同人誌にバーコードやIBSNは必要?バーコードの必要性を解説!
商品や書籍の流通上の管理に使われるバーコードやIBSNですが、同人誌も書籍として流通させるのであればバーコードやIBSNが必要となるのでしょうか。ここでは同人誌を作る際に知っておくと役立つ、バーコードとIBSNの役割、同人誌にもつける必要があるのか、つけるにはどうすればよいかを解説します。
バーコードについておさらい
バーコードが太さの異なる線(バー)とスペースを組み合わせて構成された縞模様の印字で、これをスキャナで読みとることでその商品が何なのかを認識できます。バーコードによって大量の商品を容易に管理することが可能となっているのです。
バーコードの左右にある何の印字もない余白のことをクワイエットゾーンといいます。クワイエットゾーンはバーの印字から左右に2.5ミリ以上必要とされています。クワイエットゾーンはスキャナがバーコードを読み取りやすくする役割があるのです。
バーコードの下部、左端に印字される文字はスタートキャラクタ、右端に印字される文字はストップキャラクタといい、データの最初と最後を意味します。キャラクタはバーコードの種類によって異なります。
バーコードにはEAN、インターリーブド2オブ5、NW-7、コード39、コード128、GS1 DataBar(RSS)といった種類があるのです。数字は基本的に0~9が使用されますが、NW-7やコード39では記号も使われること、コード39では記号のほかにA~Zのアルファベットが使われるなどの特徴があります。
EANは生活用品全般、インターリーブド2オブ5は貴金属や小物、NW-7は宅配便の伝票や写真プリント用封筒、血液管理、コード39はFA分野やAIAGタグ、コード128は公共料金収納や医療材料管理、電子部品管理、GS1は医療過誤防止に利用されています。
GS1は、それまでのバーコードと比べて同じデータでも省スペースで印字できるという特徴があり、医療用薬品への表示が義務化されているのです。共通商品コードにはアメリカで規格化されたUPC(Universal Product Code)と、ヨーロッパで規格化されたEAN(European Article Number)があります。
日本で使われているJAN(Japanese Article Number)はEANのひとつです。JANコードは標準13桁、短縮8桁で構成されており、主にPOS(Point Of Sales=販売時点情報管理)に使われています。
フリマサイトで出品する際にバーコードを読み取ることで商品名の入力を省略できたり、食べたものを記録するアプリでバーコード読み取りを使ったりしたことがある方もいるのではないでしょうか。バーコードには“その商品が何なのか”を瞬時に判別することのできるとても便利なツ―ルで、流通や管理になくてはならないものとなっています。
IBSNとは
IBSNコードは国際標準図書番号とも呼ばれる記号で、978か979から始まる13桁の数字で構成されています。IBSNコードを読み取ると、その本を書いた作者や内容、どの出版社あるいはどの地域で出版されたのかといった書籍の情報が分かるのです。
IBSNの表記のあとにハイフンでわかれた4つの数字が印字されますが、978か989の次の部分の数字は出版した地域、そのとなりは出版社を、3つ目の部分は書籍のタイトル、最後の部分がバーコードの正確性を確認する検査番号になります。
地域を表す数字ですが、日本は4です。IBSNコードは裏表紙のほか奥付にも表示することが義務付けられており、世界中の書籍に印字されています。もし今、周囲に書籍があれば裏表紙を見てみてください。
バーコードの横にIBSNからはじまるコードが記載されていることを確認できるはずです。IBSNコードで読み取ることのできる書籍の情報は、出版、流通、小売、図書館といった関係者に共有されます。
日本では1981年から書籍にISBNが付けられるようになりました。ISBNの登録や管理は日本図書コード管理センターが担っています。自費出版の本もISBNをつけることで、図書関係者に知ってもらうことができます。
同人誌にバーコードやIBSNは必要?
同人誌を個人の趣味として楽しむだけであればIBSNは必要ありません。ただ、書籍を販売したり、図書館に寄贈したりする場合は必要になります。
バーコードやIBSNは法律で印字を義務付けられているわけではなく、流通・管理に必要なものです。バーコードがないと、書籍の販売時に書店員が毎回金額をレジに打ち込まなければなりません。
そうした手間を避ける目的で、IBSNやバーコードのついていない商品は流通させようとしたときに断られてしまう可能性が高くなります。一般の書籍として販売したいと考えているのであればIBSNやバーコードを付ける必要があるでしょう。
図書館ではISBNコードを使用って書籍の管理を行っています。販売はしないけれど図書館に寄贈を考えているという場合も、IBSNやバーコードが必要になります。
同人誌にバーコードやIBSNをつける方法
バーコードやIBSNコードの取得には申し込み手続きと取得費用が必要です。バーコードの作成にはIBSNが必要となるため、先にIBSNコードの取得手続きを行います。
IBSNコードは、日本図書コード管理センターのホームページからオンラインで取得の申し込みが可能となっています。申し込みのフォーマットに、出版社名、所在地、管理者情報、氏名、住所、電話番号、ファックス番号、メールアドレス、ホームページがある場合はURLを記載して申し込みをしましょう。
登録した内容は原則公開されるので、自分の住所や電話番号、本名を知られたくない場合は法人を設立するのがおすすめです。IBSNコードの取得にかかる費用はシングルコード1点で8,800円(税込)となっています。
IBSNコードは申請者自身が管理する必要があります。とくに複数書籍についてコードの申込を行う際は、どの書籍がどのコードかコードリストで管理してください。IBSNコードを取得したら次にバーコードを作ります。
バーコードは自分で作ることができます。IllustratorのCS4以上のバージョンを持っているのであれば無料のバーコード作成ツールを使って簡単にバーコードを作成できるのです。
Illustratorを持っておらず、自分でバーコードを作成できない場合は、バーコードシール作成を請け負っている業者に依頼をします。バーコードシールはオリジナルステッカーなどに対応しているネットプリント業者などに作成を依頼できます。
業者に依頼する場合は取得したIBSNコードを伝えて、専用バーコードシールを作成してもらいましょう。書籍には書籍JANコードという2段になったバーコードを使用します。Illustratorで印字する場合もシールを貼る場合も、バーコードを配置する場所は本の裏表紙の上端から10ミリ、背表紙から12ミリの位置という規定があるので覚えておいてください。
まとめ
バーコードとIBSNは図書の流通や管理に必要とされるものです。同人誌を一般に流通させたいのであればなくてはならないものです。バーコードを付けることで書籍はより本物らしくなります。
自費出版の同人誌を一般の流通にのせたいのであれば、バーコードとIBSNコードの取得は忘れずに行ってください。こちらで紹介した内容を同人活動に活かしてください。