印刷通販会社と印刷会社の違いとは?同人誌を印刷するならどっち?
同人誌を印刷する際、印刷をどこに頼めばよいか分からないという方も多いのではないでしょうか。同人誌印刷の依頼先には、大きく分けて普通の印刷会社と印刷通販会社の2つがあります。ここではそれぞれの印刷会社の特徴とメリット、同人誌印刷に印刷会社を選ぶ基準についてご紹介します。
印刷通販会社のメリット
印刷通販会社はインターネット上で印刷の注文をできるのが特徴で、近年は印刷のスタンダードなスタイルになりつつあるようです。ネット印刷とも呼ばれている印刷通販は、イラストレーターやフォトショップをはじめとしたデータ作成ソフトが普及し、印刷物の入稿データ作成が誰でも手軽にできるようになったことから広く使われるようになりました。
印刷通販会社の一番のメリットはリーズナブルな価格設定にあります。営業人員を必要としない印刷通販会社は、従来の印刷会社の半額近い価格でも印刷することが可能になっています。一度印刷を依頼するとポイントがついたり2度目以降の印刷が安くなったりするサービスをしているサイトも多く、よりお得な価格で印刷できるのです。
また、印刷通販会社はインターネットから発注を行うため、24時間365日いつでも発注が可能な点もメリットです。データが完成したらタイムロスなくすぐに入稿できます。同人誌の冊子印刷に特化したサービスとして、冊子を一定期間無料で預かってもらえるサービスのある印刷通販会社もあります。
なるべくまとめて印刷したほうが1部あたりの価格を抑えられますが、複数回のイベント用冊子を一度に依頼してしまうと在庫の保管が大変、という方にはうれしいサービスです。表紙の箔押しやエンボス加工、ポスターの挟み込み、本文のインクの色変更など、印刷通販会社にはさまざまなオプションがあります。
「印刷通販会社もいろんな会社があって、どこにすればいいか悩んでいる」という場合は、価格だけではなく独自のサービスやオプションがないか確認してみるのもおすすめです。
冊子だけでなくカレンダーやポップなどの作成も検討している場合は、最初からすべての印刷に対応している会社を選んでおくと管理も楽になります。通販印刷会社のデメリットは、発注に際してすべての決定事項について自分で考えて決めなければならないというところです。
たとえば冊子の印刷を依頼する際は、サイズやカラー、綴じ方(中綴じ、無線綴じ、綴じなしなど)、製本方法(左綴じ、右綴じなど)、用紙(光沢紙、上質紙、マット紙など)を選んで指定する必要があります。
ほとんどの印刷通販ではそれぞれの用紙の特徴や用途に応じたおすすめなども掲載されていますが、データの作成も指定のフォーマットに沿って作成する必要があり、入稿した後にミスが見つかっても補償されない場合が多いので、はじめて印刷を依頼する人にとっては不安に感じるかもしれません。
印刷会社のメリット
印刷会社はなんといっても印刷のプロが適切なアドバイスや提案を行ってくれるのがメリットになります。
印刷会社に印刷を依頼する場合は、電話やメールで問い合わせたあと印刷貸家の営業担当者と打ち合わせを行い、データ入稿、印刷、納品までのスケジュールをすり合わせます。
印刷について知識のない素人にとって“印刷会社の担当がつく”ということが、実は大きなメリットになるのです。用途に応じた適切なサイズや用紙、インクなどの提案を受けられるうえ、紙見本の現物を確認することもできます。
入稿したデータは印刷前に問題がないかチェックしてもらえるうえ、本番印刷の前にサンプル印刷のチェックもできるので、納品されてから「こんなはずじゃなかった」となるトラブルは起こりづらくなります。
専任の担当者がつくことや、チェックやサンプル提出といった手間がかかる分、印刷通販会社と比べるとどうしてもスピーディーさには欠けるうえ、価格は当然高くなるのです。
ただ、確実にクオリティの高い印刷をしたいと考えているのであれば印刷会社がおすすめです。印刷会社によってやってもらえることの範囲は異なるので、印刷会社に依頼をする際はどこまでやってもらえるのか、事前に確認しておくとよいでしょう。
コスト重視なら印刷通販会社がおすすめ
冊子の印刷を印刷通販会社でするか、印刷会社に依頼するかは、まず印刷にコストをかけられるかというところがポイントになります。予算をあまりかけられない場合であれば、印刷通販会社がおすすめです。
印刷通販会社では納期が長くなるほど価格が安く設定されています。すぐに印刷してほしい場合は、印刷通販会社を使ってもコストメリットが減ってしまうため、納期に応じた価格について事前に確認しておくとよいでしょう。
印刷にはできる限りお金をかけたくないという場合は、最安で依頼できる入稿期日の事前確認が必須になります。また、基本的に部数は多くなるほど1部あたりの価格は安くなるよう設定されています。
印刷通販会社は印刷物の種類ごとで部数に応じた価格をホームページで確認できるので、価格も見ながら印刷部数を決定するとよいでしょう。印刷通販会社を何度も使ったことがあり利用に慣れた人であれば問題ありませんが、はじめての利用で大量の冊子印刷の依頼はおすすめできません。
1部から印刷を依頼できる印刷通販会社もたくさんあるので、100部以上の印刷を依頼する前にまずはサンプルを一部作成しておくと安心です。実際に完成した冊子を手にすると「もっとここをこうしたほうがいいな」という点も見つけられます。
データの完成がイベントぎりぎりになってしまうとチェックが甘くなるうえ、サンプルを作る余裕もなくなってしまいます。なるべく期日に余裕をもったデータ作成を心がけてください。
仕上がりの質重視なら印刷会社がおすすめ
「はじめての印刷で、どうすればいいのか分からない」「自分の作ったデータで問題ないか自信がない」「事前にサンプルを確認したい」など、印刷に対して不安を感じている人はもちろん、印刷の仕上がりにこだわりたいという方は印刷会社への依頼がおすすめです。印刷通販会社はコストメリットが大きい一方、品質はどうしても価格相応のものになります。
パソコンのモニタ上で見たときの色味と印刷した際の色味が異なることは大きいうえ、印刷物ひとつひとつで色調整を行ってイメージ通りの色合いを表現できるのは印刷会社の強みです。
冊子にカラーポスターを綴じこみたい場合やイラスト集に力を入れている場合など、冊子の内容によってはしっかりと印刷クオリティを担保したいケースもあります。
ずっと印刷通販会社だけで印刷をしていた人は、一度印刷会社に依頼をすると品質の違いに驚いて、ハマってしまうこともあるようです。
印刷会社もすべてがアナログというわけではなくウェブ入稿が可能な会社も増えているうえ、印刷のプロのアドバイスから学べることも多くあります。印刷会社に依頼すると仕上がりの満足感が違うため、用途に応じて使い分けるのもおすすめです。
まとめ
印刷通販会社と印刷会社それぞれの特徴とメリット・デメリットについて紹介しました。印刷通販会社でもデザインチェックや代行のオプションを用意しているところもあるうえ、印刷会社でも自社工場で低価格の印刷を可能にしている会社もあります。こちらで紹介した内容も参考にしながら、目的に照らして優先順位を決め、自分にぴったりの印刷会社を選んでください。