にしたいならば、カラーにしてみるのもありです。多色にすると数割増しになるものの、やはり同人会場などでも他の人の目を引くことができます。
また、依頼する前に必ずサンプル品を提供してもらってください。実際のできあがりと自分が抱いているイメージが異なることもありますから、最初に試し刷りをしてもらいましょう。とくに大量に印刷してもらう場合にはこうした用心が必要になってきます。カラーの場合にはかなりできあがりとイメージが異なってくることもあるので、サンプル品をじっくりと分析することは大変大事です。
カラーと一口にいっても実はいろいろなものがあることもポイントです。たとえば、2色カラーなどもありますし、ラメなどを効かせることも可能です。中にはなんと3D処理ができるといった業者もありますが、こうした加工処理はそれだけコストもかかってきますから気をつけてください。
失敗することが多いのが同人の規格
同人誌の規格はじっくりと考えておくべきです。同人のサイズもA4からB5などいろいろありますから、どういったサイズの同人誌にしたいかは考慮しておくべきです。たとえば、A4の場合にはかなり大型になりますから、雑誌タイプの商品によく適しています。逆にB5は格安で作れますが、字面が小さくなって読みづらいこともあります。
どういったサイズを選べばよいかは依頼する同人の種類によっても変わりますし、文字量などによっても左右されてきます。とくにコストを削減しようとして小さい規格を選んでしまったために失敗する人が多いです。小さい紙面であればコストを削減できるものの、読みづらくて商品価値がなくなるということもあります。
これでは本末転倒ですから、いろいろなサイズを比較検討して最適な選択ができるようになりましょう。もしもこまったらA4を選んでおけばとりあえず無難ですし、A4を安価でやってくれる印刷業者も多いので選びやすいでしょう。特大サイズも依頼可能ですが、A4以降の規格は一気に価格がはね上がることもあるので気をつけておきましょう。
大量に印刷し過ぎて失敗してしまう
これもよくある間違いの一つです。初めて印刷業者に依頼する場合には、ついつい「いろいろな人が買ってくれるはず」と思い込んで大量に発注依頼してしまいがちです。しかし、かけ出しの作家の場合にはすぐに買い手が現れてくれるとは限りません。会場に持っていっても売れ残ってしまってどうにもならなくなることもあるでしょう。
依頼費も決して安いものではありませんから、こうした間違いはしないようにしたいところです。そこで大事なのが適切な依頼枚数の算定です。これは過去に販売した経験があるならば「前にこれだけ売れたから、次もこれだけ売れるだろう」と計算しやすいですが、そうでないならば少し厄介です。
おすすめなのは初めて売りに出すならば、100部を目安に依頼することです。100部ならばそこまでコスト的にも高くありませんし、充分な量でもあります。会場に100部以上も持っていくのも大変ですから、とりあえず100部印刷してもらうとよいでしょう。もしももっと必要になったら、次から増やせばよいだけですし、コスト削減にもなります。
印刷業者選びもしっかりとしよう
印刷業者は実に多様です。業者によっては特殊加工に長けているところもありますし、かなり凝った印刷にしてくれるところもあります。それだけにしっかりと業者選びをしておきたいところでしょう。しかし、安いからといって考えなしに依頼するのは余りおすすめできません。
安い業者はやはり価格相応であり「紙面がガサついている」「インクのニオイが酷い」といったように満足度も高くないのが通常です。やはり最初に依頼するならば、少し高くても実績があるような業者に依頼しておくべきです。何度も依頼することで要領もつかめてきますから、そうなったら注意しつつ安い業者を利用してもかまいません。
また、業者が返金対応しているかどうかも確認しておいてください。依頼後にイメージと違ったり不良品だったりした場合でも、業者により返金対応などしてもらえないことがあります。こうしたことで後悔するのは嫌なものですから、しっかりと返金対応保証などがある業者を選ぶのが安全でしょう。ネットショップによってはサンプル品を無料提供してくれるところもあります。
見積もりをいくつか出しておくべき
業者選びをしっかりとすれば成功もほぼ確実なものになってきます。それだけに業者を選ぶ際にはしっかりと見積もりをいくつかの業者に出しておくべきです。最低でも三つの業者に見積もりを出してもらうと、よりよい選択ができるようになってきます。見積もりを出してもらったら、見積もり書を見て疑問点も解消しましょう。
たとえば、使途不明金などがあったら「どうしてこんな費用がかかっているのか」と聞いておくべきです。依頼後は使途不明金などがあっても返金対応してもらえませんから、最初にじっくりと比較検討して選ぶことが大事になってきます。この際、安さだけで決めるのはやはり危険です。
むしろ満足度の高さや印刷品質の高さ等を重視しておくべきでしょう。おすすめなのはサンプル品を無料提供してくれる業者です。こうしたネットショップであれば事前にどのようなできになるのかわかって、後悔する可能性も激減してきますからおすすめです。どのような加工処理に対応しているのかといったことも比較しておけば、よりよい選択ができるようになってくるはずです。
追加発注などができるかどうかについて
依頼後に追加発注したくなることがあります。この際、業者によってかなり対応も異なってくるので気をつけてください。たとえば、業者によっては追加発注時には追加費用が通常の印刷費用以外にかかることもあります。こうした業者は何度も利用するのには向いていません。
他にも、印刷業者により無料で追加発注できることもあります。再依頼するとお得な料金で依頼できる場合もあります。はっきりいって、再依頼時の対応は違いが大きいので、この点も見積もり時に聞いておくべきです。見積もり時にわからないことは全部聞いておいて、不明点をなくしてから依頼すべきでしょう。
また、データが残っているかどうかもショップによって異なります。ショップにより依頼後はデータを完全消去してしまって、また原稿を送らないといけないことも。
一方、データを数年保存しておいてくれる業者もあります。個人情報の保護という観点もありますから、どちらがよいかはケース・バイ・ケースですが、これから依頼するショップがどのように同人情報を扱っているかは理解しておくべきです。
同人を作成する際にはいろいろな注意点があります。最初はよい業者を選ぶのも困難に感じるかもしれませんが、一度よい業者を見つければ後は楽なものです。同人仲間からよいショップを聞いてみるのもよいでしょう。いずれにせよ、業者選びが同人の質を大きく左右してくるものですから、この点で妥協しないようにしておくことが大事になってきます。