そもそもコミックマーケットとは?今さら聞けないコミケの基本を解説
夏と冬に開催されてニュースなどでも話題になるコミケ。規模も大きく、海外からコミケ目当てに訪れる観光客も多いことで知られてます。コスプレで参加する方も多く、ニュースでも派手な衣装が話題になるため、コスプレの祭典のように捉える方もいるのではないでしょうか。この記事では、今さら聞けない、コミケについて解説します。
コミケとは世界最大の同人誌即売会のこと
コミケとは、年に2回、夏と冬に開催される同人誌即売会、コミックマーケットのことです。数あるコミックマーケットの中でも世界最大規模を誇り、東京ビッグサイトで開催されるものを通称「コミケ」と言います。
同人誌即売会は、同人誌を書いている作家と読み手がコミュニケーションをとりながら、創作物の交換をするために開かれるイベントです。
コミケの歴史
コミケは第一回が1975年に始まり、年々規模を拡大しながら、夏と冬に東京ビッグサイトの全館を使って開催されています。1回目がコミケC1と名付けられ、そこから開催ごとにナンバリングされています。
2020年に開催予定だった夏コミケのC98は、東京オリンピックに合わせて5月に変更されたものの、コロナの影響により開催そのものが中止され欠番となりました。
その後もオリンピックやコロナ渦の影響を受けて延期されてきたコミケは、2021年冬に規模は縮小されたもののC99として2年ぶりに開催、2022年8月には記念すべき100回目を迎えました。
コミケはあらゆる「推し活」の聖地
コミケは同人誌即売会から始まっていますが、年々規模が拡大され、今は同人誌・グッズ・コスプレなど、原作の世界をあらゆる形で楽しむファンの聖地ともなっています。
メインのイベントが企業や原作サイドの出典ではなく、ファンによる二次創作物の頒布であることが最大の特徴となります。コミケはファンによる二次創作物の発表の場であり、ファン同士の交流の場でもあるのです。
来場する人全員が対等であり「お客様」は存在しない、というイベントの趣旨から、すべての人が「参加者」として扱われることからも、コミケがファン活動の一環として、開催されていることが分かるでしょう。
コミケに参加するには
コミケへの来場者はすべて「参加者」になりますが、会場内での立場によって4つに分けられます。同人活動を楽しむために来場する場合は、サークル参加か一般参加のどちらかを選ぶことになります。
・サークル参加:サークルという団体として参加し、ブースを構えて同人誌やグッズなどを頒布できます。サークルは団体とは言いますが、1人であってもサークルとして、参加申し込みが必要です。
・一般参加:同人誌やグッズを手に入れる目的で来場する場合は一般参加です。コスプレイヤーをして参加する場合も一般参加となります。
・スタッフ参加:コミケの運営をサポートするための参加者です。ボランティアになることが多いでしょう。
・企業参加:企業スペースに出展するための、法人や各種団体用の区分です。取材をするメディア関係者もこの区分で参加します。
サークル参加の申し込み方法と注意点
サークル参加をする場合は、参加申し込みが必要となります。参加申込書は、コミケ会場、申し込みサイトの通販「コミケットサービス」での店頭販売の3カ所のみで購入できます。
価格がそれぞれ違いますが、1,000円~2,000円程度の価格です。申込書を入手したら、郵送かオンラインで申し込みをしますが、サークル参加の申し込みは非常に多く、毎回抽選となっています。
当選確率は60%程度となっていて、落選した場合でも、参加費自体は手数料などを差し引いて返金されます。
当選した場合、搬入方法が車の場合は別途駐車券を、前日などに搬入する場合は、サークル従業員証を申請して手に入れておく必要がありますので、注意してください。
コミケに参加するときのポイント
コミケで同人誌やグッズを手に入れたい場合は、一般参加者として来場しますが、その際にも準備しておいた方が良いポイントがあります。
カタログの準備
コミケでは毎回必ずカタログが用意され、紙カタログ、DVD-ROM、Webカタログの3種類があります。どのタイプでもカタログの前半部分は、会場で守るべきマナーや注意事項がかかれているのでチェックが必要です。
コミケの最大の趣旨は、ファン活動の一環であるということですので、原作や公式サイドに配慮した行動が求められます。初めて参加する場合はとくに、前半部分をしっかりチェックしましょう。
全体的な情報をもれなくチェックするには、紙カタログが最適ですが、会場で持ち運ぶには荷物になります。事前に目当てのサークルの情報などを抜粋した資料を作るのも、コミケの醍醐味と言えるでしょう。
会場へのアクセス
開催中のコミケ会場付近は、10万人もの人手になることがあります。自家用車での来場は、駐車場の確保が困難になったり、駐車までの時間がかかったりと何かと不便です。
できるだけ、公共機関を利用するようにしましょう。なお、徹夜での待機は禁止されていますので、開場時間を守って、電車などで来場することが重要です。
気候への対策
コミケは年2回開催されますが、夏は8月の非常に暑い時期、冬は12月の寒い時期での開催になります。
午前中はとくに入場待ちの列が長くなり、外で長時間待機しなければならないこともあります。夏は水分の用意と日除け・暑さ対策、冬はしっかりと防寒対策をして出かけましょう。
グループでの行動について
コミケ開催時は周辺を含め、たくさんの人が訪れますので、スマホの通信回線もキャパシティを超えてしまうことが多々あります。
グループで来場する場合、はぐれてしまったらスマホによるやりとりは、基本的にはできないと考えた方が良いでしょう。待ち合わせ時間や場所をあらかじめ決めておいて、はぐれても無理に合流しないつもりで行くのが賢明です。
小銭の準備
コミケは企業の物販の場所ではなく、個人が趣味で創作したものを頒布する場所です。
同人誌やグッズなどは、価格もそこまで高額ではなく、釣り銭の準備も多いわけではありませんので、千円札や小銭を準備していった方がスムーズなやりとりができます。
現在のコミケ参加は事前購入チケット制
もともとコミケは、一般参加で来場する際の入場料は無料でしたが、コロナ渦で入場人数を宣言する必要があるため、2021年冬のコミケからは一般参加でも事前にチケットを購入することとなりました。
当日チケットの販売予定はなく、急に来場しても中に入ることはできないと考えられますので、注意が必要です。
現在のところ入場チケットは3種類あり、そこからさらに入場するエリアを選ぶようになっています。各チケットを購入するには、一時販売の抽選に申し込むか、二次販売の先着順に申し込みをすることになります。
・アーリー入場:金額は5,000円で10時から入場できます。入場エリアは東ホール、西南4F、西南1Fの3か所から選びます。
・一般入場:金額は2,000円で11時から入場できます。入場エリアは東ホール、西南ホールのいずれかを選びます。
・コスプレ入場:金額は3,500円で11時から入場でき、更衣室が使えます。入場エリアは東8ホール、会議棟のいずれかが選べます。
まとめ
知っているようで知らないことが多い「コミケ」について解説しました。年々規模が大きくなり、世界各国からも注目される世界最大規模の同人イベントであるコミケ。
コロナの影響もあり、一般でも参加が難しくなっているのが現状ではありますが、ファンとしては、一度は出かけてみたいイベントではないでしょうか。
参加するにはチケット申し込みから始まる事前準備が最大のポイントです。最新の情報に気を配り、乗り遅れることのないように計画しましょう。