一般禁・P禁・J禁とは?一般人に創作系同人誌を見せてはいけない?
今回の記事では、一般禁・P禁・J禁、3つの用語の意味、用法について解説します。アマチュアの人たちが作る同人誌には独自のルールがあり、それらを守るのは同人誌を楽しむうえで最低限のマナーです。今回紹介する用語も、同人誌文化を守るために一役買っているルールのひとつです。ぜひ覚えてくださいね。
一般禁・P禁とは
ではまず、一般禁・P禁、ふたつの用語の意味について解説します。結論からいうと、どちらも同じ意味合いです。一般禁は、主に同人誌制作の際に使われるネット用語なので、現実世界ではほぼ通じません。同人作品の内容に興味がない人がうかつに閲覧しないように、一般禁の言葉が使われます。
そのため、際どい同人作品を見たくない一般の人を禁止する意味で、一般禁なのです。続いてP禁の意味を説明すると、こちらも使われる場面は同じです。P禁のPは、人々を表すピープルです。こちらも過激な内容の同人作品に使用される用語です。
ピープルといった範囲の広い用語を使うことによって、本当に作品に興味があるコアなファン以外の閲覧を避ける狙いがあります。またP禁のPには、ピープル以外にもう1つ意味が含まれていて、それがパスワードのPです。
なぜパスワードの意味が含まれているかというと、一部の人以外の閲覧を避けたい同人サイトでは、不用意に閲覧されないようにパスワードを設定していることがあるからです。こういった同人サイトの事情を含めて、P禁が対象の作品に使用されるのです。
ここまで説明したように、一般禁・P禁の言葉には強い拒絶のニュアンスがあります。普通の人は、インターネットを利用している分にはお目にかかるこが、少ない用語ですが、万が一ネット上で一般禁・P禁の表記のある同人作品に出合った際は、意味を思い出して閲覧を控えるようにしましょう。あなたにとって、不快な内容の可能性が高いからです。
一般禁・P禁の使い方
続いて、一般禁・P禁の2つの用語の使い方について解説していきます。用語が使用される範囲ですが同人誌界隈でのみ使われる用語のため、一般社会で使用しても意図は伝わらないうえ、万が一伝わったとしても白い目で見られてしまいます。くれぐれも安易に使用するのは避けましょう。
そして一般禁・P禁の用語が使われる対象の作品は、アマチュアの人たちが作成した同人作品です。含まれる媒体は、マンガ、小説、イラスト集とさまざまです。
一般禁・P禁の対象になる作品の多くは、アイドルなどの芸能人、実在する人を同人作品に登場させているので、非常にセンシティブな内容になっています。不意に閲覧してしまった人が不快になる可能性があるだけでなく、無許可で作品に登場させられてしまった芸能人の方や、彼らが所属する事務所にとっても目にあまる行為とされてしまいます。
このような事情から、対象の同人作品がコアなファン以外に流失しないように、一般禁・P禁が同人作品に設定されているのです。一般禁・P禁の同人作品を制作する人たちの多くは、作品を広く普及してお金を稼ごうとは考えていません。
ただ閉じたコミュニティでのみ、同人作品を楽しもうとしているだけです。もし作品が広まってしまえば、今後作品が作りづらくなる可能性もあります。
ネット文化があるからこそ暗黙の了解で存在しているのが、一般禁・P禁が設定された同人作品です。実際に用語が使われる場合は、「内容はすべて、フィクションです。内容が過激なため、当作品はP禁に該当します」といった具合に表記されます。
似た言葉のJ禁とは
ネットの同人誌界隈には、一般禁・P禁に似た言葉でJ禁という用語も使われます。J禁のJはずばり、ジャニーズのJです。ジャンルがそのまま用語になっていることから推測できるように、ジャニーズを扱った同人作品は非常にファンが多い傾向にあります。
ジャニーズを扱った同人作品が、タレント本人や所属する事務所に発見されないように、J禁と表記して同人作品を発表するのです。
なお、一部例外的にJ禁が使われる場合があり、ジャニーズに限らず、所属するタレントの事務所に発見されないようにJ禁と記載するケースもあります。ジャニーズを対象としたJ禁に該当する作品の多くは、同姓同士の恋愛をえがいた作品です。
ちなみに、J禁の用語を使うようになる以前は、ジャニーズの事務所にタレントたちを対象にした同人作品がファンから送られていたり、タレントのファン感謝のイベントで同人作品が手渡されたりしていたようです。
J禁の用語が使われるようになってからは、こういった行動は見られなくなりました。J禁の意味を簡潔に表すと、“本人には見せられないような内容を含んでいるので、内容の流布は控えてください”と読み取ることができます。
ただJ禁と記載していても、こういったタレントを対象とした同人文化を快く思わない人はいるので、そういった一般層の人からジャニーズの事務所の耳に届いてしまうケースもあるようです。
ただ、いまだJ禁の同人作品がネット上で閲覧できることを踏まえると、表立って撲滅運動が起きている様子はありません。最近では、ネット上で広まらないように、セキュリティ面から同人作品の流布を食い止めようとする取り組みが盛んになっているようです。
一般禁・P禁・J禁で気を付けること
一般禁・P禁・J禁の3つの用語について、ここまで解説してきたため、最後に用語の取り扱いについて気を付けることを解説します。まずは、一般禁・P禁・J禁の用語が使用された同人作品を見かけた際は十分閲覧には注意しましょう。
あなた自身、本当に興味のあるジャンルなら閲覧は止めませんが、興味半分で閲覧するのは控えたほうが無難です。意図せずに不快な思いをする場合があります。もっともこのような注意喚起をせずとも、禁の文字はインパクトがあるので不用意な閲覧は防げるでしょう。
禁の表記は、18禁などでも使われているので、用語の意味を忘れた場合も、ネットに親しんだ誰しもが閲覧注意の内容だと推測できます。また、一般禁・P禁・J禁表記の作品を見つけたからといって、周りの友達に教えてみたり、SNSで拡散したりするといった行動は慎みましょう。
同人作品を制作している人たちは、対象者を貶めようと同人作品を作っているわけではありません。ただ彼ら自身が楽しむために、制作活動に注力しているだけです。褒められた活動ではないかもしれませんが、それを指摘するのは、大きなお世話です。
たとえSNS等で拡散したとしても、誰ひとり得をしません。嫌悪する気持ちは、分からなくもありませんが、一般禁・P禁・J禁の作品を見つけたときは、黙認のスタンスをおすすめします。
もっとも、自ら検索して見つけようとしない限りは、一般禁・P禁・J禁の作品に出合うことはないはずです。ファンの方は、重々承知しているとは思いますが、同人作品は閉じられたコミュニティで楽しむに留めましょう。
まとめ
今回の記事では、同人誌の出版界隈で使われる用語の一般禁・P禁・J禁について解説してきました。ネットで使われている用語について、つい調べたくなる人は多いですよね。今回の記事で、また新たにネット文化を知ることができたのではないでしょうか。一般禁・P禁・J禁は、非常にセンシティブな内容を扱った用語です。取り扱いには、十分注意してください。