同人誌が入稿日に間に合わない!ギリギリの印刷のキャンセルや延長はできる?
入稿の締め切りが間に合わないのでキャンセルをするしかないのかというとそんなことはありません。たいていの会社は延長料金(特急料金とも言います)を支払って、締め切りをのばすことが可能です。しかしどんな場合においても締め切りを守るというのに越したことはありません。締め切りを守ることができる方法を伝授します。
もくじ
どこの印刷会社でもキャンセルはできる
結論から先にいうと、たいていの会社ではギリギリでもキャンセル、延長の対応はしてくれます。 直前にキャンセルをしてしまったのでキャンセル料が発生してしまうのかというと、それも大方の印刷所ではありません。しかしたいてい表紙のほうが先に入稿していたりするので、先に刷ってしまった分の請求は来る可能性があるので、それは念頭においた方がいいです。
もちろん自分が使いたいと思っている会社のHPはよく確認したほうがいいですし、連絡方法もサイトのマイページでキャンセルできるところもあれば、メールや電話で一報してくださいとあるので決められた方法でキャンセルをしましょう。
とはいえ、キャンセル、延長もわかった時点で入稿先には連絡を入れたほうがいいです。キャンセルをするということは先に予約を入れているかと思いますが、予約をするということは貴方の原稿を印刷する準備を整えて待っているという状態です。 予約が入っていたのに無断でキャンセルをしてしまう、入稿する日に原稿が来ないとなると入稿先もどうしたらいいかわかりませんので、できない、遅れるとわかった時点で必ず連絡は入れるようにしましょう。
キャンセルをする前に一度考えてほしいこと
せっかく作った原稿を入稿日に間に合わないから、もうキャンセルするしかないのかというとちょっと待った方がいいです。相談次第ではギリギリになっても対応をしてくれる場合がありますので、通常締め切りには間に合わないけれどあと1日で完成しそうな状態ならば、キャンセルをする前に印刷所に相談してみましょう。
ただし延長する場合は、延長したい日数に応じて延長料金が取られることがあるのでそれは覚えておいてください。会社によって延長料金とは言わず特急料金ということもあります。またどこの会社も特急対応をしているとは限らないので、使いたいと思う会社がどのくらい原稿を待ってくれるのかは予約をする前に一度確認しておいた方がいいです。
そして間違ってはいけないのは、印刷会社は延長対応をしてはしますが金さえ出せば締め切りがのばせるというのはちょっと違います。やはり通常の締め切りに入稿するのに越したことはありませんし、予約していた人がみんな締め切りをのばしたら会社がパンクしてしまいます。 特にコミケなどの大きなイベントの前は印刷会社の人は会社に缶詰め状態で仕事をしているとも言われています。
ギリギリの状態でやることにいいことはあまりない
のっぴきならない事情があって、やむを得ずギリギリになってしまうのは仕方ないのですが、ギリギリの入稿は本来しないに越したことはありません。 入稿先の会社に迷惑がかかるというのももちろんありますが、自分も準備が万全でない状態でイベントに行くことになります。
仮にイベント前日に入稿が間に合ったとして、そこからサークルスペースの準備にも取り掛かる必要がありますし、釣銭の準備も必要です。慌てていると忘れ物をしたり、体調があまり万全でない状態で参加することにもなってしまいます。 ギリギリの状態でイベントに参加しないためにも、締め切り設定は早割を使うのを前提にしたほうがいいですし、早割を設定するほど印刷会社としてはなるべく早めに入稿してもらいたいとも考えています。
同人誌を作っている人の大半は3か月以上前からやっている人が多いです。小説、漫画ともにサークル参加をする人は、それくらいから取り掛かっている印象です。もし出たいイベント、同人誌を出したいと考えているなら、遅くても3か月前からは執筆にとりかかったほうがいいでしょう。
余裕を持った入稿計画がもたらす嬉しい効果
同人誌を作っていると、箔押しなど特殊加工の本を作ってみたくなる気持ちはあるかと思います。特殊加工や特殊紙は何の加工もされていない表紙よりも締め切りが早いことが多いです。 表紙を先に印刷している間に、本文の原稿作業も進めていくかと思います。
表紙は別の会社に入稿して、本文を印刷する会社で製本してもらう場合(持ち込み印刷)、どんなことがあってもいいように、表紙の入稿には余裕を見たスケジュールで組むほうがいいです。なお持ち込みをしたのに間に合わなかった場合でも印刷会社が期間限定で預かってくれる場合もありますが、保管期間が過ぎると着払いでご自宅に届けられてしまうだけなので、頑張って本文も仕上げ、本を完成させられるように頑張りましょう。
持ち込みにすると当然表紙の締め切りはかなり早くなってしまいますが、どうしてもこの会社のこの特殊紙や特殊加工を使いたいという場合は、ぜひ持ち込みをしたほうがいいですし、持ち込み割引もあります。そのためにも締め切りを守れるようになるのに越したことはありません。
アンソロ、企画主催者による締め切りを守らない人に対する本音
同人誌の入稿がギリギリになってしまう人は、自分の作品に対して強いこだわりがあるのかもしれません。アンソロジーなどを企画していると締め切りに間に合う人も大勢ですが、中には締め切りを1か月くらいオーバーしてくる人もいます。 もちろん強いこだわりがあるというのはわかっていますが、その後の編集作業をする立場になると原稿をいつまでも出してくれない作家のページはいつまでたっても組めないわけです。
そのあたりも考慮して〆切を設けている企画者もいるとは思いますが、企画を主催している側からすると同じうまい人なら〆切を守ってくれる人と、締め切りを守らない人ならどちらが好印象かというと断然前者なわけです。そしてまたやるとしたら、〆切を守ってくれる人にはまたオファーを出します。
アンソロジーの参加者の中で締め切りを守らない人が一番うまい絵を描く作家だったとしても、〆切を守らないことで生じるデメリットの方が大きいです。企画を主催する側が印刷代、イベント参加費などのすべてを負担してアンソロジーや合同誌を頒布するならなおさらです。 締め切りを守らないことで生じるメリットは何もない、これはどんな場合にも当てはまります。
原稿の締め切りを少しでも間に合わせるコツ
いろんな人が関与している企画やアンソロジーに参加した際に、どうしても〆切が守れそうにない場合も主催者に連絡を一本入れるかどうかで印象もだいぶ変わります。原稿の締め切りが守れない場合は分かった時点ですぐに連絡を入れ、今、どれくらいで来ていて、いつぐらいまで待ってほしいのかはきちんと伝えましょう。
一番よくないのは、遅れるのに連絡一つ入れない、主催者から「どうですか?」と聞かれても返事の一つも寄こさないことです。これはどんなことにも当てはまります。 自分一人でやっている同人誌でも印刷会社の人に連絡の一本を入れるだけでも対応がだいぶ変わってくると思います。
とはいえ、原稿は間に合うに越したことはありません。原稿を少しでもさぼらないようにする方法としてはLIVE配信などで誰かに見られている状況を作る、素材などを積極的に使ってみるという方法もあります。LIVE配信は特に効果があります。プロだから素材を使わないということもありません。プロでもアマチュアでも原稿の締め切りを守るためにいろんな工夫をしています。
ギリギリの入稿になってもキャンセル料は取られませんし、通常締め切りに間に合わない場合は特急料金を払うことで対応してくれる場合もありますが、余裕のない原稿執筆はあまりいいことはありませんし、それがくせになってしまうのは厄介です。絵や文章がうまくかけたかどうか以上に、今やっている原稿がどうやったら〆切に間に合うかというのは常に心掛けたほうがいいです。