同人誌の印刷費は確定申告で経費にできる?
自分の好きな漫画や小説を同人誌として売り出す方もいらっしゃることでしょう。 本業の他に販売の利益があれば、確定申告を行わなければなりません。 その際、印刷費などは確定申告で、経費として扱うことが出来ます。 そのため印刷会社からの請求書はすべて保管しておきましょう。 印刷をした同人誌の保管場所代などの費用も経費になります。
もくじ
同人誌で印刷などにかかった経費は申告出来る
同人誌の作成販売を行った際に、利益が出た分に関しては確定申告を行う必要があります。 中には人気のある作家さんの場合だと、大きな収入になることもあるでしょう。 コミケなどでは、何億もの市場規模があるという同人誌の世界ですので、本格的な作品を販売されている方だと、かなりの収入になることもあります。
作成する際にかかった印刷代などについては、経費として申告を行うことが出来ますので忘れずに経費扱いにしておきましょう。 印刷費用の他に、コミケに参加する際の即売会参加費や取材費、資料費や自宅で作品を製作していた場合は電気代や通信費や家賃代などに関しても経費扱いをすることが出来ます。 そのため同人誌を作成されている方は、印刷会社からの領収書などは捨てずに必ず取っておく必要があります。
領収書を万が一失くしてしまった場合は、通帳などの印刷代の引き落とし記載が証拠となることもありますので、こうした引き落としの記録などはコピーをしてまとめておくとよいです。 レシートなども証拠となりますので、捨てずに取っておきましょう。
副業の場合は20万円を超えた場合のみ申告必要
平日はサラリーマン、副業で同人誌を作成しているという方もいらっしゃることでしょう。副業で作成している場合は、収入から経費を差し引いた利益が20万円を超えていた場合は、確定申告を行わなければなりません。 中には印刷代や紙代、資料や電気や家賃代なども含めることが出来ますので、こうした経費を差し引いて利益がいくらになるのかをきちんと計算する必要があります。
イラスト作成のために購入したペンタブレットや写真集などの資料などについても同人誌作成のための資料として扱うことが可能ですので、こうした領収書もしっかりと保管しておきましょう。 自宅で作品を書いているという方もいらっしゃることでしょうが、自宅で書かれている場合は日常生活で使用している分は申告出来ません。家賃代や電気代などについては、同人誌作成時に必要なパーセンテージ分しか申告しなければなりませんので注意する必要があります。 同人誌一本でフリーランスとして活動されている方の場合、同人誌の利益が38万円を超えた場合は確定申告をします。
在庫分の印刷費は計上出来ない
製作した同人誌すべてが売れれば嬉しいのですが、実際には売れ残りが出てしまうことがほとんどです。 その場合は売れ残った分に関しては印刷代を経費にすることが出来ず、売れた分だけの印刷代を経費として確定申告する必要があるので実に面倒です。
実際には、即売会参加費や交通費がかかっているため赤字計算なのですが売れ残りの印刷代を差し引くと、黒字計算になってしまい全く儲かっていないにも関わらず黒字として申告しなければならないこともあるので損した気分になるでしょう。
売れ残りの印刷代を差し引き、赤字か黒字かの計算をすることになりますので、副業で作品を製作されている方は、20万円の儲けがある場合は確定申告を行い、20万円の儲けがなかった場合は確定申告を行わなくてもよくなります。 ただし儲けが少しでもあれば、所得に関しては住民税申告をする必要があるので20万円以下の場合は確定申告を行わなくてもよいのですが、住民税申告をする必要がありますので、しっかりと申告を行いましょう。
会計ソフトを使えば申告も簡単
同人誌製作販売には、様々な費用がかかります。 毎年12月には全国的な規模のコミケなどが行われますので、大イベントとなることでしょう。この日のために普段から製作活動に力を入れている方もいるほどです。
製作した同人誌がこの12月の大イベントにすべて売り切れれば、印刷費用などの計算も簡単に行うことが出来ます。 売り上げから経費すべてをマイナスすればよいのですから簡単に計算を行うことが可能です。
しかし、 12月の末日の時点で売れ残りが出た場合は複雑になります。 何故なら経費にすることが出来るのは、売却した分だけですので、売れ残った分に関しては印刷費用などの経費を差し引いて確定申告を行わなければならないからです。
少数を製作されている方であれば、計算は早く終わるかもしれませんが製作数や販売数が多くなるにつれ計算が難しくなりますので、フリーの会計ソフトを利用するとよいです。 フリーで利用出来る会計ソフトなら、入力項目に入力をするだけで自動計算をしてくれますので素早く行うことが可能です。
印刷費用以外にかかった費用についても忘れずに
人気のある同人作家の場合だと、たくさんの部数の同人誌を発行することになります。印刷費用がかかる以外にも、他の費用も割高となるため頭を悩ませているのではないでしょうか。
その頭を悩ませる問題として製作した後の同人誌の保管場所です。 自宅で保管出来るのであればよいのですが、人気作家の場合だと大量部数を発行しなければなりませんので、レンタル倉庫を借りたり、少し広めの部屋を借りたりすることもあります。 こうした作品保管場所についても経費にすることが可能です。
レンタル倉庫を借りた場合は、一年分の領収書はしっかりと保管をしておき、申告の時期にはきちんと計上しておきましょう。 また広めの部屋に引っ越したという方は、作品保管場所として使用しているスペース、作品制作をしている場所分の家賃などを計算して計上することが可能です。
電気やエアコンなどの光熱費に関しても、同人誌作成で必要な割合分も仕事に必要な費用扱いすることが出来ます。 大人気作家の場合だと会社設立して、自宅とは別に製作事務所があるというケースもあるほどです。
申告不要でも住民税申告は忘れずに
趣味で作品を製作しているうちは、あまり儲けが出ないこともあります。 しかし儲かっている本格的な作家になると確定申告が必要なほど同人誌が売れることもあります。大手作家の場合はかなりの収益になることも珍しくないでしょう。
本業とは別に儲けが20万円以上ある場合は、確定申告をしなければなりませんし、同人誌1本で38万円以上の収入がある方の場合は、確定申告をおこなう必要があるので注意が必要です。 また収入があれば所得税を支払わなくても、住民税申告を行わなければならないこともあります。 住民税申告のための専用書類がありますので、忘れずに行う必要があるでしょう。 ちなみに申告期間は2月中旬から3月中旬までの期間ですので、この間に忘れずに行えばよいです。
確定申告と住民税申告は、両方行うというわけではなく、片方を申告します。 書類に関しては、国のホームページからダウンロードし、書類を郵送することが可能ですし、ネットから申請を行うことも出来ますので、自分のやりやすい方法で行うとよいでしょう。
同人誌製作に関する費用は色々なものがあります。印刷費用以外にも家賃、光熱費や作品を製作するための費用も経費扱いに出来ます。 売れ残りの作品に関しては、印刷費用を差し引く必要がありますので計算に注意しなければなりません。副業の場合は20万円以上、フリーの場合は38万円以上の利益があれば申告が必要になります。