Wordで同人小説を作るなら!おすすめの設定方法やテクニックを紹介
同人小説を書くときは、フォーマットの設定をどのようにすればいいのでしょうか。小説を書くときの設定は、文書作成の設定とは少し違います。この記事では、印刷会社で使われる一般的なフォーマットとしてWordを取り上げ、設定に関して詳しく説明しますので、参考にしてみてください。
同人小説を書くときのWord設定
Wordの設定は、基本的には印刷所の推奨設定に従いましょう。印刷所で推奨設定が決まっていることが多いため、従わなかった場合文字が切れるなど、弊害が発生するリスクがあります。
推奨設定を考慮しつつ、小説を見やすく表示するために、必ず設定したい項目について紹介します。
用紙サイズと余白の決定
文庫の場合は、サイズはA6が基本です。余白に装飾を行わない場合は、ページ設定でそのままA6を選択すれば問題ありません。飾り枠を付ける場合は、その寸法を考慮して、断ち切り文の余白を考える必要があります。
装飾ありの設定方法は、まず「サイズ」から「その他の用紙サイズ」を選択します。次に「余白」タブの中に余白を調整するウィンドウがあるため、適切な値を入力します。
余白の目安としては、10mmから15mmで設定するのが一般的です。基本的に、余白は多めのほうが読みやすいため、迷った場合は15mmに設定しましょう。
縦書きに設定する
縦書きの小説にする場合は、設定を縦書きにする必要があります。設定方法は「レイアウト」タブを選択したあと「文字列の方向」を選んで縦書きを選択します。
これだけでは、印刷方向が意図せず変更されて、横向きになってしまう場合がありますので、合わせて印刷の向きも縦に変更しましょう。
フォント
フォントは読者が直接目にする部分であり、とても重要です。フォントサイズとフォントの種類には気を配りましょう。小説のフォントサイズは8〜9ptが基本です。小さいフォントだと、文字が見づらくなってしまいます。
では、フォントは大きければいいのかと言うと、そうでもありません。大きなフォントは読みやすいですが、10pt以上だと文字が大きくなりすぎて、幼稚な印象を与えてしまいます。
シリアスな内容にはマッチせず、緊張感がなくなるため、フォントサイズにはこだわりたいところです。また、フォントはジャンルに合ったものを使用しましょう。
シリアスな物語にポップなフォントを使用していたら、期待していた雰囲気を感じ取ることができず、読むのを止めてしまうかもしれません。
ジャンルに合わせてフォントも変更すると、雰囲気が出て、物語の中に引き込みやすくなります。
Wordの中に入っていない個性的なフォントにしたい場合は、インターネット上からダウンロードし、PCにインストールする必要があります。小説は雰囲気が命です。フォントは雰囲気に直結する重要な要素ですので、こだわってみてはいかがでしょうか。
同人誌の見た目を整えるテクニック
小説の基本的な見た目は、以上の設定で終了ですが、市販の小説に近づけたいという場合に、知っておくと便利な設定があるのでご紹介します。
文字数と行数をそろえる
小説の見せ方にこだわる場合は、文字数と行数をそろえましょう。整然と文字が並び、スッキリとした印象を与えることができます。文字数と行数は、用紙サイズ選択から設定可能です。
「そのほかの用紙サイズ」を選択してから「文字数と行数を指定する」に移行し、好みの文字数と行数を設定すると終了です。
ページ番号を入れる
ページ番号を入れましょう。小説にはページ番号が振られていることが多いです。ページ番号が入っていることで、市販の小説に準じた、本格的な作品にすることが可能です。
設定方法は「挿入」タブの「ページ番号」から設定できます。下部中央に設定するのが一般的ですが、外側に表示させたい場合は追加の設定が必要です。
「ヘッダーとフッター」タブの「奇数/偶数ページ別指定」にチェックを入れることで、奇数ページと偶数ページで左右対称にページ番号を記載できます。
2段組み
2段組みは、文字数の多い小説でよく使われています。1ページの中で、文章を2段で表示しているのが2段組みです。「レイアウト」タブから「段組み」を2段にすることで設定できます。
数字の向き
通常設定では、縦書きの小説の中で数字が出てきた場合、数字も縦で表示されてしまいます。大きな桁を表す場合は、縦書きで表示させることもありますが、不格好な見た目になる場合は、ぜひ直したいところです。
文中で数字が縦に向いてしまうことを防ぐための設定は「ホーム」タブから、拡張書式ボタンを選択します。そこで「縦中横」を選択すると、縦書きでも数字だけ横に表示させることができます。
PDF抽出するときのポイント
ほとんどの印刷会社で、フォーマットはPDFで提出することを求められます。WordファイルをPDFに変換するには、Wordファイルを「名前をつけて保存」する際に「PDF」を選択する必要があります。
自分でフォントをインストールした場合は、ここで追加設定を行いましょう。保存前の画面の「その他のオプション」から「ツール」を押し「保存オプション」に移行します。
そして「ファイルにフォントを埋め込む」にチェックを入れます。これをしないと、フォントが崩れる、読めなくなるなどのトラブルが起こることがあります。必ず設定を行いましょう。
同人小説の印刷イメージを確認する方法
印刷業者への入稿前に、印刷イメージの確認は必須です。Wordの設定を苦労して行ったとしても、印刷が失敗することがあります。
事前に印刷イメージをチェックしておくことで、想定したとおりの出来上がりになるかが確認できるのです。ここでは、印刷イメージの確認方法を解説します。
PDFで確認する
PDFで印刷業者に提出することが多いので、PDFファイルで印刷イメージを確認しましょう。まず、Wordで保存するときの「ファイルの種類」をPDFのフォーマットで保存します。
保存したPDFファイルを開くと、PDFビューアーが表示されます。PDFビューアーでは、出来上がりに近い状態でレイアウトを確認することができます。
ページ番号は正しい位置にあるか、文字が変に切れていないかなどを、全ページにわたってチェックしましょう。
ページをめくったときの感じなど、ビューアーでなければ確認しづらいことを確認し、納得いくまで修正しましょう。時間はかかりますが、小説を良い状態で完成させるためには必須の作業です。
右とじに変更する
見開きの方向を変更しておくと、漏れを発見しやすいメリットがあります。標準では左とじですので、右とじに変更するときの設定を解説します。PDFビューアーの「表示」タブから「ページ表示」へ移り「見開きページ表示」にチェックを入れます。
「見開きページ表示で表示を表示にチェックを入れる」で表紙もまとめてチェックできます。「編集」タブから「環境設定」に進み「言語」の「デフォルトの読み上げ方向」を「右から左へ」に変更することで、右とじに変更されます。
まとめ
小説を制作する場合のWord設定について解説してきました。印刷会社によっては、Wordのテンプレートが用意されているところもあるため、印刷会社に従いましょう。
小説を見やすくすることが設定変更の第一の目的ですが、設定を突き詰めることで市販の小説の構成に近づくため、作る側も楽しむことができます。
余裕がある場合には、見出しをページ上部に加える、目次を作成するなど、市販の小説と同じ構成にすると、小説の質がいっそう上がります。Wordの設定を変更し、通常の文書作成とは違う設定で小説を制作してみてはいかがでしょうか。