同人誌をカラー・モノクロ混在にしたい!印刷代は高くなる?
同人誌の印刷で悩むのがカラーとモノクロの選択ではないでしょうか。全部モノクロにせず、巻頭に数ページだけでもカラーを入れるだけで印象が変わり、読者を引き込むことができます。読者もキャラクターをカラーで見られる喜びは大きいでしょう。しかし、気になるのがその印刷代。カラー・モノクロ混在は高いというのは本当なのでしょうか?
カラーかモノクロか悩んだら混在がおすすめ
同人誌の印刷にはカラー、モノクロ、どちらが向いているのでしょうか。仕上がりも印象も異なる2つの印刷方法。また、フルカラー、すべてモノクロに加え、カラー・モノクロの混在印刷にするという選択肢もあります。ここでは、この3種類の印刷方法の特徴について詳しく解説します。
カラー印刷の特徴
高い視覚的効果で、読者をひきつけるカラー印刷。初めの数ページがカラーというだけでも、十分なインパクトを与え、読者の印象に残る作品に変わります。一般的には漫画=モノクロの印象が強いものですが、カラーにすることで一気に華やかな作品になるでしょう。
カラー表現にはRGBとCMYKの2種類があります。RGBとCMYKでは色域が違うため、データ作成時には注意が必要です。RGBで入稿したデータがCMYKで表現されると、色がくすむ原因となりますので、印刷所が指定するカラーモードで作成しましょう。
モノクロ印刷の特徴
モノクロはカラーよりも断然、低コストで印刷が可能です。印刷部数が多くなるほどその差は大きくなります。納期においてもモノクロの方が早いので、急ぎでも対応してもらえることが多いでしょう。
モノクロはグレースケールとモノクロ二階調の2種類があります。グレースケールは黒から白まで256階調で表すもので、グラデーションがなめらかに表現されるのが特徴です。一方、モノクロ二階調は黒と白の2色のみで表すもので、グレースケールよりもシャープな印象を与えます。
カラー・モノクロ混在印刷の特徴
カラー、またはモノクロで統一されたものよりも、部分的にカラー印刷を取り入れることで、より強いインパクトを与えられます。カラーは表紙や口絵、見せ場で使うのが効果的でしょう。
大部分をモノクロ印刷することで、コストを抑えられるので、カラーのみではコストがかかる、モノクロだけでは少し味気ない…と悩んだ時は、カラー・モノクロ混在印刷がおすすめです。
カラー・モノクロ混在印刷は印刷費が高くなる
同人誌の印刷において、カラー・モノクロ混在印刷にしよう!と思った時に、気になるのが料金ではないでしょうか。コンビニでコピーする際にも、モノクロよりもカラーコピーの方が高いということから、カラーが入るだけで料金が高くなるのでは?と気づいている方もいるでしょう。
実際、多くの印刷会社では1ページでもカラー印刷が混在してしまうと、ほとんどのページがモノクロであったとしても、フルカラーの料金がかかってしまいます。ほぼモノクロなのに、フルカラーの料金がかかってしまったら、損をした気分になってしまいますよね。
また、オプションとして口絵をはさんだとしても、料金は割高になってしまうことが多いでしょう。巻頭、巻末のカラー差し込みはできても、本文中にカラーを差し込むと追加料金がかかる、なんてケースもあるようです。
カラー・モノクロ混在印刷の費用を抑える方法
フルカラー印刷はコスト的に無理だけど、カラー・モノクロ混在印刷を利用して、なんとか安く印刷したい!と思っている方も多いでしょう。混在印刷の費用を抑える方法はあるのでしょうか。
カラーとモノクロ、別々の料金設定がある印刷所を利用しよう
通常、モノクロ印刷にカラーが入ってしまうと、カラーの料金になってしまうというお話をしましたが、例外もあります。カラーにするページだけカラー料金、それに残りのページをモノクロ料金として価格を設定している印刷所を選ぶとよいでしょう。
混在印刷をしたら高かった…という方も、印刷所を変えるだけでコストを大幅に下げられるかもしれません。また、カラーとモノクロで、料金を分けてくれる印刷所ではカラーを取り入れた方がお得です。
今まで混在印刷にフルカラー料金を支払っていた方は、浮いた料金で表紙の用紙の質を上げたり、加工したりするのもおすすめでしょう。印刷にかける費用をアップさせることなく、手に取ってもらいやすい同人誌へとグレードアップすることが可能です。
オンデマンド印刷でさらに安くなる
印刷を依頼する際によく耳にするのが、オフセット印刷とオンデマンド印刷です。この2つの違いをご存知でしょうか。オフセット印刷は油性インクを使用した一般的な印刷方法です。版に付けたインクをブランケットなどの転写体に転写し、紙に印刷します。
仕上がりが細部まで美しく、大量印刷に向いています。一方、オンデマンド印刷はトナーによるレーザープリントを示します。版を使用せずに、パソコンからデータをプリンターに送って印刷する方法です。
デジタルデータによって出力するため、スピーディーで安く印刷ができます。オンデマンドでも十分、きれいな印刷ができますので、少部数の印刷で、コスト面を考えるのであればオンデマンド印刷した方が費用を抑えられます。
納期によっても安くなる
一般的に、どんなサービスでも「お急ぎ」となると料金が上がってしまいます。印刷所も急いで印刷しなければなりません。逆に、仕上がりがゆっくりで良ければ、印刷所も余裕を持って作業ができるので、追加料金はかかりません。ゆっくり納期、長期納期商品といった通常よりも料金が安くなるプランやコースを用意している印刷所を探してみましょう。
用紙選びも大事!
冊子の印刷を注文する時には、用紙の種類も選択することになります。この用紙の種類や厚みによっても、料金が変わることを覚えておきましょう。
印刷所によっても取り扱う用紙は異なりますが、特にカラー印刷をしようとすると、発色の良いコート紙のような塗工紙が選ばれがちです。しかし、そのような特殊な用紙は用紙そのものが高く、同時に印刷代も高くなってしまう傾向があります。
そこで利用したいのが上質紙と呼ばれる用紙です。教科書や雑誌でも使用されるポピュラーで低価格な用紙ですが、カラー印刷をしても十分きれいに仕上がります。柔らかな印象にプリントできるので、あえて上質紙を利用して味を出すのも一つの手でしょう。
カラー・モノクロ混在印刷を依頼する時の流れ
さて、カラー・モノクロ混在印刷にチャレンジしてみようと思った方もいることでしょう。「モノクロ印刷しか依頼したことがないんだけど…」「混在印刷の依頼の仕方が知りたい!」という方のために、混在印刷を依頼するときの簡単な流れをご紹介します。
基本的には入稿データの作成の際に色指定するだけなので、とても簡単です。モノクロのデータはKのみ、カラーデータはカラーモードをCMYKに設定して作成します。
データができあがったら、注文ページからカラー・モノクロ混在印刷を指定し、総ページ数とモノクロ、カラー、白紙ページの内訳を正確に入力しましょう。入稿の際にはどのページがカラーで、どのページがモノクロかを印刷会社に伝える必要があります。
ここはカラーだったのに!という行き違いがないようにするため正確に指示を送りましょう。例えば、ファイル名にページ数を入れるだけでなく、カラーページとわかるファイル名を付けるといった方法があります。
ページ数の後にcolorやCをつけるといった形です。それだけではなく、「何ページをカラーにして欲しい」という具体的な指示を書いた表を添付するとよいでしょう。冊子デザインのデータと指示書をアップロードして完了です。その他、ファイルの圧縮など、細かな指定がされていることがあるので、印刷所の指示に従って入稿を済ませましょう。
まとめ
同人誌の印刷をカラー・モノクロ混在にしたい時には、ぜひ料金を安く抑えられる印刷所を利用しましょう。一部カラーでもオールカラー料金にならない印刷所を探すことが重要です。また、印刷所によってはさらにお得に印刷ができる場合もあるので、印刷方法、納期、用紙の種類によって料金がどう変わるかの比較も大切です。カラー・モノクロ混在印刷で、他の人に差をつける、より魅力的な同人誌に仕上がるでしょう。