同人誌通販とは?自家通販と委託通販のどちらがおすすめ?
同人誌の販売方法といえばサークルイベントや販売会が主流ですが、常に販売口を作っておきたいという人には、通販の利用がおすすめです。同人誌の通販には自家通販と委託通販があり、それぞれでメリット・デメリットが異なるため、内容を充分に理解して選択する必要があります。今回は、同人誌通販の2種類の方法について詳しく解説します。
自家通販のメリット・デメリット
自家通販の概要とメリット・デメリットは以下の通りです。
自家通販とは?
自家通販とは、個人で立ち上げたサイトや専用販売サイトなどを通じて同人誌を販売する方法です。
自家通販という名前の通り、作者が自宅から商品を発送するため、注文が入ったことを確認したら、自宅にある在庫から雑誌を梱包して発送します。
自家通販のメリット①:書店への納品手続きが不要
自家通販は自宅で在庫管理を行うため、書店へ雑誌を届ける必要がありません。在庫が切れるたびに納品を求められることもなく、面倒な納品手続きも不要です。
自家通販のメリット②:売り上げとして手元に残る金額が多い
自家通販は自身で販売を行う方法であるため、個人サイトを立ち上げた場合は、売り上げがそのまま手元に残ります。専用販売サイトを利用すれば決済手数料分が引かれるものの、委託通販を行うよりは手数料が安いため、手元に残る売上金は多くなります。
ただし、利用するサイトによっては、販売手数料が引かれるケースもあるため、手数料の種類や料率をよく確認しておくことが重要です。
自家通販のメリット③:複数のサイトで販売可能
自家通販の場合、専用販売サイトを利用していても、ほかのサイトに登録して商品を売ることが可能です。
委託通販では、1つの委託先でしか販売できないことがほとんどであるため、販路を複数確保しておきたい場合には、自家通販を選択するのがよいでしょう。
自家通販のデメリット①:宣伝効果が薄い
自家通販では、もともと作者のファンである人が買い手になることがほとんどです。専用販売サイトに登録すれば検索により表示されることはあるものの、作者や作品について知らない人の目に留まる可能性は低いと考えてよいでしょう。
自家通販のデメリット②:自身で梱包・発送をする手間がかかる
自家通販は自宅から商品を発送するため、梱包・発送作業を自分で行わなければなりません。梱包には厚紙や封筒、水濡れ防止用のOPP袋や気泡緩衝材などさまざまなアイテムが必要であり、これらをすべて自分で準備して梱包する必要があります。
また、コンビニや配送会社へ商品を持ち込んで発送したり、発送連絡や控えの管理をしたりするなどの手間もかかります。
自家通販のデメリット③:匿名配送できないケースもある
雑誌を配送する際は、自分の名前や住所を伏せて発送したいと考える人も多いでしょう。
しかし、自家通販では購入者の情報を匿名にすることは可能でも、送付元の名前・住所を伏せることは難しいです。同人誌の発行を周囲に話していない人にとっては、匿名配送できない点はデメリットとなり得るでしょう。
委託通販のメリット・デメリット
委託通販の概要とメリット・デメリットを解説します。
委託通販とは
委託通販は、委託通販や書店委託とも呼ばれます。書店のネット通販ページで同人誌を販売してもらう方法であり、委託先に販売にかかる作業を任せることが可能です。委託先の書店には委託手数料を支払います。
委託通販のメリット①:買い手とのやり取りや発送手続きを任せられる
自家通販では、買い手からの注文に対するやり取りはもちろん、梱包や発送などをすべて自分で行う必要があります。
しかし、委託通販では、委託契約後に納品を済ませれば、残りの作業はすべて委託先に任せることが可能です。販売にかかる手間を最小限にできるのは、委託通販の大きなメリットとなります。
委託通販のメリット②:多くの人の目に留まる機会を作れる
委託通販では書店のサイト上で販売が行われるため、同ネットショップ内で同人誌のほかにもさまざまな本を取り扱っているケースが多いです。
同人誌を目当てにショップにアクセスしたわけではない人や、作者や作品について知らない人にも、検索や宣伝コーナーから同人誌を見つけて、興味を持ってもらえる可能性があります。
自家通販では基本的には、その作者や作品を目当てにサイトを見る人が多いため、新規顧客を獲得しにくいですが、委託通販を選択すれば、これまで購入履歴のない、新しいファンを得られるチャンスとなり得ます。
委託通販のメリット③:自分の名前や住所を知られずに済む
委託通販では書店の倉庫から発送が行われるため、作者自身の自宅の住所や本名がばれてしまうことはありません。匿名で同人誌を販売したい人は、委託通販を利用するのがおすすめです。
委託通販のデメリット①:自家通販に比べて手数料が高い
委託通販は、さまざまな作業を代行して委託できる分、自家通販の専用販売サイトと比較すると手数料が高くなります。
販売に関わる作業の手間は最小限になるため、当然のコストではありますが、できるだけ売り上げを手元に残したい人にとっては、大きなデメリットとなるでしょう。
委託通販のデメリット②:専売契約が必要なケースもある
委託通販を利用する場合、委託先のサイト以外では、同人誌を販売しないという専属契約を締結しなければならないケースが多いです。
販売口を複数確保しておきたいと考える人は、専売契約の締結が必要ないショップを探すか、自家通販を利用するのがよいでしょう。
委託通販のデメリット③:販売開始にあたっての契約が複雑
委託通販先と契約を結ぶ際には、複雑な契約書類を何枚も記入しなければならない場合もあります。手続きが煩雑なのは契約時のみではありますが、何枚も書類を書くのを面倒に感じる人も多いでしょう。
自家通販をするのにおすすめのサイト
自家通販を始める際におすすめのサイトを2つご紹介します。
BOOTH
BOOTHは、サイト利用や運営のための料金なしで自家通販を始められるサイトです。BOOTHに支払うのは注文ごとに発生する売上金額×3.6%の手数料のみであり、購入者がいない期間はコストがかからないのも魅力です。
BASE
BASEは個人だけでなく、法人もショップを開設しているサイトであり、BOOTH同様月額料金などは発生しません。注文ごとに必要な手数料は、売上金額×3.6%+40円です。
メルマガ作成やセールなども開催できるため、自家通販の中でも本格的なショップを運営したい場合にぴったりのサービスです。
委託通販をするのにおすすめのサイト
委託通販を開始するのにおすすめのサイトを2つご紹介します。
とらのあな
とらのあなは、女性向け作品に特化した委託通販サイトです。とらのあなで作品を探す会員は250万人を超えており、より多くの人に作品を見てもらいたい人にはうれしいポイントとなります。
メロンブックス
メロンブックスは、男性向けの作品に特化した委託通販サイトです。全国展開されているアニメ専門店での作品の宣伝や、電子書籍作成の手続き代行といったサービスが充実しているのが特徴となります。
まとめ
同人誌の通販方法は、自ら在庫管理や購入者とのやり取り、梱包・発送などを行う自家通販と、委託先のサービス業者に在庫を渡して管理してもらう委託通販の2種類があります。
自家通販は委託通販よりも手数料が安いですが、その分販売にあたって多くの作業を自分でこなさなければなりません。
反対に、委託通販は在庫を預けることで、その後の手続きを任せることが可能であるものの、委託先に支払う手数料は自家販売よりも高くなります。自家通販と委託通販のどちらが向いているかは、作者の考え方や作品の売れ筋によっても異なります。
それぞれのメリット・デメリットをよく理解して、最適な方法を選択しましょう。同人誌の発行をしている人、通販による販売を検討している人は、今回の記事を参考にしてみてください。