同人誌にあえて白紙のページがある場合は印刷所に連絡を
読者にとって面白い同人誌を作るためには、さまざまな工夫が必要です。作品の内容によってはあえて白紙のページを入れたほうが良い場合もあります。余白のページを挿入するときには、事前に印刷をする業者に相談する必要がありますが、ここでは、こうした白紙を入れる際の注意点について、詳しく紹介します。
もくじ
白い紙の箇所がある場合に必要な連絡
同人誌を印刷する場合、あえて白紙のページを作りたいときには、事前に印刷所に連絡する必要があります。連絡をしておかないと、依頼者の簡単なミスと考えられて、空白の部分を作れなくなってしまうことがあるからです。
業者にとって、依頼者のミスか、意図的にそうしているのか判断が難しいことがあるので、確実に余白のページを作ってもらえるようにするためには、誤りではないことを伝えておくのがおすすめです。
書いた本人にとっては、余白の部分があることはごく自然に思えても、他の人が見れば白い紙が間違えて入っているようにしか思えないことはよくあることなので、必ず正しく処理してもらえると思いこまないようにすることも大切です。
何も連絡をしないで、そのまま製本を依頼してしまうと、本が完成したときになって初めて、わざと作っておいた白い箇所がなくなっていると気づくこともありえます。こうした失敗を防ぐためにも、前もって白い紙の意味を正確に業者に教えておく必要があり、正しく依頼者の意図を伝えれば、ミスの発生を事前に防げます。
ノンブルを使って失敗を避ける方法
白紙のページを依頼者のミスだと思われて、間違った方法で印刷されるのを防ぐためには、あらかじめノンブルをつけておく方法もあります。ノンブルとは同人誌の各ページにつけていく番号のことです。本の内容通りに順番を正しくつけていくことで、製本する際にもミスが発生しにくくなります。
どの場所にどのような内容が書かれているのかを確認するためにもノンブルは便利な方法で、特定のページから物語の内容が変わるような場合も簡単に確認できます。小説などを同人誌に書く場合にも便利な方法で、他の人が文章を引用する場合でも、ノンブルを利用すれば本の中のどこに引用した文章があるか、簡単に説明することが可能です。
このようにさまざまな点で役に立つノンブルですが、白紙のページを同人誌に挿入したい場合にも役立てることができます。完全に真っ白な状態にするのではなく、紙の下側の部分にページ数だけを入れておけば、印刷をする業者も依頼者のミスでないことが簡単にわかります。連絡を入れる手間を省きたい場合にも便利な方法です。
ノンブルを使わない場合の注意点
白紙のページを挿入する際に、必ず印刷をする業者に連絡をした方が良いのが、ノンブルを使わないで真っ白な箇所を入れる場合です。番号をあらかじめふっておいた方が、作品の一部であることが誰にでもわかるので便利ですが、作品の内容上あえてノンブルを振らないようにしている場合には、間違いで白い紙が挿入している場合と見分けがつきにくくなります。
こうした方法は、特定の目的のためにおこなわれることもよくあります。番号を白い紙に記載してしまうと、それが下側の方に書かれているものでも目立ちやすくなってしまうケースなどです。数字のサイズが小さくても目立つことがあるので、完全に真っ白な部分を作りたい場合には、番号も入れない方が演出としては効果的なことが多いです。
こうした目的からノンブルを使わないで白い箇所を挿入する人も多いですが、しっかりと業者に事前の連絡をすることで、依頼者の意図を正しく伝えることができます。連絡をする場合には、できるだけ早い時期におこなったほうが最適で、遅すぎるとすでに印刷されてしまっているようなこともあるので、気づいたら早めの対応が必要です。
話の内容が変わる部分で余白のページをあえて使用する場合
同人誌にあえて白紙のページを入れるケースとしてよくあるのが、話の継ぎ目に前後の関係をわかりやすくするために使う場合です。話の内容が全く変わる場面で空白の部分を入れずにそのまま描き続けてしまうと、読んでいる人が非常にわかりにくくなってしまうこともあるので、漫画の同人誌などが描かれるときにはよく使用されている方法です。
何も描かれていない白い部分を差しはさんでおくことで、それまでの部分とその後の部分の内容に大きな違いがあるということが、読者にも理解してもらいやすくなります。作品にインパクトを出すために余白のページが使用されることもありますが、物語の中で主人公の記憶がなくなってしまった場合などにも、使われることがあります。
完全に真っ白な紙を挿入することで、主人公の記憶がなくなってしまったということを、強いインパクトとともに読者に伝えることができる演出です。こうした目的で余白の箇所を入れる場合でも業者に連絡をしておく必要があり、演出でわざとそうしているのだということを理解してもらえば、ミスを事前に防げます。
時間の経過を表すために余白のページをあえて入れる場合
物語の中で時間が経過する場面がある場合にも、同人誌の中にあえて白紙のページが使用されることがあります。物語の展開上、ある部分から数年後の話を描きたいときには、余白を入れないでそのまま描いていくと、読者に話の内容が理解しにくくなることがあります。
漫画の同人誌を描く場合にもこうした目的のために白紙のページを入れることがありますが、真っ白なページを時間が経過するシーンの間に挿入しておくことで、その前後のシーンの間に時間が過ぎているということが、読者にも視覚的に伝えられます。漫画内の駒の片隅に「それから何年後」というようにナレーションを入れて説明することもできますが、話の途中に余白を入れた方が、さらに時間の経過を表現しやすくなります。
物語の中で過ぎ去った時間が長いほど、そのまま続けて描き続けるよりも、あえて余白の箇所を入れておいたほうが、長い時間が経過しているのだということを、読んでいる人に感じてもらいやすくなります。こうした方法で白紙のページを作る際にも、ミスを事前に防ぐためには事前に業者への連絡が必要です。
複数の人で制作している場合に使われる余白のページ
同人誌に白紙のページをあえて入れる場合としてよくあるのが、複数の人が作った作品を一つの本に掲載している場合です。同人誌制作の場合には、一人で全ての原稿を書くだけでなく、友達と分担して作ることもできますが、一人では一冊の本を完成できない場合でも、仲間と協力することで、本を作りやすくなるメリットがあります。
漫画でも小説でも複数の人の著作が一緒に掲載されている同人誌は多いですが、こうした本の中で効果的に使用されているのが白紙のページです。違う作者が描いた物語の間に空白の部分を挿入しておくことで、前後の作品が違う作者によって描かれていることを読者にわかりやすく伝えられる方法です。
余白の箇所を入れないで続けて他の人の作品を掲載した場合、同じ人が描いたものと読書が勘違いしてしまうこともあるので、確実に間違われないようにするためには白紙のページを使うのが最適な方法です。こうした目的のためにあえて白紙を挿入する場合にも業者に事前の連絡は必要で、別の作者の作品ごとに使っていることを教えておく必要があります。
同人誌を制作する場合には、作品の演出のためにあえて白紙のページが挿入されることがあります。こうした場合には、印刷をする前に事前に業者に連絡をしておくのがおすすめの方法です。依頼者のミスだと誤解されてしまう場合もあるので、失敗を防ぐためには必ず連絡をする必要があります。しっかりと意図した通りに印刷してもらえれば、納得できる同人誌を完成できます。