同人誌を印刷したらモアレが発生!スクリーントーンの選び方に注意
同人誌を作ることは難しいものではなく、現代では対応した印刷会社も多くあります。気軽に利用することができるようになったのはインターネットが普及しデータ入稿が可能となったことが大きな要因といえますが、一方でデータ入稿の場合には仕上がった時の状態を知ることができません。特にスクリーントーンを使う場合には注意が必要です。
もくじ
同人誌印刷でよくあるモアレとは何か
現代ではアナログで同人誌の原稿を変えていても最終的にはデジタルデータとして入稿し印刷が行われるものですが、特に漫画を書いている時にはその表現の方法によってモアレと呼ばれる現象が発生します。モアレとは、細やかな縞模様が発生するもので特に塗りつぶしている場所で発生するものです。
この原因となるのは細やかな格子状や網目状のデザインをした時に発生しやすいもので、特にスクリーントーンを使っている場合によく見られます。 パソコンで見ている場合には特に問題がなくても、これを縮小して印刷する場合に発生しやすくなるため、原稿を作る時点で考慮しなければならないことです。
同人誌の印刷を何度かしていれば回避する方法もわかってきますが、初めて依頼した場合にこのような現象が出てしまうということは珍しいことではなく、その点で業者に依頼する時にはモアレになるリスクをある程度理解した上で行う必要がありますし、場合によっては業者に対策を依頼することもできます。いずれにしてもスクリーントーンを使うという点では十分な注意が必要となってきます。
スクリーントーンを使わないという方法
スクリーントーンはモノクロの原稿を作るときに様々な表現をするために用いられるもので、手作業で作っている時には様々な種類のスクリーントーンを切り貼りして原稿を作っていたものですが、現代ではパソコンを使って簡単に多くの種類のスクリーントーンを使うことが可能です。
スクリーントーンが使われる理由はモノクロで印刷する場合には黒のインクだけで表現をするため細やかな点を使って中間色を表現したり、またグラデーションを表現するといったことに用いられてきましたが、現代の印刷技術の場合には、これらを使わなくても色の濃淡によって表現することが可能となっていますから、モアレを気にしている場合では、スクリーントーンを使わないというのも選択肢のひとつです。
ただこれらは同人誌で許される話であり、将来的に商業誌などで掲載したいと考えた場合にはスクリーントーンの使い方を学んでおく必要があります。いずれにしてもこだわったものになればなるほどこのリスクは高いので、その点を留意して業者を選ぶことも重要となってくるものです。
業者と相談しながらモアレを回避する
モアレが発生するかどうかは原稿の作り方によって発生することが多いものですが、必要に応じて修正して発生を防ぐということも可能です。小部数であれば元々それほど大きな費用はかかりませんが、ある程度の部数の印刷を考えている場合には、その仕上がりについて業者と相談して行った方が満足いく結果を得られます。
出来上がってからあまりにも不満のものになってしまえば、せっかく作ってもそれを頒布することに躊躇することにもなりかねませんから、十分に検討を重ねることが大事です。 特に注意する必要があるのはフルカラーで印刷した場合で、この場合にはスクリーントーンとは別に発生する可能性があります。
フルカラーの場合にはCMYKと呼ばれる4色の色を組み合わせて表現するのですが、この際に微細な点で色を組み合わせることでフルカラーとするため、組み合わせによってはモアレが発生します。この場合には、印刷業者が工夫をすることで改善することができますから、その点でも業者選びの重要なポイントとなるものです。
モアレを発生させないためのスクリーントーン
モアレは印刷をする以上、その仕組みとして出てきてしまうものなので、実際に原稿を作る時にはそれらを考慮して行う必要があります。商業誌などの場合には編集者などがその修正の作業を行いますが、同人誌の場合には製作者が一人または少人数で行うものですから、そのような専門的な作業は分担して行うということは難しいものです。
このようなことから出来る限り発生しない作り方をする必要があり、そのノウハウを習得するのも重要なポイントになってきます。未然に防ぐ場合にはストライプを使うのは極力避けた方が良いと言えますし、格子状や網目状などのデザインも同様です。
いつでも線や点で表現をするものですから印刷をする際の相性が悪くモアレの原因となってしまいます。可能であればこのタイプのスクリーントーンは使わない方がトラブルを避けるためには有益な方法ですが、使う場合には印刷をするときのサイズを考慮して行うことがポイントになってきます。特に解像度が低いような場合には互いに干渉しモアレを起こしやすくなるので、作成する時には解像度が高い状態で行うのがベターです。
アナログ原稿を読み込むときにも注意が必要
現代では、すべての作業をデジタルでおこなっている人も少なくありません。むしろアナログで原稿を書いているという人が少数になりつつありますが、現代ではすべてをアナログで行えるというものではなくなっています。結局デジタル化して印刷を行うためで、アナログで原稿を作っている人であってもスクリーントーンの使い方には注意が必要となっていきます。
印刷するためにはスキャナーでスキャンをすることになりますが、この時に解像度が少なければ思ったような状態にならない可能性があります。この理由としては解像度が少ないとせっかくのスクリーントーンが潰れてしまったりモアレが発生するためです。このため原稿用紙に対して十分な解像度を確保して、スキャナーで読み取ることが綺麗に仕上げるためには欠かせない作業となります。
また、カラーも同様で不具合が出ないような工夫が必要となってくるものです。経験を積めば大体分かってくることですが初心者の場合にはこれらに注意し、場合によっては色のプロフェッショナルである業者と相談しながら解決策を探して行くのも方法になります。
同人誌は手軽に作ることができる
同人誌に必要なものとしてはどのような作品を作りたいかという熱意がほとんどで、冊子にするということ自体は誰でも行うことができます。同人誌向けの業者も多く存在するため、場合によっては出版物と遜色のないものを作ることができますし、また大量に用意することも可能です。ただいずれにしても作品を作ることが重要となってくるため、そのスキルを磨くことが最も大切なことといえます。
一方で、せっかく作っても思ったような仕上がりにならないというトラブルもあることに留意しなければなりません。 現代ではインターネットを使って問題を解決するということが簡単に行えるようになっていますが、制作をする前にはトラブルの原因となるようなものを知っておくことが、原稿を修正しなければならないという手間を防ぐことができます。
また同人誌をデジタルで作る場合にはその原稿を保存する形式についても理解することは重要で、インターネットを通じて入稿をする場合にも知っておくことで仕上がりのトラブルを抑えることができるものです。
同人誌を作る事は誰でも行えるようになっていますが、せっかく作るのであれば納得のいくものでありたいはずです。その点で起こりやすいトラブルになりやすいモアレについてはよく知っておく事が重要になってきます。その他にも様々な知識を習得しておく事により、同人誌を作る時に発生するトラブルを未然に防ぐ事が出来るものです。