同人誌印刷で使われる「遊び紙」の種類と選び方とは?
これから同人誌の印刷をどのように進めようか考えている人は、遊び紙を使用するときの種類と選び方について知っておきましょう。遊び紙は、巻頭や巻末にはさんでいる紙のことで、印刷されていないのが特徴です。今回の記事では、メリット、種類、選び方などを紹介します。作品をより良いものにしていきましょう。
遊び紙とは何か?
3つのメリットも紹介します。書店で販売されている書籍のように高級感を演出できます。読者は、思わず作品のページをめくりたくなるでしょう。
遊び紙とは
遊び紙が無くても作品として成り立ちますが、高級感を演出できるメリット、作品の雰囲気を読者に伝えられるメリット、手軽に使用できるメリットがあるので、積極的に活用しましょう。
遊び紙は、巻頭や巻末にはさんでいる紙のことで、印刷されていないのが特徴です。総集編やアンソロジーでは、ページの途中に入れている場合もあり、目次の代わりとなっています。
また、遊び紙はさまざまな書籍にも使用されているので、目にしたことがあるでしょう。同人誌を印刷するときも遊び紙を活用してください。
高級感を演出できるメリット
同人誌で使用されている紙の素材、手触り、光沢感などで購入するかどうか検討する人もいるでしょう。作品に高級感を演出する方法として、遊び紙が活用されています。
思わず読者が見とれてしまいそうな演出ができれば、リピーターとなって次の作品も購入してもらえる確率が高まるでしょう。作者のセンスの良さが伝わるので、遊び紙選びは適当に行わないようにしてください。
自分で遊び紙を選択するセンスが足りないと感じている人は、書店などでおしゃれな遊び紙を見つけてみましょう。
作品の雰囲気を読者に伝えられるメリット
文字で作品を綴るだけではなく、遊び紙も有効に活用することで、作品の雰囲気を読者に伝えられるようになります。ページをめくるときの高揚感を読者にプレゼントできるでしょう。
細部までこだわることで、読者に良い印象を与えられます。
手軽に使用できるメリット
紙を1枚はさみ込むだけの作業なので、締め切りを前倒しにする必要がありません。また、遊び紙にイラストや文字を記載する必要も無いので手軽に使用できます。
希望する人は加工もできるようになっているので、興味のある人は注文しましょう。
遊び紙の種類と選び方
さまざまな種類があります。また、同じような色でも少し違うところがあるので、遊び紙を選ぶときは楽しい時間を過ごせるでしょう。
定番の常備遊び紙
遊び紙を購入するときは、目だけではなくて手も活用して選択しましょう。手触りや質感は作品のイメージを印象付けます。実際に手で遊び紙に触れてみましょう。
また、ページのめくりやすさも重視して選択します。読者の気持ちになって遊び紙を選択すると良いでしょう。そのほかにも、光沢感の有無や分厚さなども参考にしてください。見本帳があれば見せてもらいましょう。
季節の遊び紙
できる限り費用を抑えて購入したいと考えている人は、期間限定フェアなどを活用して、お得に購入しましょう。また、ほかの人とは違う季節感を演出した作品を作りたいと考えている人は、季節の遊び紙を購入しましょう。
暖色系、寒色系、深みのある色などを選択できます。新刊が季節をテーマに扱っているときは、積極的に活用しましょう。
オーソドックスな色上質
こちらは、迷ったときに選択することをおすすめする遊び紙です。さまざまな商業印刷物の表紙などにも用いられているので、目にする機会が多いでしょう。オーソドックスな紙なので、失敗することが少ないのが特徴です。
そのなかで人気を集めているのは、色上質の水です。そのほかにも、桃、やまぶき、リンドウなどがあります。カラーバリエーションが豊富なので、どの色を選択しようか迷うことがあるでしょう。
注意点は、選択する色によって値段が異なることです。一般的に黒はほかの色よりも高額ですが、作品を引き締める色として人気を集めています。
手触りが魅力的なタント
こちらは200色のバリエーションがあります。そのなかでもおすすめできるのが、えんじ色に近い赤色と、上品な紺色です。えんじ色に近い赤色は、シックで大人びた落ち着いた雰囲気を演出します。
上品な紺色は、しっとりとした落ち着いた大人の作品と思われるでしょう。タントはカラーバリエーションが豊富であるだけではなく、手触りが魅力的です。たとえるならば、控えめなエンボスのようでしょう。
最初のページのイラストが見えるクラシコトレーシング
最初のページのイラストが見えるようにしたい人におすすめできるのが、クラシコトレーシングです。こちらは、桜ふぶき、貝殻、サイダーなどから選択できます。作品のイメージと合うように選択しましょう。
また、桜ふぶきは春、貝殻とサイダーは夏を連想させます。そのほかにも、霞は和風の世界を演出できるので、着物を着ている登場人物がいる作品の場合は適しているでしょう。
巻頭でクラシコトレーシングを用いると、作品のイメージが膨らみます。これから作品を読み進める読者の好奇心をかき立てるでしょう。
おしゃれな遊び紙の使い方
ほかの人とは違う作品を作りたい人や、自分や作品の世界観を表現したい人は、参考にしてください。少し工夫するだけで読者に与える印象が異なります。手軽に取り組めるものから始めてみると良いでしょう。
冊子の前と後ろで別の色にする
冊子の巻頭と巻末は、同じ色でなければいけない決まりはありません。別の色に設定できるので安心してください。たとえば、推しの色が2つあった場合は、巻頭と巻末で色を使い分けられます。
少しでもほかの人が販売している作品と違うようにしたいと考えている人におすすめです。この際、作品のイメージに合うような色を選ぶとセンスが良いと思われるでしょう。
巻のなかにも遊び紙を入れる
こちらは、アンソロジーや総集編などで多く用いられている方法です。具体的には、ストーリーとストーリーのあいだに遊び紙を入れます。巻のなかに遊び紙を入れることで、目次の代わりになることもあるので便利でしょう。
これにより、自分が読みたい作品のページをすぐに開けるようになります。また、遊び紙の色を工夫することで季節感を表現できます。春はピンク、夏は青、秋はオレンジ、冬は白というように色を選択して、巻のなかに遊び紙を入れると、作品に季節感が出るでしょう。
巻のなかに遊び紙を入れるときの注意点は、納期が長くなるということです。また、料金が変化することも考えられるので、早めに業者に相談してください。
遊び紙で装丁を豪華にできる
たとえば、作品に登場する人物のイメージカラーを設定して、そのイメージカラーと同じ色を遊び紙として表現する方法があります。作品を読み終えた読者が、今まで以上に作品に興味を持つようになるでしょう。
遊び紙で装丁を豪華にする方法は、まず、作品に登場する人物のイメージカラーと同じ色の遊び紙を用意します。次に、遊び紙を寸足らず加工します。
そして、遊び紙の色がすべて外から見えるようにします。このように演出することで、作品のページをめくらなくても登場人物をイメージできます。作品の世界観がより伝わるでしょう。
まとめ
作品のイメージを明確にした後に、遊び紙を選択すると良いでしょう。
また、作品に登場する人物のイメージカラーを設定してから、遊び紙を選択すると良いでしょう。さまざまな色が用意されているだけではなく、手触りや光沢感などが異なるので、遊び紙を選択するときは慎重に行いましょう。ほかの人の意見を参考にすると、遊び紙の選択肢が広がるでしょう。