同人誌にもカバーをつけるべき?必要性やメリットをご紹介!
同人誌を作成する際に、慣れてくるとカバーをつけるか迷う人も多いのではないででしょうか。ワンランク上の仕上がりが期待できる一方、カバー制作に不安を感じる人もいると思います。そこでこの記事では、同人誌におけるカバーの必要性、カバーをつけるメリットとデメリット、カバー作成時の注意点などを詳しく解説していきます。
カバー(ジャケット)の必要性
同人誌を作成する際、作品にカバーをつけるかどうか迷う人は多いでしょう。そこで、まずは同人誌とプロの作品の相違点、カバーの主な役割、同人誌にカバーは必要なのか?などについて解説します。
同人誌とプロの作品の相違点
同人誌とは、主に漫画やアニメ、ゲームなどの世界を通じて、似たような趣味や好みを持つ愛好家が集まって活動し制作された冊子のことを指します。プロの作品と大きく異なるのは、出版社を通さずに発刊できるという点です。
出版社を通さないので、自分たちが描きたい世界観を自由に表現できるのが大きな魅力である一方、発刊するための費用は全額自己負担になるというデメリットもあります。
カバーの主な役割
ところで、日本の書店では、私たちが普段購入するプロの作者の文庫本や漫画作品などにはカバーがつけられています。カバーはジャケットともよばれ、作品の印象を大きく左右する本の顔ともいえる部分でしょう。
また、作品の世界観を表現するのに役立つだけではなく、本の表紙部分を汚れや傷から守るという大切な役割も担っています。
同人誌にカバーは必要なのか?
では、自分たちの趣味の範囲で楽しむ同人誌にもカバーは必要なのでしょうか。結論としては、同人誌の場合、カバーはつけてもつけなくてもどちらで良いといえます。しかし、同人誌にカバーをつけるメリットはたくさんあります。
一方で、同人誌にカバーをつけるデメリットもやはり存在します。そのため、同人誌にカバーをつけるかどうかは、メリットとデメリットをよく理解したうえで判断するのがよいでしょう。
同人誌にカバーをつけるメリット
ここからはまず、同人誌にカバーをつけるメリットを解説していきます。
耐久性が上がる
同人誌にカバーをつける一番のメリットは、作品の耐久性が大きく上がることです。特に本の表紙部分や端の部分は、カバーをつけないと痛みやすいという特徴があります。思い入れのある大切な作品だからこそ、長く綺麗な状態で作品を保護してくれるカバーは魅力的だといえるでしょう。
そんなカバーの中でも、用紙をコーティングして摩擦や傷から保護できるPP加工なら、より耐久性が向上し、持ち運びもしやすくなるのでおすすめです。
プロの作品にも引けをとらない仕上がり
同人誌の大多数は、アマチュアの作家が自分たちの世界観を表現することを楽しむための本だといえます。そのため、街中の大きな書店や中古本の取扱店に作品が並ぶことはめったになく、コミックマーケットという名前の同人誌即売会において販売することになります。
数多くの同人誌の中で自分の作品を手に取ってもらうには、仕上がりの美しさが重要です。同人誌にカバーは必須アイテムではありません。しかし、カバーをつけることで高級感のある見た目になり、書店に並ぶプロの作品にも引けをとらない仕上がりになります。
そのため、カバーのついていない同人誌よりも顧客の目を引きやすく、満足感も得られやすいという大きなメリットがあります。また、同人誌は制作者側にとっても愛情のこもった大切な作品です。
だからこそ、作品の世界観を多様に表現できるうえにプロにも引けを取らない仕上がりが期待できるカバーをつけることは、今後の作品制作におけるモチベーションの向上につながるでしょう。
同人誌にカバーをつけるデメリット
ここまでは同人誌にカバーをつけるメリットについて解説してきました。ここからは、同人誌にカバーをつけるデメリットについても解説していきます。
印刷費用が高くつく
同人誌にカバーをつける大きなデメリットとしては、印刷費用が高くつくことがあげられます。先述しましたが、同人誌は商業誌といわれるプロの漫画作品などと違って出版社を通さずに自分たちで発刊するのが基本です。
自費出版は出版費用が高くなるのがネックですが、ここでカバーをつけるとさらに印刷費用が高くついてしまいます。同人誌の制作は趣味のひとつであり売り上げが一番の目的ではないとはいえ、大きな出費は活動するうえでのデメリットとなるでしょう。
しかし、カバーは作者のこだわりや作品の世界観を表現しやすい箇所でもあるので、どうしてもつけたい場合には工夫してみましょう。
例えば、カバー代込みのプランを提供している印刷所や、印刷費を比較的安く設定している印刷所、早割などの特典を設けている印刷所などを選ぶことで、印刷費用はある程度抑えられます。
慣れるまでは制作が難しい
同人誌のカバーは、うまく仕上げることができれば作品の世界観を多彩に表現し、高級感を出す役割を担ってくれます。しかし、慣れないうちは制作が難しいというデメリットもあります。
その一例として、本のサイズとカバーのサイズがずれてしまうということあげられます。特に、カバー制作を絵師などに外注する時には注意しなくてはなりません。なぜなら、カバーを外注する際には、作品制作の締め切りよりもかなり前に依頼する必要があるからです。
その際、作品全体のサイズ指定はできても、作品のページ数に関わってくる背幅のサイズをあらかじめ指定するのは難しいのです。そのような場合には、表紙と裏表紙、背表紙のすべてを合わせて一つの絵になるように、カバーをデザインするなどの工夫が必要です。
ただし、このパターンのカバーは、背幅が決まっているデザインに比べると自分でカバー巻きする際の難易度が高くなります。
同人誌のカバーを作るときの注意点
ここからは、実際に自分で同人誌のカバーを作るときの注意点についてまとめました。
カバーの背幅に注意
先程、カバーを絵師に外注する際などには背幅のサイズについて注意が必要だと述べましたが、背幅のサイズはカバーの印刷段階でも重要です。
具体的にいうと、カバーは基本的に本の上からかぶせることになるため、カバーの背幅をなかにある本の背幅よりも少し太めに作成しておく必要があります。
ある程度、対応できる折り返し寸法が決まっている
本のカバー制作には、表紙、裏表紙、背表紙に加えて、本の内側に折る折り返し部分も必要です。あまり注目されませんが、この折り返し部分はソデと呼ばれカバーを本に巻くという重要な役割を担っています。
印刷会社にもよりますが、折り返し部分の寸法には推奨されているサイズがあります。この推奨サイズは多少変更できるものの、あまりに短くしてしまうと本が完成した時にカバーが外れやすくなるため注意が必要です。
カバー部分には横長に絵を描く必要がある
カバーは完成した本の上から比較的ゆるく巻くことが推奨されています。そのため、ソデを折った際に、ソデ部分の絵柄などが表紙や裏表紙に出てしまうのを防ぐためにも、絵を描く時には少し横長に余裕を持ってデザインする必要があります。
まとめ
同人誌を作成する際に、カバーをつけるかどうかで迷う人は多いと思います。カバーをつけることで、耐久性が高くクオリティの高い作品に仕上がるなどのメリットがある一方、費用面での負担が大きくなるなどのデメリットもやはり存在します。そこでこの記事では、同人誌におけるカバーの必要性、カバーをつけるメリットとデメリット、カバー作成時の注意点などについて詳しく解説しました。同人誌にカバーをつけるかどうか迷っている方の参考にしていただければ幸いです。